閑話休題 ( No.1 ) |
- 日時: 2012/12/08 18:18
- 名前: マルメガネ ID:OmN.1Z4A
西高東低冬型気圧配置になる前に出したコタツを囲み、学者が暖を取っている。 日本茶と茶菓子もあってほのぼのとした雰囲気だ。 「ところで、この表に表してある数値ですが」 と、乙教授が話題として天板に何かの数値が書き込まれた表を出した。 「ふむなるほど。これについて、主観なのか、統計なのか。それが問題だ、と思いますが」 と、甲博士が言った。 「もちろん、客観的なものでありまして、主観ではなく統計上のものですよ」 乙教授が言うと 「それなら興味深いものですな。しかし、一体これはなんの統計でしょう」 丙准教授が興味を示す。 「日向馬ならびに木曽馬の頭数の推移です。こちらは、某メーカーが主観的に出した統計」 コタツを囲んでの討議が始まった。 一度始まった討議はなかなか終わらず、彼らが気づいたときには茶も冷め、外は雪がふぶいていた。 「そう言えば、今日は大雪」 「その日に雪が大雪になるというのも、主観なのか、統計なのか」 「昔からの言い伝えですよ。さぁ、帰りましょう。遭難しないうちに」 研究所の休憩室の電気が消された。 しかし、うっかり丙准教授がコタツのスイッチを切り忘れた。 それを思い出して引き返した彼はこうつぶやいた。 「うっかりもしっかりも、統計を取ったらどうなるんだろうねぇ」 と。
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