カレーか、スイカか、夏にふさわしいのはどちらか? 怒りの秋葉原で一歩も引けない論争は、日本の夏の文化を語るには欠かせない。--------------------------------------------------------------------------------●基本ルール以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。▲お題:「カレー」「スイカ」「怒りの秋葉原」▲縛り: なし▲任意お題:なし▲投稿締切:7/16(月)23:59まで 〆切にあわせて、ミーティングも16日、月曜の21時とします。▲文字数制限:6000字以内程度▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません) しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。●その他の注意事項・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)・お題はそのままの形で本文中に使用してください。・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。●ミーティング 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。●旧・即興三語小説会場跡地 http://novelspace.bbs.fc2.com/ TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。--------------------------------------------------------------------------------○過去にあった縛り・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)・舞台(季節、月面都市など)・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)-------------------------------------------------------------------------------- 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ! それでは今週も、楽しい執筆ライフを!
お題は、「カレー」「スイカ」「怒りの秋葉原」です。 短冊に願いを 梅雨の一時の晴れ間、「天気も良いから秋葉原に行こう、ねえ、行こう行こう」 と殺人鬼にねだられ、早朝起こされた。時計を見たら三時半だった。雲一つなく、天の川が綺麗に輝くまだ夜中だ。 過去の三語に結構登場している、作者もすっかり忘れていた殺人鬼。筋骨隆々の身長二メートルオーバー、繋ぎの作業着でアイスホッケーのマスクを被っている。泣く子はさらに大泣きする外見とは裏腹に心優しい殺人鬼。なんやかんやあって僕の家に居候している。そのなんやかんやは作者もとうに忘れているだろう。さらに言えば、七十四回三語の使い回しに思い入れが全く感じない。「君はそのまま寝ていいさぁ、既に準備万端だからね、全面的に信頼していいさぁ。このアイスホッケーマスクを被って寝てればいいさぁ、ああ、間違えた。アイマスク」 どんな間違いだと頭の中で突っ込みつつも、すぐに僕は眠りに落ちた。 移動中の振動で断片的に眠る僕。途中、英語だのフランス語だの中国語な人の声が聴こえ、なぜか飛行機に乗ってフライトする音を耳にした。不安がいっぱいでろくに寝られてないとも言えた。「起きて、起きて、着いたよ。レッツ秋葉原なうなう」 アイマスクを取り、眩いばかりの光を眼に入れる。「何これ?」 言葉を寸前で飲み込み、僕は酷く後悔した。公開処刑さながらな絵でもあった。「いらっしゃいまし、殺害者様」 店員は全員筋骨隆々、アイスホッケーのマスクで繋ぎの作業着の上にヒラヒラのエプロン、他に客はいなく、被ってない僕だけが浮いている。今の現状の僕、これは確かに被害者だ。 冥途喫茶? いや、殺人鬼喫茶に違いない。ここは本当に秋葉原なのだろうか。夢なら今すぐにでも覚めて欲しいと心底願ってやまない僕がいる。 店長、オーナー、雇われ店長にマスクと呼ばれている殺人鬼がこの店の主だろう。飾られている歴代店長の写真が皆同じだった。突っ込むのに疲れた僕がそこにいた。 なので、適当に注文し適当に退散しよう。 お腹が空いたので僕はカレー、殺人鬼はスイカを頼んだ。「今週は七夕イベントさぁ、この短冊にお願いごとを書いてね」 ここは本当に日本と疑うぐらいだが、言われるままに短冊に書いて窓際の笹に吊るした。 他にも短冊があり、見てみると、英検2級取りたいだの、とあるスプラッター映画の続編希望だの、三語映画化希望だの、破り捨てたい、焼き払ってもいいぐらいの短冊が多数あった。「君は何をお願いしたんだい?」「えへへ、恥ずかしいなぁ、ひ・み・つ」 マスクの下では頬を染めているだろう、殺人鬼に聞いて失敗したと思わず舌打ちしそうになった。 カレーを早々にたいらげ、午前中のイベントのハイライトの一つでもある、殺人鬼達のぬるっとしたダンスで気持ち悪さを覚えつつ、何とか乗り切った僕がいる。 固めた拳をどうにか緩め、怒りの秋葉原を後にし、僕と殺人鬼は家へと帰る。帰りは電車なんだ。 疲れた果てて僕に寄り添って寝る殺人鬼。僕の方が疲れているのに、「ぐぅぐぅ、毎週登場したいな、酷評する人がいるものなら四肢を切断して人間こけしにしてやるからね、ぐぅぐぅ・・・」 どんな夢を見ているのだろう。それと同時に僕は思う、きっとそれが殺人鬼の願いだろうと。 三語の参加者が増えますようにと、想いを短冊に残し、停車駅まで僕も目を瞑る。
三語はじめて、です。お題は、「カレー」「スイカ」「怒りの秋葉原」です。改行とかうまくいってなかったらすみません。 ポケットの中の戦争 その日、僕はとあるメイド喫茶にいた。勿論、聖地秋葉原にあるメイド喫茶だ。僕は、メニューを開いてすぐに新メニューと華々しく飾られた文字に見入った。「甘くもあり、辛くもあり、それは激しい恋にも似た夏期限定特製カレー」 常連の僕としては、決して見過ごせない、甘美な響きを持ったメニューではないだろうか?僕は、早速、その特製カレーを注文した。オーダーが入ったことを告げる声を聞きながら、僕は妄想を膨らませる。 激しい恋にも似た特製カレー。お気に入りの、まりちゃんや弥生ちゃんがどんなご奉仕をしてくれるのか気になりすぎて、顔が真っ赤になる。「は~い、新メニューの特製カレーだよぉ? 完食したら、まりが御主人様に良いことしてあげるね?」 まりちゃんがニコニコ笑いながら、カレーを僕の目の前に置いた。まりちゃんのためなら、こんなカレー如き、簡単に平らげてくれるわ、と意気込んだ闘志が速攻で萎える。「スイカ?」 それは、考え得る限りで最低なカレーの具材。ルーの熱さで半ば半壊した三角形のスイカが死屍累々、と皿の中に横たわっている。融解したスイカの水分で、カレーはびちゃびちゃになり、最早、何かが鳴き出しそうな惨劇ぶりを醸し出していた。 いや、これが恋。こういう苦難を乗り越えてこそ、激しい想いは届くもの! 「おえええええっ」 我に七難八苦を与えたまえ、と口に入れた瞬間に、仏の顔が垣間見えた。「どうかな、御主人様?」 まりちゃんに尋ねられて、僕の開戦レバーがオンにスイッチされる。「どうかなじゃねえぞ、ボケええ! 何が激しい恋じゃボケええ!」「ひっ、ごっ御主人様?」「何が御主人様じゃ、こらああ! 親はスイカを握らせて、カレーをつくれと教えしや!!」「与謝野晶子?」「正解! じゃなくて、こんな珍妙なメニューを御主人に出すんじゃねえ! 誰がこんな糞メニュー考えやがった!!」 僕が騒ぐのを聞きつけたのか、店の奥から執事服を着た強面の男が二人、現れた。「ふっ、都合が悪くなるとすぐに潰しにかかってくる。どこかの腐敗した政府と一緒だなぁ、この俗物どもがっ、この僕が命じる! お前らは今すぐ死ねっ!」「騒がないで下さいよ、御主人様、ちょっと店の裏まで来て下さい」 二人の男が僕の腕を掴む。僕は、必死に抵抗した。「スイカカレー出した貴様らが悪いんだろうが!! 開発者出せや、こらあ! ご主人様って微笑んどきゃ何出しても食うとか思うんじゃねえぞ、こらあ!!僕が、この僕がお前らに真のスチュワードシップってものを教えてやらぁ!!」 抵抗空しく、僕はお花畑(トイレ)を経由して、天国(店の裏)に連行された。「じゃあ、ちょっと静かにしてもらいましょうか?」 スイカカレーを発端とする、血の日曜日事件に対して、聖地の同朋が立ち上がった。一人のご主人様に対する過激な仕打ちに抗議する集会は激化し、遂に聖地内での本格的な武力衝突に発展した。「敵は、メイド喫茶にあり」 僕は、スイカカレー断固反対、の鉢巻を額に巻きつけ、同朋の前で高らかに宣言する。モデルガンの音が周囲に鳴り響き、数百人の雄叫びが天に轟いた。先鋒隊が勢い良く、かのメイド喫茶に突入していく。「やりましたね」 参謀の同志に声をかけられ、僕は苦笑した。「いや、戦いはこれから、だよ」 後年、このある意味有名すぎるメイド喫茶襲撃事件は、歴史の教科書にこう記された。 怒りの秋葉原、と――。
すみません、名前間違えました。1、と書いてあるのは、白星です。ごめんなさい。