Re: 即興三語小説 ―「すり寄る」「地鳴り」「崖っぷち」 締め切りは4/30(月)延長します ( No.1 ) |
- 日時: 2018/04/28 00:09
- 名前: ナカトノ マイ ID:/DJaYru.
僕はいつも、同じ夢を見る。 僕は必ず崖に立っていて、振り返るとそこには女の子が1人、僕の方をじっと見て佇んでいる。黒い長髪、黒いワンピース、黄色い月をナイフで切ったみたいな瞳の女の子。 「君は誰だ。」 そう尋ねても答えてくれない。それはいつものことなのだけれど、今日は少し違った。その黒い女の子がおもむろに口を開いたのだ。 「目覚めなさい。そして、己に課せられた試験を乗り越えるのです。」 それは可愛らしくも冷酷さを秘めているような声で、僕は心臓がドキリとした。 何が言いたいのだろうか。そう考えていると突然、ヂリヂリヂリヂリヂリ、とけたたましい地鳴りと共に視界が激しく揺れ、足元はガラガラと崩れて始めた。崖の下へ落ちていく僕は黒い彼女へ手を伸ばし、叫んだ。 「君は誰だ!僕にどうしろと言うんだ!」 次第にぼやけていく世界の中で、彼女の目だけがはっきりと頭に焼き付いていた。 ヂリヂリバチ。僕は枕元の目覚まし時計を叩いた。時間を見ると午前6時30分。しまった。本当はもっと早起きして勉強するはずだったのに。 飼い猫のクロは僕にすり寄ると頬をペロリと舐めてくれた。なるほど、クロが僕を起こそうとしてくれていたのか。 今日からテスト週間。テストの範囲をやり切れていない僕はまさに、崖っぷちに立たされている。僕の代わりにクロが、ニャア、とため息を吐いた。
物語を作ることは、とても難しいです。時間があれば次も挑戦したいです。
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