Re: 即興三語小説 ―日付変わる前には帰宅できていますけど、なにか?― ( No.1 ) |
- 日時: 2013/06/19 21:07
- 名前: しん ID:TbgAwek6
てんしさま
前もって書いておくけれど、細かいことは書けない。 こっくりさんの西洋版、というかこっくりさん自体が元々は西洋から伝わったものが変節したものなのだが、それを行うために使われるウィジャボードというのがある。 本来のウィジャボードは禍々しい雰囲気があるのだけど、そのボードにはそういうものを一切取り除かれ、明るい雰囲気で統一してあり、数字のとこがウィジャボードとは違うかたちになっている。どう違うのかは説明できない。わからないからではない、あまりに危険だから。 そのボードはまるで神聖なものでるかのように、白い紙に赤いインクで文字が書かれていて、字のまわりに彩る絵も平和の象徴である鳩であったり、牛や羊、そして十字架のまわりには天使がとびかっている。その配置にもポイントがあるのだが、それも書けない。
少女五人が学校に寝泊りしているのは、夏休みに軽音部で合宿をするという理由だった。 別に本当に合宿が必要ということはなかったのだけど、学校に合宿で泊まるというのが彼女たちの好奇心を刺激したのだ。 何も特別なことをする予定ではなかったのだけど、夜になると何故かそのまま眠るのは勿体無いきがしてくる。好きな男の子の話などを告白しあい、からかいあうと、途端することがなくなり、だれかがいった。 「ねぇ、天使さま、よんでみない?」 五人いたのだけど、三人ほどが了承した。こっくりさんであれば反対したかもしれないけれど、天使さまというネーミング、そして必要になるそのボードが悪いものにみえなかったのも要因だ。それに、恋を叶えてくれるかもしれないという一言が少女たちに蛮勇をくれた。 残った二人のうちの一人が執拗に反対したけれど、三人をおさえることはできない。 うるさい一人から離れる意味もあって、別の教室へと向い、ボードをひろげる。 三人はボードを囲み、呪文を唱えた。手順を守り、作業をつづける。三人は交互に呪文を唱えて真剣にいのりはじめた。本当にきてくれるとおもっていたのではない。ただ、彼女たちには真剣に叶えたい想いがあったので、思わず熱がはいっただけだった。 必要な動作をおえると、おもいおもいの願いをかなえるために呪文を唱えた。 深夜の学校には、静寂につつまれていて、もちよったわずかな光がそこを照らしている。 ねがい、ねがい、ねがう。 天使さま、お願いします。 年頃の少女にとってありふれた望みではあったけれど、切実な望みでもあった。 すぐそばに、二人いて三人いるはずなのだけど、まるで自分ひとりしかいないように 思えてくる。それほどの一心にねがいつづけた。 どこかで轟音がなったきがした。 それでわれにかえったように、一人だけ目をあけた。 一人はなぜか机に突っ伏し、一人はいつの間にか立っていた。 そんなはずはない。三人とも椅子にすわっていて、あの椅子から身を起こすと、必ず不快な音をたてるはずなのに。 そして、音も立てずにふらりふらりと、夢遊病のように、歩き出した。 思わず袖をひっぱり、大きな声でよびかけるが、返事もせずにつきすすむ。 そんななかもうひとりも、声をかけても、机に突っ伏したまま起きる気配はない。 一人だけ、正気でおきているのが、むしょうに損したきになるのだけど、それよりも、立っている方が教室をでてしまった。 教室をでてさがすと、廊下をでてすぐのとこにいる。 どこへ向かっているのか、こわくて必死にしがみつき、とめる。 しがみついたら、身体はとまるけれど、目はひらかれておらず、前にすすもうという力だけは感じる。 そうだ、と気付いて、携帯電話をてにとり、部室にのこった一人に電話をかけると、廊下の先の曲がった先から、音楽がひびいた。 廊下の奥の暗がりから、闇からしみだすようにあらわれたのは、反対していた友人だった。 口をひきむすび、目があまりに真剣なので、声をかけずらい。 懸命に身体をおさえていると、来てくれた友人が近づいてきて、懐から棒のようなものをだした。 棒かとおもっていたものは、ぱっとひろがり、とても綺麗な模様のはいった扇でとなった。 小粋な扇子と、寝るために上は体操着で、下ははもさいジャージ。 その格好で、妙になまめかしく優雅なしぐさで扇をあおぐ。 しばらくすると、ふらふら動いていた一人が、抑えていた一人にしなだれかかるように脱力して動かなくなった。 扇子というのは、古来より儀式、祈祷、信仰、占いなどで使用され、魔をはらう効果があるといわれている。当然少女のもつ扇子は特別なものであり、効果があった。 扇をもった一人の後ろから、もう一人残っていたはずの少女がでてくる。一人だけ残るのが怖いのでついてきたのだ。 三人で倒れた少女をはこび、教室にもどると、机に突っ伏している少女は、そのまま寝ていた。確認すると、息はしているようで、問題はないようである。 扇子の少女がボードを確認すると、数秘術をうわのせている関係で、一人だけおかしくならなかったのは、名前にはいっている数字や、誕生日の関係だと説明する。 手引きどおりに、締めの儀式を行うと、しばらくして、二人ともなにごともなかったかのように起きだして、のびをしたとこで全員、部室へと総員退却となった。
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これを書くにあたって、扇子をもっていた友達から、一部絶対書いてはいけないといわれたので、書いていない。名前や、数字の配置などがとくにだめらしい。 わたしは名前や誕生日などが数秘術の関係で一人だけ影響がなかったと教えてもらった。 わたしたちは、たまたま友人の中に、よくわかっていたひとがいたので事なきを得たのだけど、誰もがまわりにそういう人物がいるとは限らない。 よくわからないものに手をだしてはいけない。そういうものにふれなければならないときは慎重にしなければならない。 最後に、本当に悪いものは善いものをよそおってちかづいてくるのをわすれてはならないということをつたえておきます。 みなさんへの注意喚起のために、書いてもよいと友人がいっていたので、その範囲だけ書きました。 みなさんくれぐれもきをつけてください。
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