予言じみた散文 ( No.2 ) |
- 日時: 2012/05/29 22:50
- 名前: マルメガネ ID:7J99iMdM
見渡す限り広がる褐色の大地と抜けるような青い空のコントラスト。 日中の気温は五十度前後と乾ききって体温調節もままならぬ暑さがそこにある。 誰彼となしにそこに足を踏み入れようものならば、陽炎あるいは蜃気楼に惑わされ、死に至るその砂漠は、石油が発見されて以来、油田開発が始まった。 鋼の櫓が立てられ、油井が掘られる。 すでに掘られたところには石油プラントが建造され、褐色と青色の狭間に高い煙突の上でオレンジ色の炎が揺らめき燃え盛っている。 時の支配者と石油で財を成した財閥の間に確執が生まれ、そしてそれは時に無意味な争いを引き起こし、世間を賑わせる。 一時の砂漠の覇王となる財閥の王『石油王』は、その権勢を誇るも石油が枯渇すれば、その威信は地に落ちるだろう。 万物は流転する。 これから先の未来の砂漠は、その繁栄の面影を残しているか、または褐色の太陽に熱せられた熱砂に覆われて痕跡すら残っていないか、のどちらかだ。 そしてその評価は後世にゆだねられるであろう。
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