Re: 即興三語小説 ―来週だけで残業が20時間オーバーな予感― ( No.10 ) |
- 日時: 2013/06/14 17:56
- 名前: 卯月 燐太郎 ID:PjiMvS2Y
――[123] 即興三語小説―― 七作品、感想。
星野日さん
>>ペロ……うんやっぱあれだよ。ほんとこの部屋に前に入った人には失望だよ。 ド変態じゃないか。ここ、女子トイレだぞ。<<
●で、このトイレに入って一人称で語っているのは「俺」なのですよね。 その俺が入る前にも男が入っている。 俺が入るとドアに汚れ物がついていた。 それで俺はいろいろと試行錯誤をする。 そして俺の前の男は変態ではないかと結論づける。 だったら、主人公は「俺」だからたぶん男であり、変態に他ならない。
●これが、小説なんですよね。 女子が女子トイレに入りその前に男が入っていたのを見て汚れ物を知り、「不愉快だわ」とトイレから出てしまうと小説にならない。
ひ、さん
●この内容では、作品の意図するところがわかりづらいですね。
>>行きつけのバーで飲んでいた。 店を出て、タクシーに乗り、そのまま知らない部屋へ招かれ、シャワーを浴びながら、自分の右の乳房をみたとき「あの女ころしてやる……」と口を衝いてでた。<<
どうも、この辺りに謎解きがあるようですが、「山野愛子」は売春でもしているのですかね。 「右の乳房」になにやら過去(中学時代)からの意味がありそうで。 それに篠田明美が関わっていた。 下記Aを読む限りでは篠田明美も、過去を引きづっていて、それを小説にしようと思っていたのですかね? まあ、自殺と言うことで、自ら決着をつけたということになりますけれど。
A>>死体はデスクに突っ伏していた。パソコンの電源がついている。画面には書きかけの文章が。そしてパソコンの近くに立てられた木製のボードには、いくつかの付箋紙が貼りつけられている。 殴り書きの態様でそれぞれ「岩絵具」「娘」「白ビール」「バルザック」「からくり」「インドネシア」 斯くの如き単語群がどのような物語を目指していくはずだったのか、いまとなっては深い闇のなかだ。<<
しんさん 「三題漫才」読みました。 漫才になっていました。 型どおりですね。 先生が「飲酒したらあかんやろ」に対して「先生、わたし白です」は決まりましたね。 岩絵の具=「こうぶつ」 はよかったのですが、そこに至るまでの「A:それってあれちゃうんか? 岩絵具で白色つけているだけちゃうんか?」これが少し苦しいかな。
ちなみにこれだと「淫行」も行けますね、疑われたときに「うち白やで」とスカートをまくりあげる。 「パンツ降ろしんかい」と言われたら、黒になるけれど(これを二段オチと言う)。
しん さん「えもいわれぬ」読みました。
主人公が呼ばれた彼女の彼は抽象画でも描くのですかね? そしてその意味を謎解きにする。 御作では主人公と彼女のやり取りの細部が描かれていました。 だから内容はよく伝わりましたが、主人公と彼女とはどういった関係なのでしょうね? 「困った友人」と言うだけでは、もうひとつわかりませんでした。何しろ異性ですから。
>>そこに人は描かれておらず、ただ床に牛乳がぶちまけられたような絵が描かれている。 「なにか、いってなかったの?」 「なんかね。白の岩絵具の材料は貝だとかなんか、ハマグリがどうのって貝の話してた」<<
床=子宮 牛乳=精子 ハマグリ=女性器 と私は解釈しました。 子供を作ろうという事ではないですかね? 結局はプロポーズと言うことになりますけれど。
二作品投稿お疲れ様でした(笑)。
Azu さん「伝えたい」読みました。
>>『絵は、楽しむものだよ? 有名な作品を描こうなんて思わなくていいの』<< ●結局芸術というか創作に関するものは、「楽しむ」ことだと思います。 それがなければ、長続きしないし、積極的に行動が出来ない。 私がここで「感想を書いているのも楽しんでいるからです。作品を書くだけではありません」。
●御作ですが、絵を描く意味を忘れた主人公にテレビのCMで流れた絵画展の絵に魅せられて美術館に行き、作品を観て作者と心の対話をして自分を取り戻すという作品だと思います。
●この作品を面白くするには、主人公が絵を魅力的だと思わなくなった理由を具体的に描くことですね。 たとえば、当時彼がいて、そちらに引っ張られて、絵から離れたとか。案外人間は弱いものだし、簡単に他人に協調してしまうことがあります。 好きな人ならなおさらです。 彼の都合で絵から去ったとか。 ところが、彼と別れて、違う世界で人生を過ごしているときに再び絵と接する機会があった。これらも具体的に描くことです。 それにより、作品(自分の書いている小説)は命を与えられます。
Φさん「1941年、ドナウエッシンゲンにて」読みました。
歴史(時代)の一コマを感じる、作品ですね。 二人の軍人の運命を変えた戦争(歴史)が描かれていると思いました。 また、エピソードで綴られているので、内容もわかりよかったです。
タイトルが「1941年、ドナウエッシンゲンにて」ということで、B29の空襲が特務機関より情報が持たされたのは疑問を持ちましたが。 >>*1944年11月以降はマリアナ諸島のサイパン島、テニアン島およびグアム島から日本本土のほぼ全域に対する戦略爆撃を開始した。<< と言う事なので、「1941年」にB29の空襲が特務機関より情報というのは、早すぎるような気がします。
主人公のフィアンセ(婚約者)が東京から「広島の方へ疎開したよ。今は呉の工場に勤めている」というのは、東京も広島も地獄と言ったところでしょうか。 東京は大空襲があり、広島は原爆ですからね。
toriさん「二人」読みました。
作品の長さに合った内容でした。
これは「二人」というタイトル通りに、エピソードを描いているからでしょう。 だけど、男どうしで友情以上の気持ちを持っているみたいですね。 任侠道などの男が男に惚れる、または敵と友情が芽生えるようなハリウッド映画などもありますが、そういったものとは、だいぶ質が違うようです。 人間って面白い生き物ですね。 異性って、いったいなんでしょう。 御作の場合は二人の間に異性に近いコミュニケーションがあることが微妙なタッチで描かれていました。 「白ビールがキレイに入らなかった」たしかに、そうですね。 絵の中に白ビールが出て来るのですから、話題をそちらに降ってみると、白ビールのことを印象付ける(いくらでも白ビールのことを書けます)ことができます。
================================
「人工島の猫」返信
●しんさん
ご感想、ありがとうございました。
そうです、「軍艦島」の話を書きました。 作品として書かれたのはだいぶ前です。 年数のずれを直していないので、今の状態とでは少し内容におかしな点があるかもしれません。 現在では軍艦島の一部(安全なところ)には観光客が入れるようになっています。 それ以前は、上陸の許可は出ていないようでした。危険なので。 この話はその当時の話ですから、人間は住んでいません。
作品の目的は主人公が子供時代を過ごした故郷の訪問とそこに居ついていた猫の話です。 主人公は絵がうまかったので、父親が将来はそちらの方に進めてやると思っていたところ、炭鉱が閉山になり、軍艦島から人がいなくなりました。 猫は野良だったので、その後も住み続けて、本来なら15年ほどで寿命をまっとうするところですが、なぜか生きていた。 という話です。
実はこの話は長さが倍あったのですが、内容を知らせるにはすべて書く必要がなかったので、半分にしました。 全容を掲載すると明らかになるのですが、この猫は島が200年前に人間が開発し始めた当時から石炭を運ぶ船頭と一緒に島に来ていた猫で、ある日のこと、海が荒れて、軍艦島の岸壁に叩きつけられて、主人ともども亡くなったという設定になっています。 そのときに猫は脚を痛めたわけです。
●Toriさん
「人工島の猫」ご感想、ありがとうございます。
>>いいですね。 厚塗りな描写が読み応えにつながっていたと思います。それによって現実なのか幻想なのか分からないケンケンの味につながっていました。 そしてやっぱネックは岩絵具と白ビールですね・・・扱いが難しい。<<
「岩絵具と白ビール」簡単に済まそうと思ったのですが、もっと、書き込まなければだめかな。だけど、あんまり書き込むと逆に「岩絵具と白ビール」が、浮いてしまうような気もするし。と言ったところでしょうか。
●Φさん
「人工島の猫」ご感想、ありがとうございます。
Φさんは、軍艦島にいった事があるのですか、それはいいですね。 私は、ネットと、写真集で以前見ました。 最初は海から浅瀬が見えていたようなところで、島と言うよりも岩場といった感じだったらしいですね。石炭が取れるということがわかり、その後、発展したということを知りました。 >>私は「人工島」というと、後者の方のイメージが強く、SF的な雰囲気を嗅ぎとってしまいます。<< たしかに「人工島」というと、SF的な雰囲気が無きにしも非ずですね。 改作するときはタイトルを変えようと思います。
●ひ、さん
ご感想、ありがとうございます。
>>卯月燐太郎さん 美大進学、ときくとついつい「美大ぃ? 行くな行くな」みたいな話を連想しがちだったのですが、いいお父さんでほっこりしました。詳しくなくて岩絵具を買ってくるというのが効いてるなと思います。
―――――――――――――――――――――――――― ●これはお題で「岩絵の具」があった物ですから、このエピソードを書きました。 作品自体はかなり以前に別サイトの三語即興文で書いたもので、そのときは「岩絵の具」の話とかコンクールの話はありませんでした。 「詳しくなくて岩絵具を買ってくる」こういったエピソードは親ばかですね(笑)。 しかし、小説のエピソードにはそういった人間性のあるものが必要なのでしょう。
=============================
以後の感想の返信等はここに書きます。
ありがとうございました。
|
|