Re: 即興三語小説 -今週は祝日があったよね ( No.2 ) |
- 日時: 2013/03/21 03:32
- 名前: 水樹 ID:rtnuyD42
吹けよ春風
もっと吹ぶけよ春風、僕に力を。神様、どうか心の桜を満開にしてください。 「ごめんなさい」 見事に散った。彼女はその一言で足早に去って行った。せめてこの春風でスカートの中身でもと、男ならではのロマン、発情期さながらのよこしまな考えの僕に、朗らかな風が容赦なく突き当たる。 最初から咲いてはいないが、見事に散った。このまま春風に乗って南極で凍えてしまいたいぐらいだ。ああ、暖かい風は南風だから行くのは北極かカナダだ。北極にペンギンは居るのか居ないのか、英語は苦手だなとか、悩んでいる振りをして、振られたショックを無くそうとして立ち尽くしている僕に、 「ドンマイケル」 お尻に蹴りを喰らわせる。 ドンマイケルのケルは蹴るらしい、良く分からないが毎度の事、男勝りの幼馴染みのユカリに蹴られる。僕が振られるのはいつもの事だった。 「いてて」 お腹は痛くないけど僕はうずくまる、振られたショックで泣きたいからだ。 「強く蹴り過ぎたかな」 多少、天然が入っているが、一応は心配してくれる。 「大丈夫、この桃尻はちょっとやそっとじゃ…」 お尻を摩りながら見上げるとそこには満開の桜が、いや、ピンクの下着が咲いていた。春風ありがとう。 キャッ、とスカートの上から抑えるユカリにキュンとした。胸が高鳴り、股間に血が巡り、僕の立派な桜木が開花しようとしていた。 立つに立てない状況で僕は、膝を付け、 「信じて貰えないけど今、僕はユカリに恋をしたんだ。心奪われたんだ。僕と」 押し倒され、言葉を奪われた。厳密に言うと唇を奪われた。舌を絡める馬乗りのユカリを、僕の千年桜は突き上げていた。春風とユカリの温かさに包まれる。 何かもう、色々満開だ。
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