Re: 即興三語小説 ―梅雨入りはまだ先― ( No.11 ) |
- 日時: 2013/06/03 00:05
- 名前: 卯月 燐太郎 ID:zmuY0Quo
――[122] 即興三語小説―― 感想&返信
●しんさん
この作品の良さは雰囲気でしょうね。 作品を読み始めると主人公は人形と言うことがわかり、おびえているということもわかります。 そしてその人形を創っているのは名人と言われる者なのですが、姿が不気味です。「顔はつぶされたように、頭が平らで、片目は眼帯で隠されている。背は曲がり、」とこんな容姿です。 彼から創られる人形は彼から離れることを望んでいるようですが、やっとその時が来たかと思うと、容姿はまともだが、変態貴族にもてあそばれる運命が待っている。 人形なのだから読み手は本来何とも感じないと思うのですが、魂が吹き込まれているので人間として読み、彼女のこれからの身と精神を案じてしまいます。
●昼野さん
精神の崩壊した人物を描いた作品だと思いました。 だから部屋が異常に散らかっています。俗にいうゴミ屋敷というやつです。 「セイカツトイウモノニ、イシキガイカナイ」と他人には指摘されている。 生活も精神も崩壊しているので、食事もまともではないし、衛生的なところで食べているのでもない。 だから下痢をするようなことになる。 主人公は自分が壊れていっていることを知っているが、そんな自分が好きだということは、わずかに残っている理性もやがてなくすのだろう。
●マルメガネさん
荒ぶる神が海を渡るとき踏んだがために平らになったというその島の、海神祀る宮で厳かに神事は行われていたのだが、やればやるほど「人間の深い業に魅せられて集まり来る物の怪の気配」 老神官は掠れて震える声で呪を唱え続けるが、「長い祝詞の末。闇は一段と濃さを増していた」という怖い結末。 結局、人間の力の及ばない事態になっているという事でしょうね。
●朝陽遥さん
雰囲気は絶妙なのですけれど、構成が悪い。 「起、承、転、結」で「「起」しか書かれていない。 もしかしたら、「承」に入りかけと言ったところです。 話の引っ張り方は実にうまかったです。
●zooeyさん
この作品では終始太陽が出てきます。 和蝋燭が出て来るのは後半のラスト近くになってからです。 そして祖父が、「炎みたいに強い子になってくれよ」と言うことを思い出します。 炎よりも、この作品では太陽の印象の方が強いです。 祖父はなぜ、「太陽みたいに強い子になってくれよ」と言わなかったのでしょう。
●は、さん
子供の頃「吃音」だったが大人になり、子供のときの場所を訪れてみると昔日と変わっていないが、実際のところは時代の流れに押し流されていた。友達の家であり書店であったところを出て神社でやっているまつりに行ってみる、という話。 掌編とエッセーとの間のような作品でした。 へたにドラマを作るよりもこういったところからイメージを広げていくと作品になるのでしょう。
●「返信」です。
●昼野さん
ご感想、ありがとうございました。
>>卯月さんの描くファンタジーはなんか好きです。短い中にもメッセージ性があってよかったです。<<
●私の個性をよく御存じですね。 短い作品でもドラマがなければと思ってしまう性格です。 近頃はだんだんと日常に近い物を描くようにしているのですけれど、つい、オチを付けてしまいます。
●しんさん
ご感想、ありがとうございました。
題名:『夜が満ちる』 >「人間たちの心の中は、夜そのものだったよ。真っ暗な闇の世界だったよ」 このセリフの裏づけに一つ事件がほしかったですね。
●「セリフの裏づけに一つ事件がほしかった」まったくその通りです。
題名:『魂やどるもの』 こちらは不気味でよかったです。
●こちらの方の作品は主人公を「神沼玲子」に代えて書いても面白いのが書けそうだなぁと思っています。 他人の複数の作品を膨らまして演出するのって、面白いですね。
それでは、みなさんありがとうございました。
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