とりあえず、三語もいろいろ整理しないといけないわけですが、なんで土日も時間がないのでしょう?精神的なゆとりがもう少し欲しい。というか、そんなものがくるのかと、ここまで書いて、最近ここで、愚痴が多いなーということに気がついたのこの辺で止めますw6/22追記投稿が無かったため、締切りを延長しました。なお、必須のお題3語のうち1つが変っていますので、注意されてください。 -------------------------------------------------------------------------------- ●基本ルール 以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。 ▲お題:「魔女」「椿」「リベンジ」 ▲表現文章テーマ(任意):不気味 例文「総身に汗の流れるような不気味な恐ろしさを経験した。」(芥川龍之介 枯野抄)【感情表現辞典 中村明著】 例文「血も凍るような不気味な時間が過ぎた。」(梅崎春生 桜島)【感情表現辞典 中村明著】 ▲縛り:なし ▲任意お題:「泥沼」 ▲投稿締切:6/29(日)23:59まで ▲文字数制限:6000字以内程度 ▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません) しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。 ●その他の注意事項 ・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要) ・お題はそのままの形で本文中に使用してください。 ・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。 ・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。 ・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。 ●ミーティング 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。 ●旧・即興三語小説会場跡地 http://novelspace.bbs.fc2.com/ TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。 -------------------------------------------------------------------------------- ○過去にあった縛り ・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など) ・舞台(季節、月面都市など) ・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど) ・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど) ・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど) ・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など) ・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など) ------------------------------------------------------------------------------
題:海の魔女 海には魔女が棲む。 歌声がきこえたら、警告でありすぐに引き返さなければならない。 そうしないと、海に閉じ込められ、二度とひとまえにでることはできなくなる。 それが海の掟なのだから。 船員の顔には悲壮感が漂っていた。 前の漁において、まともに魚がとれずに今度こそと、リベンジを心に秘め挑んでいた。その想いが碇となりみなの心に重しになる。 また、今回も魚がとれないのかと、必死に海面を祈るように見続ける。 いつもならば、見張り数人にまかせて、呼ばれるまで待機している者たちも陽にやかれるのをいとわず、ただ海をみつめていた。 いつまでも海にでつづけているわけにはいかない。食料は漁とはいえないほどとはいえ海の魚をとり食すことができるのだけど、真水がない。 ついていないときは重なるもので、出発してから一ヶ月がたつが、雨はふらず飲み水がつきかけていた。 ぎりぎりまで漁をするために進みつづけてきたけれど、限界がきた。いや限界はとうにきていただけど、精神力がそれを凌駕させていたにすぎない。これ以上はさすがに死人がでる。 そのとき、見張りから声があがった。 魚だ! 魚がいるぞ! 漁の見張りが魚というのだから、それは当然魚群である。 気力なくうなだれ、顔をあおざめていたものも、まるでよみがえったかのように、喜色をあらわし、走る。 魚群においつこうというそのとき、魚群の向こうから歌がきこえた。 ここで引き返すことは絶望を意味し、みな聞こえないことにしてしまった。一部の人々は引き返そうといったのだけど、大勢は耳をかさない。 魚群をおいつづけて、歌声はいつしかはっきり、高らかになっていた。 そして漁をはじめようと、網をだしたときだった。 海の中から突然大きな波があらわれ、漁船を転覆させてしまった。船員はすべて海になげすてられた。 一瞬の出来事でなにがおきたのかわかる者はいなかった。 男は偶然板切れをつかんでいた。 大きな波が絶え間なく続き、のみこまれては浮かび、のみこまれてはうかぶ。それを何度つづけたのかはわからない。上下左右もわからず、ただ板にしがみついた。口をあけると海水がはいってきた。 少しおさまったかとおもい目をあけると、目前には闇がひろがっていた。 巨大な闇。そこに二つの目がひらかれ、それをみたとたん意識は闇へとおちた。 男は床に寝かされていた。 目をあけると光がはいり、闇からぬけだしたことを悟った。 あの一瞬で船を転覆させるほどの波のなか生き残り、近くの島へたどりついただけで奇跡だというのに、さらにひとにたすけてもらったらしい。 ぼーっとしていると、家人がかえってきた。 年のころは、二十歳くらいだろうか、美しい娘だった。 見た目だけではなくて、心も美しく、かいがいしく世話をしてくれて、食事をあたえてくれた。 娘は一人暮らしらしく、他に家族はいないようで、家のそばで椿を育てていた。季節がら花はついていなかった。 男はしばらくすると、動けるようになった。他に浜にたどりついた仲間はいないかと、尋ね、村をきいてまわった。 浜にいって、せめて体だけでもうちあがっていないかと探してまわった。村をまわるときも、浜をあるくときも危険があるかもしれないと、娘がついてきてくれた。 村民たちは、冷たく、あきらかに話したくないようだった。娘がいなければ何ひとつ話をきくことはできなかっただろう。でも結果はかわらなかった。 誰ひとり、体ひとつみつかることもなかった。 食事はいつも魚だったので、この村でも漁にでているのだとおもい、体が動くようになったのだから漁を手伝うともうしでたのだが、娘は首をよこにふるばかりで、何もおしえてくれなかった。 せめてと釣りをして、自分の食事分を稼ぎ、蒔をわった。 男が蒔をわっているとき、娘はいつも椿にみずをやり、ながめていた。 花が咲く頃には二人は恋仲になっていて、男は椿の花飾りをつくり、娘に贈った。すると娘はとびあがって喜び肌身離さず髪飾りをつけるようになった。 男は娘の様子をみて、夫婦になろうとおもった。 男は日をみて、うちあけた。 娘はこまったようにしながらも、顔をあかくして、俯いて、うなづいた。 ずっとこの村で一緒にいてくれるなら、と。 男は、わかったといいつつ、ただ自分の両親に一度、伝えにいかなければならないと言った。 おそらく両親は男のことを死んだとおもいかなしんでいるはずだから、せめて生きていて、お前と一緒にくらしていると伝えてあげないといけないと。 娘は、それをきいて、あきらかに衝撃をうけて、ひきとめた。 だめ、村の衆がゆるしてくれない、と。 その言葉は残念なことに男の胸にひびかなかった。 村の人々は男につらくあたった。ときに、あわせて娘にもつらくあたったのだ。そんな村の人々がゆるさない、といったからといって何があろうか。 男は船乗りだから、この村の、島の位置を星から計算できたから、必ず帰ってくる。帰ってこれるのだと、娘にいいきかせる。 この村では、漁をしているわりに船をみない。いやあったところで、ここの村人達がかしてくれるはずがない。この泥沼の状況をぬけだすために船をつくった。 小さな船だった。 それでも嵐にでもあわないかぎり、男は海を渡る自信があった。 男は明日、船にのり、いってくる、必ず帰ってくる。と娘にいった。 娘はだめ、いかないで、村の衆が、と泣いた。 次の日、男は朝娘がねているあいだに船にむかった。途中、娘がおいかけてきて、大きな声で、やっぱり村にきづかれた! といってきたので、村のひとびとにおいつかれないように、船へと走り、急いで船をだした。 船をだして、岸をみても人影はひとつしかなかった。娘のものだ。村のひとびとはあきらめたのだろう。船にのってしまえばこちらのものだ。 順風満帆だとおもっていたけれど、昼頃になって闇があらわれた。 空は陽がてっているのに、このあたりだけが暗い。不気味な闇。 不思議におもっていると、海面が黒いのだときづいた。 そして歌がきこえた。 まずい、とおもい歌がきこえる方向とは違う方向へすすむとうして耳をすませてみると。 歌に囲まれていた。全ての方向からきこえてきているのである。 逃げる、といっても逃げる方向がない。途方にくれた。 突如、大波がたち、船が大揺れした。 漁船のときと一緒であるけれど、規模はちいさく少しとおかった。 そして男は波をたてた正体をしった。 クジラだ! この闇は、すべてクジラの影だったんだ! すさまじい数のくじらが背のみで姿をあらわし、潮をふき、ときにとびあがる。けれど、不思議なことに漁船のときのようにすぐそばで立ちはだかり、転覆をさせにはこない。あの漁船とくらべればこのちっぽけな船をひっくり返すのは簡単なことのはずなのに。 怒り狂ったようにとびまわりこちらに近づいてくるクジラがいくつかいるのだけど、ひとつの黒い影が間にはいり、身を挺してとめていた。 飛び跳ねてこちらに向かおうとしてくるクジラに、そのクジラはとびあがり、とめたときに、男はみた。 守ってくれているクジラのヒゲに、椿の飾りがついていた。 男はさとった。 男は、二度とその姿をひとまえにさらすことはなかった。
題:森の魔女 湖を覗き込むと、そこに自分がうつしだされる。 メアリはこれがすきだった。美しく清らかな湖面にうつる自分は、湖のように清く美しいようにおもえるからだ。 その幻想にひとごこちつくと、バケツに水をくみ、家路へとついた。 湖は深い森にかこまれている。森は木々が陽をさえぎり、闇をつくりだす。この不気味な森は魔女の森といわれ、村人達はよってこない。 森をぬけ、家のそばまでいくと、バケツをひっくりかえし、水をぶちまけた。 水が地に大きなしみをつくる。 やった! ざまぁみろ! いくつかの子供の声とともに大声の笑いがひびきわたる。 バケツをおとしたのではなく、おとさせられたのだ。 子供たちに石をなげられ、あたって突然おそわれた痛みにおもわずひっくりかえしてしまったのだ。 同情のひとかけらもない子供達の邪気にみちた笑い声をききながら、メアリはのろのろバケツをとり、再び森へとあるいた。 村の井戸をつかえばいいのに。いやだめだめ、あいつきらわれてるもん、あいつが使うと井戸の水がつかえなくなるだろ。 悪意のこもった言葉には、悪意のこもった笑いが付随している。 森にはいるとおいかけてはこない。森はやはり恐いらしい。大人たちはこの森に魔女がいるとは信じていない。それは村の子供達を森へちかづけさせないためにつくられた話だから。 メアリはなぜ、自分が村の井戸をつかわせてもらえないのかをしらない。何度たのんでも使わせてくれないのだ。今は亡き両親に関係があるらしいのだけど、娘の自分まで何故そうされなければならないのかわからない。 湖までの道が涙によりつくられていた。 湖について湖をのぞきこむと、横に男の顔があった。 まぶしい黄金の髪に、湖のすんだ青よりも、澄んでいる蒼い瞳。 横をみると、たしかにそこにそのひとはいた。 どうしたんだい? 顔をあわせた瞬間きいてきた。 いじめられたの。 いきなりの、おもいもしない質問に、おもわず素直にこたえた。 どうしてだい? わからない。 なぜなのかはわからない。それは本当のこと。 そっか、そうだ! きばらし、島にわたろう! 湖の中心には小さな島があった。 小さな船をこいでくれて、わたったさきには美しい花畑があった。 闇に囲われた森のなかで湖だけは、光にみたされているのである。 男はそこを案内してくれて、花飾りの王冠と、首飾りをつくり、幸せにすごした。 男はいった。 いじめられたからといって、復讐(リベンジ)を考えてはいけない。それはきみを醜くしてしまう。 メアリはその言葉がうれしかった。かなしかったけど、うらんだことはない。そういうのではなくて、この美しい男に、醜くはない、といわれたようなことに。 この日男がつくってくれた椿の花飾りはメアリの宝物になった。 メアリは毎日日常の水をくむために、湖におとずれると、よくこの男とあった。 用事があるので、しばらくここに通わなくてはいけないと。 それからメアリは湖に水をくみにいくことが好きで好きでたまらなくなった。 一回行ってあえないと、一日に二度、三度とくみにいった。水は一度でたりるというのに。 男はときおり、美しい女性をつれていた。それはメアリにはとても悲しく辛いことだった。 そういうときは声をかけなかったけど、陰からみていた。 つれている女性は皆貴族のお姫さまのように美しく着飾っている。手に労働のあとはなく、爪は赤くぬられている。 よくみると、男もその女性たちの横にたってもおかしくない立派な格好をしていた。 そういうことに気付き、男の横にメアリがいるのはとてもおかしいことだとおもい、おちこんでしまう。 それでも湖で二人きりになると、嬉しくていっぱいはなしこんでしまう。 村にひとつの通達がきた。 魔女狩りと、その莫大な報酬。 村人たちは、この莫大な報酬がほしかった。でも魔女なんていない。いても、魔女を捕まえるなんて恐ろしくてできない。 だれかがいった、魔女の森に通う女は、魔女ではないか、と。 メアリは水をくみにいくとき、遠くから村のひとびとによびかけられた。 そちらをみると、大勢の村人達が必死にはしってくるのだけど、その形相が悪鬼をおもわせた。 まってくれ、が待てになり、動くな、逃げるな、とうつりかわっていく。 メアリは森をはしった。逃げ道などはない。ただ湖にむかってはしった。 子供とちがい、大人である村人達は森にはいって追いかけてきた。 くそ! 逃げるな魔女! むだな抵抗はやめろ! 村人たちは手には武器をもつものもいて、足取り、語気、表情、すべてにおいて悪意しかかんじない。 何が何だかわからないが、ここで立ち止まっても不吉な想像しかおもいうかばない。 けれども、湖にたどりつくと、そこは行き止まり。 そして男がいないことに胸をなでおろす。 助けてほしいとおもわないでもないけれど、男にそんな義務はない。 それよりも、巻き込まなくてよかった。ちがうところで幸せになってくれればそれでいい。 とうとう、村人達においつかれた。息を切らせて、目をいからせて集団で半円状にとりかこもうとする。 すると、遠くから声がきこえた。男の声だ。 声は湖からきこえてきていた、湖の中心の島からだ。 助けてほしかった、わけではない。 でも男のもとへといきたかった。 メアリは水しぶきをあげて、湖にとびこんだ。 そして湖を泳ぎ、島へ、男のもとへと。途中で溺れ死んでもそれはそれでかまわなかった。よくわからない理由で村人たちに虐げられるなら、男のもとへとむかいながら道半ばで死んでしまうほうが幸せだとおもった。 村人達が変なことをさけんだ。 なんだと!? この泥沼をおよげるのか!? 本当に魔女なのか!? いや普通の女のはずだ! そういうと村人達もおって湖にとびこんでいった。 すると、不思議なことに村人達は浮かばずに沈んでいきます。 なにかをつかもうとする手をあげながら、ずぶりずぶりと底なし沼にひきこまれていくかのように。 メアリが島に泳ぎつくと、男の胸にとびこみました。 泳ぎきれるとおもいもしませんでした。女であるメアリに体力はなく、衣服をつけたままなのです。 でも不思議と湖がメアリをしずめませんでした。 男は、メアリをみてききます。 きみは、ここの水がどうみえているのですか、と。 綺麗で美しく澄んだ水です。 と応えました。 男はいいました。 それは、ここの水ではなくて、あなたの心です。わたしはそういう女性を探すためにこの湖にきました。 なんと、男は国の王子で王になるにあたって、国をささえるお姫様をみつけるために、ここに女性をつれてきて、ここの水がどうみえるのかと聞いていたのです。 メアリの心は湖のように綺麗で美しく澄んでいる、清らかであることがわかり、王子はメアリに求婚しました。 二人は国をささえ、幸せに暮らしましたとさ。---------------------------空の魔女 もかきたかったのですけど、ぱっとおもいつきだけで書いた二作。空の魔女はおもいつきませんでした。適当にかきなぐりなので、あまり深くつっこまずによんでいただきたいです。