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RSSフィード [18] 意訳詩
   
日時: 2011/10/31 12:06
名前: 闇の吟遊詩人(闇雅人) ID:Ru30e.qY

昔、私がTCの常連だったころ、管理人の闇さんに提案して拒否された企画(苦笑)。裏でやるならいいでしょう。参加は自由です。ちなみに「外国の詩」を「教科書的に直訳」せず、「意訳して日本語の詩」にする「意訳詩」というジャンルはあります。上田敏の『海潮音』や、佐藤春夫の『玉笛譜』などがその例です。

なお、TCから離れるにあたり、私の記事は全て削除しておきます。私の企画で孤軍奮闘してくれた「うんこ太郎さん」の応援のために「一時的に」投稿したランボーの詩も削除します。では、失礼致します。もう二度とここへは来ません。

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Re: 意訳詩 ( No.37 )
   
日時: 2012/09/01 10:47
名前: うんこ太郎 ID:mU7135uM

 
幼病み医師の西語も判じえず辛かりしかの日々遥かなり ‐奥山元女
はるばると大海原を乗り越えてペルーの土地に鋤を打ち込む ‐深沢ひろの

 深沢さんは現在九七歳のおばあちゃんで、ここに紹介した詩は、二〇〇二年のペルー日系人協会の短歌コンクールで最優秀賞に選ばれた作品です。
この短歌は日秘文化会館の玄関に、石碑となって飾られています。

 南米の国々のなかでもペルーは日本との関係の深い国です。一八七三年、ペルー政府は南アメリカの国としては初めて、日本と修好通商条約を結びました。そして一八八九年には日本からの最初の移民がペルーへと到着しました。
 第二十代内閣総理大臣である高橋是清も、まだ総理大臣どころか大蔵大臣となる前の一八九〇年に、銅山開発のためにペルーに滞在しています。高橋はペルーの実業家との合資で、日秘鉱業株式会社(ペルー=秘国)を設立しました。今からすでに百年以上前に、ペルーには日系の企業が存在していたのです。
 後日高橋是清は横浜正金銀行(東京銀行前身)の頭取となりますが、東京銀行のながれをくむ三菱東京UFJ銀行が昨年二月にペルーに駐在員事務所を開設したことはおもしろい歴史のめぐりであるといえるかもしれません。旧東京銀行のリマ支店長が銃撃されるという暗い事件を経て、一旦ペルーから撤退した後の、再びのペルー進出です。つくづく日本企業のたくましさを実感してしまうのは私だけではないと思います。日系の銀行では他に、三井住友銀行が二〇一二年の五月十一日付けでペルーに出張所を開設しました。両社とも一番の目的は裾野を広くもち、ペルーに進出する日系企業への融資を行うことだそうです。
 昨年のペルーの経済成長率は約七パーセントで、今年も六パーセントの成長が見込まれています。発展途上国の経済成長率の平均が四パーセントですから、これは高い数字といえるでしょう。ウマラ現大統領は自由経済路線をとっており、通商政策ではFTAとTPPを重要視しています。日本で注目されているTPPへの加入も、ペルー政府は積極的に支援するという姿勢をとっています。
 繰り返しとなってしまいますがペルーと日本との関係は深く、ペルーにはブラジルに続いて南米では二番目に大きな日系人社会があります。

百年過ぎし苦節の先駆者の蒔きたる種はしかと根を張り- 伊 英雄

 一八八九年の日本人のペルーへの最初の移住開始から百年以上が過ぎました。「蒔きたる種がしかと根を張る」、自分のものではない土地に根を張ることはどれだけ困難なことだったでしょうか。今から百年前、夢を求め日本からはるばるペルーへ渡った日系人たち。彼らの苦難は想像を絶するものだっただろうと思います。

※気がついたら最初に投稿してからすでに一年以上が過ぎていました。一年で、これだけかというさびしさもありますが、なによりも身勝手な投稿を閲覧してくださった皆様にお礼をお伝えしたく思います。ありがとうございました。

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