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RSSフィード [283] 即興三語小説 -「極寒」「練炭」「連携」
   
日時: 2016/01/24 22:06
名前: RYO ID:WOhOzS2M

1月はあっというまに過ぎていったような。
来週が終わればもう2月ですよ。
2月はいろいろイベントがあるので、やっぱりあっというまな気がします。 ----------------------------------------------------------------------------
●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。
▲お題:「極寒」「練炭」「連携」
▲任意お題:なし
▲表現文章テーマ:なし
▲縛り:なし
▲投稿締切:1/31(日)23:59まで 基本的に毎週日曜です。連休のときは連休の末日。投稿がない場合、延期することがあります。 
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

--------------------------------------------------------------------------------

○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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Re: 即興三語小説 -「極寒」「練炭」「連携」 ( No.1 )
   
日時: 2016/01/27 00:37
名前: 青空 ID:YKru.7Lw

 ぼくらは、湖のほとりにある小屋を目指している。
 今年の夏は暖冬で、冬でも正月までは比較的暖かく、大学の冬休みを使って、卒業旅行に来ていた。旅行といっても、学生は金がない。だから、野宿といっていいほどの小さな小屋で、ささやかな思い出づくりを慣行する予定だ。
「はぁ、寒いわね」
 裕子が、手袋をはめた両手に白い息を吹きかけてつぶやいていた。
「おかしいな。この間まで冬にしては暖かったのに」
 ぼくは、後ろめたさを残しつつ、男なので虚栄心に満ち、たよりがいのある様子をアピールしようとしていた。
 裕子とぼくは、同じゼミで卒業論文を制作した仲で、この間まで二人で遅くまでレポートを仕上げていた。
「このまま雪が降らなきゃいいが」
「羽鳥くんもそう思う?」
 羽鳥は、ぼくより身長が高く、痩せて眼鏡をかけている男だ。ぼくが中肉中背で特徴がないのに比べ、羽鳥は優等生で少々鼻にかかるところがある。
 裕子も、どちらかといえば、ぼくよりも羽鳥としゃべっている。
 本当は、裕子だけを誘いたかったが、二人きりで野宿だと断られる可能性があるので、しかたなく羽鳥も誘った。
「あとどのくらいかかるの?」
 地図を広げて見ているぼくの後ろから裕子が声をかける。
 長い睫毛で、マフラーに長い黒髪を隠している。寒さで紅潮した唇に目がいく。
「んっ。この道をまっすぐだから、きっとすぐだよ」
「にしても、駅から長すぎだろうが」
 羽鳥は、後ろでイラだちを隠せない様子だ。
「あっ雪だわ」
 雪が散らついて、地図の上に和染みを作っていく。裕子が上を見上げたので、ぼくも同調した。灰色のスモークがかった空から花びらみたいな細かな雪が、幾重にもなって降ってくる。それにも増して、絞られるような冷気が徐々に身体を侵食していく。
「この道を真っすぐ歩けば小屋だ」
 ぼくは、細い畦道が雪に消されていくのを無意識で感じた。地図をたたみ、リュックサックに入れると、まだ小屋さえ見えない先を見つめた。
 しばらく歩くと風が吹いてくる。さらに、歩けば、風は叩き付けるようになってきた。
「ブリザードになってきたな。ホワイトアウトだ。先が見えないぞ」
 羽鳥がそうつぶやく頃には、辺りは真っ白で、近視の羽鳥はすでに風の強さで眼鏡をはずしており、ぼくらの動きについてきているだけだった。
 辺りは風に煽られ、雪で視界が遮られる。もし、もっとも過酷だとするなら、嵐などではなく吹雪の方がより生存の可能性を奪っていく。
 裕子の小さな悲鳴でぼくは振り返る。雪が積もっている深みに足を取られている。
 羽鳥とぼくは、裕子に駆け寄ると、連携して二人で引き上げる。裕子の肩にすべりこみ、支えがわりにした。
 小屋が見えていたので、吹雪の中を、慎重に一歩一歩踏み出しながら進む。
 風の抵抗にあいながら、やっとの思いでドアノブに手をかけると、息を切らしてなだれ込むように中に入った。
 ぼくら三人がわけもわからず、床に座りこけると、ぼくだけが這うようにしてドアを閉めにいく。服についた雪が散らばった。
「まるで、監獄だな。極寒の吹雪の中を歩いてくるなんて、尋常なことじゃないぜ」
 羽鳥は、相変わらず嫌味だが、目元が笑っているので、冗談めかして云っているのがわかる。
「二人とも、ごめんね。足を引っ張っちゃって」
 裕子は、自分の失敗を恥じているようだった。
「裕子は、気にすることないぜ。もともとは、こいつがここに来ようなんて云いだしゃあしなけりゃ、俺らはもっと楽できたんだ」
 ぼくは、その言葉に憤りと、事実こんな目に合わせた情けなさで、寡黙になっていた。その場を立ち上がる。
「西田くん、どうしたの?」
 裕子が心配そうに見上げた。
「なんか暖が取れるものがないか見てくるよ」
「じゃあ、わたしも一緒にいくわ」
 裕子も立ち上がると、ぼくの後についてきた。
 玄関上がってすぐが人が寝られるだけのリビングになっており、奥に小さなキッチンがあった。
 ぼくと裕子で何かないかと戸棚を開けていく。
「ねえ、これを見て」
 裕子がシンク下の戸棚を開けて、かがみこんで何かを見つけた。
 ぼくが近寄ると、裕子は目の前のものをぼくに見せた。
「そうか、練炭が置いてあったのか」
 練炭ストーブと練炭の小山、新聞紙とライターが置いてあった。
「よかった。誰かが用意してくれてたのね」
 ぼくは、練炭ストーブを引き出し、裕子はその他のものを新聞をトレー代わりにして運び出した。





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Re: 即興三語小説 -「極寒」「練炭」「連携」 ( No.2 )
   
日時: 2016/02/07 22:01
名前: RYO ID:XvxV7ArI

>青空様
三語の参加ありがとうございました。
このあとどうなるんでしょうか?
ホワイトアウトが起きて、どうなるかと思ったところで、終わってしまって残念です。
ところで、学生でお金がないのはわかりますが、野宿ができる小屋ってそうそうあるものなのか、そんなところに思い出作りで付き合う二人って、どうなのかと思ったりもしました。

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