Re: 即興三語小説 ―三語に役職ができたらしい― ( No.2 ) |
- 日時: 2013/05/22 21:51
- 名前: Azu ID:FrCJ.uD2
意識戦争
二〇一三年から百年、女帝が国をおさめて二十年。 この世界では第三次世界大戦がすでに起きている。 今は、第四次世界大戦だ。 発端は、第三次世界大戦の混乱から世界を平和にするために一国が発起したことだ。 第三次世界大戦では、国々が技術を詰め合わせて戦闘機に人工知能を使われた。 さらに、戦車をはめるために深い穴を掘るなんていう古典的な手まで出た。 しかも、電磁砲や光線銃などの兵器も出てきた。しかし、それも過去の話だ。 今は、意識戦争と呼ばれている。 洗脳電波などを出したりする。冷戦のような戦争だ。 この戦争も佳境になってきた。おそらく、次の作戦が最後だろう。 次の作戦は、どのような作戦だろうか?
俺は、部屋の窓から朝陽の差し込み始めるまだ暗い中、ルームライトに照らされながら PCでソフト相手に一人でチェスのゲームに興じていた。 「何をしているのだ?」 最近姿を見なかった上官が話しかけてくる。 「チェスをしていました」 「そうか……」 「この戦争における最後の作戦が決まった。」 最後、絶対ではないが決めてになるのだろう。 「はい」 「電撃鳩ポッポ大作戦を使う」 電撃鳩ポッポは隠語だ。 どこにスパイがいるか分からないから、あえてダサい名を使っている。 本当の名前は「HAL 9000」だ。 この兵器は、ダマスカス鋼で出来た大砲。 人の脳を犠牲にして超強力な洗脳意識を打ち出す人類最悪の兵器だ。 ちなみに、この洗脳砲を撃った後に抵抗無しで敵地を占拠することが出来る。 この兵器の犠牲者は、話を持ちかけられたということは俺なのだろう。 この国は、軍に入ったら最初に洗脳を受ける。 国に友好的、そして死を恐れないようになる。 だから、怖くなかった。むしろ、国のために役立てるのがうれしかった。 「作戦決行は二週間後だ」 「分かりました」 この日からは、忙しかった。 脳の調整をして、兵器に合わせ、より多くの人が洗脳できるようにする。 すぐに日が経ち、作戦決行日になる。 俺の意識は、HAL9000に装填される。 「行くぞ」 その一声で、俺の意識は打ち出される。
打ち出された瞬間、不思議なことが起きた。 国の洗脳が解けたのだ。 俺の意識はすぐさま大量の疑問を出す。
――なぜ、俺の意識は兵器にされたのか?―― ――なぜ、人を兵器として使っているのか?―― ――なぜ、人間兵器が許されるのか?―― ――なぜ、平和のために人が死ぬのか?――
そんな疑問を解消する間も無く、俺の意識は途絶えそうになる。 俺が、人としての意識で最後に考えた疑問は、
――――どうして、人は戦争をするのだろうか?――――
Fin
お題きつかったです。近未来SF?になりました。 「新しい文体に挑戦する(自分比)」以外は何とか使うことができました。 お題を無理やり使っている感もあります…… 読んでくれてありがとうございました。
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