先週は失礼をしました。 もともとのスレッドの締め切りを間違えていたあげくに、 そこの気がついたまではよくとも、 修正するスレッドを先々週のスレッドを書き換えていたなんて。 締め切ったはずが延長になってしまう不始末。 ミーティングに来る人は気が付いていると思います。 私の無能さは…… 間違えは誰にでもあるんです。 申し訳ありませんでした。ああ、石を投げるのはやめてw ------------------------------------------------------------------------------ ●基本ルール 以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。 ▲お題:『小声』『睡魔』『王』 ▲任意お題:なし ▲表現文章テーマ:なし ▲縛り:なし ▲投稿締切:10/19(日)23:59まで ▲文字数制限:6000字以内程度 ▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません) しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。 ●その他の注意事項 ・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要) ・お題はそのままの形で本文中に使用してください。 ・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。 ・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。 ・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。 ●ミーティング 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。 ●旧・即興三語小説会場跡地 http://novelspace.bbs.fc2.com/ TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。 -------------------------------------------------------------------------------- ○過去にあった縛り ・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など) ・舞台(季節、月面都市など) ・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど) ・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど) ・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど) ・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など) ・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など) ------------------------------------------------------------------------------
昼下がり、緑が多く外からも見えない自宅の裏庭で、ひっそりとコーヒーを飲みながら本を読む。それが、ここ数年で確立された少ない休日の過ごし方だった。どんなに仕事が忙しい日も、何日も徹夜が続くような時でも、この半日があると思えば不思議と頑張れる。そのくらい、この習慣はいつの間にか大事な部分を占めていた。 思えば、昔から本が好きな子供だった。最初に読むようになったきっかけはもう覚えてはいないが、いつからか気付けば本が小脇にあった。少なくとも小学生の時には本が好きで、中学に上がる前、将来何になりたいかと聞いた担任に小説家と答え、本気で怒られたことは不思議とはっきり覚えている。 長い受験戦争を終えて再び本を読むようになった頃にはさすがに小説家になろうという気は消えていたが、それでも本だけは手放さなかった。 しかし、やはり普段の仕事の疲れがたまっているのだろうか。本を読みながら微睡んでしまうことはよくあるが、それでも、ここまでのことはなかったはずだ。それとも、本の読みすぎで頭がおかしくなったのだろうか。向こうの世界では仕事に追われることはないのだろうか。それはそれでいいかもしれない、いっそこのまま二次元に……。 そこまで思いつめたところで、とうとう耳元でささやく「早く寝ちゃいなよー、」という不思議な声につられて深い肘掛椅子に身を任せた。 瞼にしみる眩しい日差しに誘われて薄目を開ける。まず目に飛び込んできたのは見たことのない不思議な森。そして、目の前で羽ばたく人差し指ほどの大きさの人らしきものだった。本当に頭がおかしくなったのか、それとも本にのめり込み過ぎてついに二次元に来てしまったのだろうか。まあいいそういうことならもう一眠りしよう。そう思って再び目を閉じた瞬間、微かな痛みと主に覚えのある声が聞こえた。あの誰もいないはずの家で、しきりに誘惑してきた声だった。微かな痛みでも、長く続けば煩わしい。あきらめて目を開けると、今度は鼻に乗って、棘らしきもので足元を刺していた。「もう!せっかく連れてきたのに何でおきないんだよう!」「……まずはそこからどけ。突っつくな」「わあ!やーっと起きた!遅いよもう!」 マイペースなそれはようやく鼻から降りると、今度はじっと目を覗き込んだ。「――今度は何だ」「あれ?お兄さん、いやお姉さんかな?まあいいや、それより、僕のこと気にならないの?」「夢だろ、いちいち気にしてられるか。ほんとに二次元に行けるなら、もうとっくにアニオタがたくさん失踪してるよ」そう言うと、それはことり、と首を傾げ、次いで大きく頷いた。「うん、じゃあまあそれでもいいや!あっあとやっぱり寂しいから自己紹介しとくね!僕はこの森に棲んでるピクシーで、リラっていうんだ!昔の楽器の名前でね、すごくいい音なんだよ!」 いい声とは程遠い子供特有の甲高い声で捲し立てると、リラはくるりと一回転してにこりと笑った。「はい、それで、いきなりだけど本題に入るね!急で悪いんだけど、睡魔王を倒してほしいんだ!あっもちろん倒してくれたらお礼はするよ!僕の村で、おいしいハーブが取れるんだ!わざわざ遠くからも買いに来る人がいるほど有名なんだよ。それの料理、たっぷりご馳走するからさ!」 何度も口を挟もうとするも、そんな隙など見せずにそこまで言いいると、リラは「じゃあね!」と言ってくるりと背を向けた。慌ててそれに手を伸ばす。手の中で羽がぐにゃりと曲り、「ぴゃっ」と小さく悲鳴が上がった。「もう、なにするんだよ!」「それはこっちの台詞だ。少しは人の話を聞け。それで、なんだよその睡魔王って。あとその安物のRPGみたいな設定何とかしろ、こっちは勇者じゃねぇぞ」「ああ、それね!睡魔を司る魔王、略して睡魔王!いばら姫って知ってる?ああいう感じで、その王様が起きるとみんな寝ちゃうんだ!一度寝ると、今度のハロウィンが終わるまでは目覚めないの。別に死にはしないけど、そんなに長い間ご飯が食べられないなんて悲しいよ!」「そこか、問題はそこか!?」「だってご飯だよ!?一日5回の一番の楽しみだよ!?」「いや多いわ!というか、それなら勇者どっかから連れて来いよ」「あ、勇者はいるよ?前は活躍したんだけど、全部終わって平和になってから、旅の道中で散々略奪した罪に問われて、まだ牢屋じゃないかな!」「使えねぇなおい!ていうかそれくらいは許してやれよ!夢のくせにシビアだな!」「だから夢じゃ、あ、それでいいって言ったの僕か。まあ、そんなわけであとはたのんだ!」 どこまでも人の話を聞かないピクシーはそれだけ言い残し、今度こそ手のひらから飛び出していった。あっという間に森の奥へと入り、影も形もなくなってしまう。「――本、読むのやめようかな……」 しばらくして落ち着くとそう呟き、本日3度目の睡魔に身をゆだねた。――to be continue……?
思わせぶりなクエスト 柔らかな午後の日差しが差している。風もなく穏やかな小春日和の昼下がり。 パスタを食べて満腹になったタツキはその穏やかなぬくもりも手伝って、睡魔に襲われてだんだん眠くなってきた。起きていようと頑張ってみたが、その努力もむなしく、睡魔の誘いに負けて瞼が下がり、軽い寝息を立ててその場で眠り始めた。 そして彼は夢を見る。 エレベーターに乗っている夢。彼が乗ったそのエレベーターはなかなかどこにも辿りつかず、上に上がったと思えば下に下がっている状態。 途中で乗り込んでくる人の気配もない。 さてどうしたものか、と不安に思っていると上下に動いていただけのエレベーターが止まり、扉が開いた。 その先は宮殿だった。 玉座には威厳のある王が座り、どこからともなくエレベーターに乗って来た闖入者に深く慈愛に満ちたまなざしを送り、小声ではあるが「ようこそ。わが宮殿へ」と厳かに言った。 もちろん王の臣下は誰も彼をとがめだてすることもなく、王の威厳の前に威儀を正して配列しているだけだった。 タツキは知らないうちに、王の前にひざまずいていた。 威厳のある王はどこか知り合いの人のような顔つきをしていて、拝謁している闖入者であるタツキに、また威厳のある声で何かを言った。 それは全く来た時とは違い、とても聞き取れるようなものではなかった。「王はあなた様に、姫を救い出して欲しい、と仰せです」 大臣らしい人物が言う。この大臣らしい人物もどこかで見覚えのある顔だった。 さてどういういきさつなのか、ということをその大臣に聞いてみたところ、睡魔の呪いにかかり、昏々と眠り続けているということだった。 その姫の睡魔の呪いを解き、魂を救い出して欲しい、ということなのだろう。 なんの能力も持たない平凡なタツキはどうしてよいかわからずにいると、臣下が兵を連れて王の間に入り、何人かの屈強な男が重い鉄の箱を運び込んできた。 その重い鉄の箱はどこかで見たことがある形状をしていたが、そんなことはお構いなく運んできた何人かの屈強な男が開けた。「それを身につけるがよい」 王が厳かに言う。 鉄の箱から取り出されたのは、黒い鋼の甲冑だった。 その甲冑に身を包んだ彼は、なんだか姫を救い出せる気がしてきた。「睡魔王を倒すのじゃ」 魔法使いが叫ぶ。 臣下がさらに威儀を正し、兵士が一斉に剣を抜き放って頭上に掲げた。「さぁ、行くのだ」 さては困ったことになった、と当惑するタツキだったが、王の命令には逆らえないと思い、臣下を連れ、従者を従えて睡魔王の討伐に向かった。 王城を出てみると、その城下町は寂れ果てたようになっていて、町のある人は半分眠りかけ、ある人は高いびきをかいて眠っていた。 睡魔王の呪いは町中に広がっているようだ。「これは、ひどいものだ」 その光景を目の当たりにしたタツキがつぶやくと、「そうなのです。この数日この有様ですじゃ」と、王城で気勢を発した魔法使いが嘆いた。「て、敵襲だぁぁっ」 兵士の一人が叫ぶなり、目を閉じて眠り始めた。「お、おい。いきなりかよ。おい、起きろ」 タツキがいきなり眠りだした兵士を張り飛ばしてみたが、起きる気配はなく、何かを夢見ているらしく寝言まで言い始める始末。 攻めてきた敵に対して戦闘が始まったが、対抗した兵士は次々と倒れ居眠りをはじめ、残るのは魔法使いとタツキのみになった。 魔法使いが何かの呪文を小声で唱え、何かよくわからない生物を召喚した。 攻めてきた敵はなんなのか。 よくわからないままにタツキも攻撃する。 苦戦を強いられたが、その敵を倒すと、居眠りをしていた町の人が目覚め、喜びの声を上げる。「やりましたぞ。睡魔王が倒された。これで、姫様も眠りから覚められるであろう」「な、なにー。そ、そうだったのか?そうなのか。でもそりゃないよ、神さまぁ」 タツキが叫ぶ。経験値も何もない、いきなりのクエスト終了。「何はともあれ、お疲れ様でござった」 へなへなとその場に崩れるタツキに言葉をかけた魔法使いの言葉がむなしい。 疲れと何だかよくわからないクエストに気力を失ったタツキがその場で眠り始めた。「ゆ、勇者さまぁ。そりゃないですぅぅ」 町の人の絶叫が遠のいてゆく。 気が付けばまたあの上下するエレベーターに乗っていた。 ベルが鳴り、扉が開いたところはいつも見慣れた自宅のリビングだった。 不意に、ケイの顔が視界に飛び込んできた。 驚いて辺りを見回すと、紛れもなく現実の世界。そして夕方になっていた。「何の夢を見ていたの?」 いたずらっぽくケイに聞かれたタツキは「よくわからない夢を見てたよ」と答えて、ため息を漏らしたのだった。___________________________________________________________________________相変わらずひどいです(;_;)
「寝ないで下さい、セントリアムズ様」そう、従者のキンダーは時々……いや、割としょっちゅう、正確には五分に一度のペースで王に声をかけている。この王が会議が嫌いなことは理解している。しかし、国の偉き頭や議員が集まる重要な会議の途中で、迫り来る睡魔に忠実に従おうとしている事は許されることではない。皆、王のためだけにこの不便で古い城にきているというのに……「起きていてください、セントリアムズ様」取り敢えず、この王のお目付役となってしまった不幸な従者は再度、その王に声を掛けるのだ。*****************+++少し通りすがりに参加。すげー短いけど許してください。
物心ついたころから慢性的な睡魔に悩まされて育った。ついたあだ名が眠り姫。姫って外見じゃない普通の女子だけど。「眠り姫」小声であの人がささやくと、どんな時でもあたしはパッと目を覚ますんだけどね。私が姫で、あの人は私だけの王様。王様の一言で、あたしは魔法にかけられるように意識を取り戻す。 出会いは、3年前。中学1年生の頃。「大丈夫?」「はひ?」「気絶して……」 あたしは、体育が終わった後いつも通り眠っていたらしい。 体育館の端っこで、すうすうと。きっと誰か眠った私を隅っこにまでは運んでくれたのだろう。授業はこれで終わりだという声までは覚えてる。 ただ残念なことに、クラスに友達がいなかったあたしは誰にも気が付かれずそのままでいたのだ。目の前には、シュッとした顔立ちのイケメンがいた。背も高い。「寝てましたっ」「えー2組って体育もう終わってんじゃん、やばいって」「あなたもそうなんじゃ」「あーオレ? ボールこっちに飛んできたから取りにきた!」 あたしの心を取りに来たんじゃなくて? って正直思ったよ。 一目ぼれだったんだ。 その声を聴くだけで睡魔が吹っ飛んで。「あの!」「ん?」「あたしの目覚まし時計になってください!」 あたしはそんなとんでもない告白をしたんだ。はじめまして。こんな感じでいいのでしょうか?
夕方、唐突に睡魔が僕を襲う。 すると、決まって話し声が、聞こえてくるのだ。『……ふむ。では……』『しかし……』『……王は待てと』 はじめは、家の誰かが廊下か隣の部屋で話しているのかと思っていたけど、どうもおかしい。 それは、ベッドに寝ている僕の耳元で聞こえてくるのだ。何度か睡魔に勝って、話の途中で目を覚ますことがあっても、そこには僕の枕と読みかけの小説しかなかった。相手は小さいかもしれない。なんせ、近距離で数人の声が聞こえるのだから。そう思って枕や本をどけても、やっぱり何もいなかった。 彼らは小声で話している。声はかすれていて話の内容はよくわからない。だけど、”王”やら”世界”やら”消滅”などといった物語の世界のキーワードが僕をワクワクさせる。 きっと、彼らは異世界の住人で、異世界には王様がいて、世界が消滅しないように戦っているんじゃないだろうか。 会話に王様は参加しない。聞こえ始めて3ヶ月になるけど、大体聞こえてくるのは家来っぽい人ばかりだ。 僕は、どうしても、王様に会いたかった。 会ってお願いしたい事があった。 でも願い事が叶わなくてもいい気もした。一生懸命戦うから、王様のいる世界に連れて行ってほしい。 早くしないと、年末が来てしまう。 僕は、考えた。 目を閉じたまま、寝たふりをして、俊敏に手を動かして掴んでみよう。 前は、バスケットボールクラブでキャプテンをしていたんだ。少し衰えてしまったかもしれないけど、もしかしたら不意をつかれて何かつかめるかもしれない。 思い立ったら眠気が飛んで、僕はすぐ行動に起こした。 気付かれないように静かに息をする。 落ち着け、落ち着け、集中して。カウントダウンだ。『……ぎりぎりまで……』 5、『ですな……きっと』 4、『……いづれにしろ……王は、』 3、2、『彼を連れて行くでしょう…』 1! 勢いよく、右手を頭に持って行った。 とたんに話し声は止まる。 久しぶりに激しい動きをしてしまい、呼吸が苦しくなった。 ぼんやりと目を開け、やっとの思いで右手を胸元におろす。深呼吸ができるまでに、だいぶ時間がかかり、呼吸が落ち着く頃には、すっかりあたりは暗くなっていた。 暗闇になれた目で握りしめられた右手を見つめる。 ――何かを掴んだ感覚はあった。 僕はなんとなく、右手を開くことに躊躇し、ひたすら力を込めていた。 そうしていないと、掴んだものが逃げてしまうのではないかと――。「あら、起きていたの?真っ暗だったからまた寝ているかと思ったわ」 やつれた顔に控えめな笑みをのせて、母が部屋に入ってきた。 電気をつけ、食べやすい晩御飯を載せたお盆をベッド横のサイドテーブルに置く。 そこで、僕の様子がおかしいと気づいたみたいだ。心配そうに瞳を揺らして僕の頭や背中を撫で始めた。「どうしたの?右手じっと見て、痛いの?」 僕は、はっとして母と右手を交互に見た。「お母さん、前に言ったでしょう、話し声の人たちね、」「……うん、枕元の?」「何か捕まえたたんだ!」 母は訝しげに眉を潜めたけど、気にせず右手を差し出した。 僕は深呼吸をして、ゆっくりと右手を開く。「な、なななにこれ!」 中を見て、母は尻もちをついた。僕も息を飲んだ。 そこには、赤黒いねっちょりとした塊がわずかにこびりついていたのだ。 それからも、話し声は聞こえてくる。 正体を掴もうと、何度も何度も繰り返し捉えようとしたが、そのたびに手のひらには気持ちの悪いねっちょりとした物体があるだけだった。 もちろん、心配症の母には隠れてやっている。 ただ、気づいたことがある。掴んだ次の日はとても体の調子がいいのだ。 はじめこそ、掴むのに苦労していたが、徐々に容易に取れるようになっていた。 本体を掴むことはないのだけれども。 年を越して、春。 僕は真新しい制服を着て母と中学校の前に立っていた。 今日は一年遅れての入学式だ。 僕は、最近世間の話題となっている。 決して治る見込みがなく、持って年内と言われていた僕の頭には、小さな腫瘍があった。 小さいといっても、手術でとるのは困難で繊細な場所にはびこり、僕の脳を少しづつ侵食しているその腫瘍は、世界にも例をみることがなかったらしい。どんな高名な先生方も首を横に振り、苦しげな顔をして手をあげた。 家でただ待っているしかなかったのだ。腫瘍に負けるのを。 ――だけど。 そんな僕が、病気なんてしていなかったかのように、すっかり元気になった様子を見て、世間は大騒ぎだ。特に医学会はてんてこ舞いだ。 元気になったのに、検査や調査に引っ張りだこである。 僕は自由な腕を空に投げ、思いっきり伸びをした。 中学校の前には、桜並木が続いている。 母の一番好きな花だ。 風に吹かれて、桜の花びらが紙吹雪のように舞い降りる。 母は、満面の笑みで「きれいね」とはしゃいだ。 僕はずっとこの笑顔が見たかった。 僕は思う。 きっと、王様が願いを叶えてくれたのだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ぎりぎり! 最終日の2時間前に始めるものではないと痛感しました……焦ってまともに書けていない笑 とても短くなる予定がだらだらに…ずーん。 でも、楽しかったです。 感想はまた後日書きます。
>鈴木理彩さん主人公とリラと掛け合いが楽しかったです。特に「こっちは勇者じゃねぇぞ」と元勇者が牢屋にいる件、笑ってしまいました。そして、説明求めてツッコミ入れていたのに、寝て終わりという笑なんというか楽しかったの一言につきます。>まるメガネさんはじめは、確かに思わせぶりな描写でしたが、そこかしらに”よくわからない”という言葉が散らばっていて、読み終わったあとの全体としての印象が”よくわからない”になってしまいました…!「攻めてきた」とあるので、敵はたくさんいるのかなと思いますが、睡魔王にしても、あれっいたの?え?と何度か読み返してしまうほど存在感がありませんでした笑せっかく睡魔王を倒したのに、勇者であるタツキが寝ちゃうのは面白かったです。ケイはお友達?なんでしょうか?ケイが最後に「そうか、睡魔王にやられちゃったんだね」て感じに言わせるともっと引き立つかもしれません…いや、差し出がましくてごめんなさい…!>ローズさんなんでしょう、この短さをみたときの、安堵感(?)王様とキンダーの日常の一コマにクスっとしました。2回めの声掛けは、言葉遣いが壊れたりするとスパイスになりそうですね。>はなのさん胸キュン…!こういう少女小説ぽい文章は、TCではあまり見かけないですよね。(探せばあるかも?)もっとください…!「イケメン」とは便利な言葉です。でも、一目惚れするのには何か物足りなさを感じました。ちなみに、わたしの好みは、黒(自主規制)また、どうでもよい感想になってしまって申し訳ないです。それでは、また今度。ありがとうごいました。