Re: 即興三語小説 ―「ジョニー」「テキサス」「ロッドリング」 ( No.1 ) |
- 日時: 2016/11/05 21:39
- 名前: マルメガネ ID:8wC8MRMQ
ジョニーとテイラー・ロッドリングの二人を知らない者はない。 犯罪者としてではなく、また高名な設計士でも発明家でもない二人だが、作るものが非常に滑稽だからだ。ある意味アーティストと呼んでもいいかもしれない。 二人の出自についてはテキサス州であるともっぱらの噂であるが、憶測の域を出ないのも彼らである。 「ジョニー。これから、どないしまひょ?」 「そうでんな。鋼があるさかい、トマホークでも作りまひょか」 と、こんな具合にその場にある材料で、時に場違いな、時には気まぐれに何かを作るのが常なのである。 ジョニーとテイラー・ロッドリングが早速作り始めたトマホークであるが、それはトマホークとは似ても似つかない単なる薪割り用の斧となっただけだった。 デザインに関してはこんなものだろうとかなり大雑把なのだろう。 しかし、切れ味は抜群でジョニーが赤いラインのタトゥーを入れている腕の毛が剃れるほど鋭く、紙もすいすいと切れて本職の鍛冶職人を驚かせた。 それに気をよくしたのか、ジョニーが 「テイラーはん。このカボチャで試さへん?」 と、農場に転がっていた二抱えもあるお化けカボチャを指して、テイラー・ロッドリングに持ち掛けた。 「それもええな。やってみまひょ」 と、軽い気持ちのテイラー・ロッドリング。 二人で汗を垂らしながら重いカボチャを抱えて木の台に据えると、トマホークもどき、いやどうでもよくなった薪割り用斧もどきを振りかざす。 しかし失敗した。 思いっきり標的カボチャを外してしまい、柄で叩いたのだ。 衝撃と怒涛の電撃。はずみで柄が折れて地面に刃が刺さる始末。 それでもカボチャはカボチャ。頑丈すぎてスイカのごとく割れていない。 気を取り直して、痛む手をこらえながら柄を取り換えて挑む二人がそこにいた。 ___________________________________________________________________________
あとがき:わーん。考え付きませんでした。オチもこれと言ってないし。とほほ。
|
|