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RSSフィード [10] 即興三語小説 ―第93回― もう一月も終わりですね。
   
日時: 2011/01/29 23:02
名前: RYO ID:EL7R/r9I

 あいさつ文が思い浮かびません(笑
 火山が噴火したり、鳥インフルエンザが出たり、今年もさっそくいろいろ起きるなと。
 そろそろ三語傑作選の二回をやりたいなと考えてます。
 何か案を考えます。

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「七秒ルール」「フランスパン」「活火山の噴火」
▲縛り:「噴火を予言する(任意)」「『二〇XX年の夏』の書き出しで始める」
▲任意お題:「デマ」「腐った鯖の目」「じわり、じわり」「足の小指」「マグロの刺身」


▲投稿締切:2/6(日)21:59まで
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週土曜日の22時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

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ジュール・ヴェルヌの港街にて ( No.2 )
   
日時: 2011/02/06 23:47
名前: つとむュー ID:K74kRgLw

 二○XX年の夏。
 俺は活火山のある街に来ていた。俺が泊まるホテルの前には小さな湾があり、その向こう側に火山がそびえている。どうやら山頂から小規模な噴火を繰り返しているようだ。
 火山が近くにある割には、その街は活気に溢れていた。レストランや土産物屋が所狭しと店を構え、広場では生演奏を披露する人もいて賑やかだ。その中でも一番驚いたのは、カストーディアルと呼ばれる人種がいることだった。彼らは清掃器具を身につけており、石畳の道路を絶えず清潔に保っている。聞くところによると、七秒ルールというものがあるそうだ。
「七秒以上放置されたゴミは、悪霊へと変化するのじゃ」
 フランスパンを片手に持つその老婆は、俺に向かってそう言った。
「それはそれは小さな悪霊じゃが、闇の中で一つに集まり、いつの間にか巨大な悪霊になってしまうのじゃ」
 カストーディアルはその言い伝えを信じているらしい。だから毎日、一つ一つその芽を摘んでいるという。
「それとあの火山がこの街を守っとる。悪霊は火が苦手でのう」
 一歩街から外れると、いまだに巨大な悪霊が出没することがあるという。この街にこんなにも多くの人が集まり、絶えず活気づいているのは、火山の火を恐れて巨大な悪霊が近づかないからだった。
「しかし、しかしじゃ……」
 老婆の持つフランスパンが小刻みに揺れている。
「どうかしたんですか?」
 腐った鯖の目のように視線を宙に漂わせる老婆に俺は問いかける。
「その火も冬を前にして活動が低下する。この街もじわり、じわりと悪霊に占拠されてしまうじゃろ。恐ろしいことじゃ」
 すると突然、女性の声が老婆をけん制する。
「お母さん、旅の人にそんなデマを言わないで!」
 振り向くと、二十歳後半ぐらいと見られる女性がホウキを持って立っていた。きっと老婆の娘なのだろう。
「ごめんなさい、旅のお方。お母さん、ちょっと空想に浸る癖があって」
 俺を見るその女性の瞳は蒼かった。肌の白さとのコントラストに俺はドキリとする。
「いいえ、面白い話でした」
「本当のことじゃ。アンナ、お前も早く逃げた方がいい」
 老婆は一歩も引こうとしない。
「そんなの無理じゃない。私には父さんの血が、カストーディアルの血が流れているの。私達がこの街を守らなくて、誰が守るというの」
 アンナは火山の活動度が低下しても、この街に残るという。
 予定の日程を終えその街を離れた俺は、その母娘がずっと気になっていた。

 年が明けて二月になると、俺は再びその街を訪れることになった。
 老婆の話はデマではなかった。彼女の言ったとおり、冬を前にして火山の活動度が低下してしまったのだ。街は夏に比べて閑散としていた。きっと悪霊を恐れて街を訪れる人が少なくなったために違いない。
 俺は老婆を探しに、火山の見える港に急ぐ。彼女の無事を確かめたかった。彼女からまた予言を聞きたかった。そして何よりも、アンナにもう一度会いたかった。
 すると夏と同じ場所に老婆は居た。
「お元気で何よりです。また予言を聞きに来ました」
「誰だかは知らぬが、私の予言の頼りにしてくれてるのは嬉しいことじゃ」
 老婆が俺のことを覚えていてくれなかったのは残念だったが、無事であることにほっとした。
「アンナさんはご無事ですか?」
 失礼であるとは思ったが、今度はアンナの安否が気になった。
「安心せよ。アンナは隣街に避難しておる。火山活動が低下してめっきり人が減ったからの、ゴミも少なくなってカストーディアルの出番も少なくなったんじゃ」
 せっかくアンナに会えると思ったのにと、俺はがっかりとうなだれた。カストーディアルとしてこの街を守ると意気込んでいたアンナだが、そのカストーディアルの役割が低下してしまったのであれば仕方が無い。
 それを見て老婆は笑い始めた。
「はははは、若者よ、残念じゃったな。だが吉報じゃ。火山活動がまた活発になる」
「それは本当ですか!?」
 活火山の噴火がまた活発になれば悪霊も近づくことはできなくなり、この街はまた活気づくだろう。そうしたらまたアンナに会うことができる。
「二○一一年四月二十三日じゃ。あの火山がまた活発になるのは」
「やけに詳しい予言なんですね」
「ファンタズミックが始まる日じゃからの」
 そして俺と老婆は、希望の眼差しでプロメテウス火山を見上げた。


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遅刻してすいません。
1700文字くらいです。21時半ごろから書き始めたので2時間くらいでしょうか。
首都圏で一番有名な火山の話です。舞浜にあるアレ。ちなみに僕はTDSの回し者ではありません(笑)。とても好きですけど。

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