Re: 即興三語小説 ―頑固なヤニ汚れも真っ白に!― ( No.1 ) |
- 日時: 2015/05/07 19:16
- 名前: マルメガネ ID:xwuP.n3c
ショートピースの煙が漂う部屋のありさまといえば、それは霧霞のごとく漂い、チンダル現象を起こして閉め切られたカーテンのわずかな隙間から差す日の光が筋になって見える。 これは吸いすぎた、とばかりにショートピースの火をもみ消した部屋の住人は、少し息苦しそうな顔をして立ち上がり、タバコのヤニで茶色く染まって古びたように見えるカーテンを開け、建て付けの悪い窓をがたがた言わせて、霧霞のごとく漂う煙を外に出す。 断末魔のような軋む音を立ててようやく開いた窓から、煙が外に向かって吸い込まれるように消えてゆくのを見ていた彼は、そろそろカーテンも洗わなくては、と思い立ち、窓辺にかかっていたカーテンを取り外すと、風呂場に持って行き、風呂桶にそのまま放り込み、湯を入れ始めた。 その間にも彼は部屋の灰皿にてんこ盛りになったショートピースの吸殻を片付け、部屋の掃除を始めた。 長い間使うこともなく放置されていた洗濯板をもって風呂場に行くと、耐え難い色合いに染まった湯船の湯の色と臭気に驚きながらも、湯に浸したカーテンを洗濯石鹸で洗う。 それらの一連の作業を終えた後の部屋とカーテンは見違えるほどきれいになり、チンダル現象を起こしていた部屋とは思えないものとなり、彼は一種の達成感を覚えたのだった。 断末魔のような軋む音を立てる建て付けの悪い窓を開けたまま、彼はさっそくショートピースに火をつけたのだった。
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相変わらず酷いですが、投稿します。
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