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RSSフィード [58] 三語「保存液」「そびえ」「砂時計」
   
日時: 2012/01/10 00:44
名前: 星野田 ID:pb5dvHKE

縛りは「最後は極上のハッピーエンド♪」です
2:00まで

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Re: 三語「保存液」「そびえ」「砂時計」 ( No.2 )
   
日時: 2012/01/10 01:56
名前: 星野田 ID:pb5dvHKE

「保存液」「そびえ」「砂時計」
縛りは「最後は極上のハッピーエンド♪」
ジャンル:純文学
***************

『連休』

【 】
 その橋を渡るときは、呼ばれても振り向いてはいけない。祖母は生前、口を酸っぱくしてそう言っていた。自動車も通れないような横幅の古びた石橋で、住む人間も滅多に使わない。この橋には鬼が住んでおり、振り向いた人間を地獄への門に引き釣りこむそうだ。周囲は草木が好き勝手にそびえ、橋の名は雨風にけずれてもう読めない。そう思えば曰くつきの場所に見えなくもないが、人に忘れられた小さな橋だった。
 ある日、橋の真ん中まで歩いたとき、後ろから「にゃあ」と聞こえた。振り向いた。

【 】
 近くの公園で青空市場が開かれた。その一画にブルーシートを広げた老婆がいた。陽気に当てられうつらうつらとしている。のんびりとした雰囲気が気に入り、彼女の商品を眺めた。そのひとつに同じ大きさの砂時計がふたつ、横並びに繋がった置物があった。老婆はぼんやりとした口調で「金色の砂時計をひっくり返せば、五年若返る。銀色の砂時計は歳を取る」と言った。興味を持ったので、紙幣一枚と交換に砂時計を貰った。
 家に持ち帰り、金色の砂時計を逆さにした。

【 】
 メガネを壊してしまった。これでは危なくて外を歩けない。記憶を便りに一時間ほど部屋をあさると、コンタクトレンズの容器を見つけた。一度か二度はは使ったのだが、目にあわなくて結局メガネを愛用していたのだ。蓋を開けると保存液の中にはコンタクトレンズが入っていた。もういつのものだかは分からない。
 このレンズを通して何を見ていたのだろう。そう考えながら、レンズをつけた。

【朝】
 猫に餌をやり、靴を履いてドアを出た。

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