Re: 即興三語小説―「晩夏」「食欲」「体温計」 ( No.1 ) |
- 日時: 2017/08/22 17:00
- 名前: マルメガネ ID:.LHyqovw
ユタカがひどくつらそうな顔をして起き上がる。 盆を過ぎていくらか涼しくなったとはいえ、残暑が厳しい晩夏の夜。 ユタカがひどく咳き込みながら、枕元に手を伸ばして体温計をつかむと、それで体温を測る。 「あぁ、熱が出たなぁ……」 彼が体温を測った体温計は39度1分を指していた。 体の節々が痛み、非常にだるく食欲も失せた。 スポーツ飲料水を飲んで、エアコンの調整をして横たわるといくらか楽になった気がする。 そして何が何だかよくわからない悪夢のような夢を見て、うなされ目が覚めると朝だった。 ユタカが病院に行こうか行くまいか、うだうだと悩んでいたが、体温は一向に下がる気配が感じられず、関節痛も痛みを増して、そのまま病院に行った。 「あぁ、これは。ちょっと検査しますかねぇ」 ユタカを診察した医師が言った。 ユタカは、何の検査だろう、と思ったが念のため受けた。 鼻に長い綿棒を突っ込まれ、くしゃみを連発したが、検査の結果はインフルエンザではなかった。 「咽頭炎とそれからくる気管支炎ですね」 医師がそう告げて、たくさんの薬剤を処方した。 院外薬局でそれらのたくさんの薬剤をもらって、家に帰ったころにはユタカは死にそうな思いだった。 ない食欲を無理やり奮い立たせて、果汁ゼリーを食べ、処方されたたくさんの薬剤をそれぞれ服用する数を間違えないようにして飲む。 スポーツ飲料水で流し込むと、熱でもうろうとし、目の奥の痛みをおぼえながら目をつむる。 あぁ、むりをしたからかなぁ、とかいろいろなことが頭をよぎるユタカだった。
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