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RSSフィード [27] 新歓と書いて、三語と読め
   
日時: 2011/06/04 23:42
名前: RYO ID:Yn.2vmho

「竹林」「雨」「二号」
以上の三つのお題を使って、小説を書いてください。
締め切りは、6/5 1時(6/4 25時)とします。

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Re: 新歓と書いて、三語と読め ( No.3 )
   
日時: 2011/06/05 01:29
名前: RYO ID:LRtNGENE

「森と林の違いって知ってるか?」
「森のほうが木がたくさん生えてて、林のほうが少ないんだろう」
「ふっ」
「なんだ、その勝ち誇った顔は?」
「ふっ」
「だからなんだよ」
「これだから、素人は困る」
「なんだよ」
「まず林の語源を知ってるか?」
「語源?」
「そうだ。『はやし』と十回言ってみろ」
「十回? ピザじゃあるまいし」
「とにかく言えよ」
「わかったよ。はやし、はやし、はやし、はやし」
「遅い。もっと早く」
「はやしはやしはやしはやしはやしはやしはやし」
「で、なにか、わかったか?」
「いや、なにも。疲れただけだ」
「ふっ」
「なんなんだよ!」
「やはりな」
「やはり?」
「ふっ」
「もったいぶるなよ」
「いや、十回言えば分かるかもしれんと思ったけど、やはり無理だったな」
「とりあえず殴っていいか?」
「まぁ落ち着け。林の語源ってのはな、他動詞で植物とかを『生やす』なわけだ。それを名詞化させて、『生やし』になったわけだよ」
「おお。なるほど」
「この意味が分かるか?」
「いんや」
「ふぅ」
「なんだ、そのため息は。そんなに俺にうんちくを語るのは疲れるか?」
「疲れる。いいか、植物を『生やす』のは誰だよ?」
「えっと、人か?」
「そうだよ。つまり、林っては、人が『生やし』たから、『林』なんだよ。人の手が入っているってことなのさ」
「おお」
「ここまで説明しないと、分からないお前に、驚きだよ」
「るせっ」
「まったく。この定義でいくと、この日本にどれだけ森が残っているのか?」
「ほとんどないだろうな。実家の裏山さえ、林だな。言葉はあれど、本物の森はずいぶんとなくなったわけだ」
「違う。俺がいいたいのはそんなことじゃない」
「はぁ?」
「ふっ」
「いい加減、その俺をさげすむような目をやめい」
「ふっ」
「だから――」
「いいか。森があって、林があって、じゃあ、『竹林』はどうなるんだ?」
「竹林?」
「そう竹林だ。なんで林がつく?」
「いや、どうでもよくね?」
「竹林とは人が生やしたものなのか? お前は気にならないのか?」
「ならない」
「では、『竹森』という言葉があっても良いんじゃないか?」
「なくても困らない」
「お前が困るかどうかなど聞いていない」
「じゃ、聞くなよ」
「いや、大事なことだろう」
「そうか? 竹林があるのは、竹の子でも採るために人の手が入るからなんじゃね」
「おお。なるほど。竹の子か。それなら合点がいくな」
「いや、適当に言っただけだ。そこまで納得されると引く」
「つまり、竹森は竹の子のために絶滅し、竹林が生まれたと。そう言いたいわけだな」
「いや――っていうか、絶滅ってなんだよ」
「そうすると、やはりここは」
「竹林でいいんじゃね? 雨に濡れてなかなか風情があるな。春とはいえ、風邪を引きそうだ」
「竹の子を取るから、竹林。これは盲点だった」
「いや、竹の子を取りに来たまでは良かったが、雨に降られたことが盲点だろう。なんで天気予報を確認しなかった?」
「衛星ひまわり二号でも外れることはあるんだろう」
「知らないのか。ひまわりが今何号なのかを」
「しらねーよ。いい加減下りようぜ」
「今日の晩飯は、竹の子づくしだな」
「にしても、お前んちって本当に山を持ってたんな」
「秋は松茸が取れるぞ」
「それは楽しみだな」
「ふっ」
「なんだ、その笑いは。さては俺を呼ばない気か?」
「ふっ」


――――――――――――――――――――――――
ねたが思いつかず、20分くらい。
地の文は書く余裕がなかったので、会話のみにしました。
自虐的に、ふっ。

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