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RSSフィード [19] 夏の読書強化合宿!
   
日時: 2011/07/23 06:42
名前: 端崎 ID:J84mIBlM

こんにちは。
今年も夏がはじまっておりますけれども皆さまいかがおすごしでしょうか。

「おすすめの本を紹介するスレッドがあったらいいなあ」という声がありまして、「じゃあつくろう!」といって立ててみました(ぁ
ぼく個人なんかは夏バテでページをめくるのもしんどい感じなので、みなさんの読まれた本を眺めたり、手にとったり、読んだりできたら刺激になっていいんじゃないかなと思っています。

ジャンル等問わず、なんでも「これよかった」的な書籍、じゃんじゃん紹介してくださいませ。
「その本読んでみました」「最近こんなの読みましたよ」とかそういう報告があっても楽しいかもしれません。
よろしくおねがいします!

夏バテにー、喝を入れるぞー。

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Re: 夏の読書強化合宿! ( No.5 )
   
日時: 2011/07/24 01:04
名前: 山田さん ID:iEdlTfGo

   思いつくままに列挙してみます。
   きちんと作品の説明が出来ていないので、興味を持たれた方はアマゾンあたりで確認してください(汗)。




 ・リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』(河出文庫)
   一番好きな作家は誰? と聞かれたらこの人をあげます。
   現在、手に入る作品が少ないのが残念ですが、この『西瓜糖の日々』は文庫にもなっているし、読みやすいと思います。
   同じく『アメリカの鱒釣り』も文庫になっていてお勧めなんですが、普通の小説とは少しことなる形態になっているので、まずは『西瓜糖の日々』からということでお勧めします。
   ファンタジーになるのかな。
   かわいらしいんだけど残酷な世界が待っています。

 ・イタロ・カルヴィーノ『むずかしい愛』(岩波文庫)
    この作者も面白い作品がいっぱいあるのですが、僕はこの短編集が一番好き。
    彼の作品によく登場する自意識過剰人間も健在だし、大笑いしてしまうようなテイストもあります。
    ホロリとするか、暖かい気持ちになるか、深く考え込むか、とにかく色々な印象が残る作品です。
    ちなみにこの作家さんの存在は蜂蜜さんに教えてもらいました。感謝です。

 ・ポール・オースター『最後の物たちの国で』(白水Uブックス)
    この人も面白い作品が多い作家さんです。
    フィクションでありながら、現在の不況日本の現状を見るかぎり、ノンフィクションじゃないかと錯覚してしまうような世界が繰り広げられています。
    それでも最後には希望が……そんな作品です。

 ・ジュール・シュベルヴィエル『海に住む少女』(光文社古典新訳文庫)
    脆弱で美しく自己犠牲の精神に溢れているかと思えば、残酷で悪意プンプン。
    そんな世界です。

 ・フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』(岩波文庫)
    かなりの人物が登場します。そしてそのほとんどは死者。
    語り口も一人称からいきなり三人称に変わったりします。
    それぞれの断片が大きな流れになってひとつの物語を織りなしていて、終わったかと思うと再び最初に戻る。
    そんなウロボロス的な作品です。

 ・カート・ヴォネガット『ガラパゴスの方舟』(早川文庫)
    この人の代表作といったら『スローターハウス5』とか『猫のゆりかご』になるのかな。
    この2冊も面白い作品なんですが、僕はこの『ガラパゴスの方舟』が一番好きです。
    SFなんだけど、人間のおかしさ、残酷さ、悲しさ、やるせなさ、そんな世界がきちんと描かれています。
    ユーモラスでもありシニカルでもあるんだけど、全体を通じて作者の人間に対する愛に満ちているように思います。

 ・高橋源一郎『君が代は千代に八千代に』(文春文庫)
    これは逆説的なお勧め作品。悪意に満ちた短編集といった感じです。
    読むんじゃなかった、という感想を持つ人も多いかと思います。
    僕も最初の短編を読んでいる途中、本当にゲロを吐きそうになりました。
    読んで後悔する方もいると思いますが、間違いなく強烈な印象は残ると思います。
    ちなみにこの人の作品では『さようなら、ギャングたち』が抜群に好きです。
    今は講談社文芸文庫から再販されているみたいです。

 ・小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』中公文庫)
    この作者さんの作品の中ではこれが一番好き。
    独立した11の短編からなるんだけれど、それらが絶妙に繋がりを持って一つの世界を築いています。

 ・梨木香歩『家守綺譚』 (新潮文庫)
    この人も多くの素晴らしい作品を書いていますが、やはりこの初めて読んだ梨木香歩作品には特別の想いがあります。
    僕が失ってしまったもの。失いたくないもの。かたくなに守ってきたものがあります。
    不思議な世界なんだけれども、それが当たり前の世界。
    久しぶりに心が震えた作品でした。
    この人の作品では『村田エフェンディ滞土録 』(角川文庫)や『りかさん』(新潮文庫)、『からくりからくさ』(新潮文庫)などもお勧めです。
    ちなみにこの作品は、おさんに教えてもらいました。感謝です。

 ・道尾秀介『ラットマン』(光文社)
    僕は普段は推理小説は読まないんだけど、これは面白かったです。
    どんでん返しのどんでん返し。
    推理小説でもあり、きちんとした人間ドラマでもあります。
    これはかなたんさんに教えてもらいました。感謝です。

 ・小島信夫『アメリカン・スクール』(新潮文庫)
    なんか下手な文章だなぁ、と思うかたもいるかもしれないですが、とても心に響いてくる八篇の短編集です。
    どれをとっても面白く、どれをとっても胸に迫ってくる、そしてどれをとってもうーんと考えさせられる。
    もっと早く知っておくべき作家だったと後悔したのを覚えています。

 ・金井美恵子『愛の生活・森のメリュジーヌ』(講談社文芸文庫)
    女性にしか書けないんじゃないかな、という印象を受けた作品です。
    美しくてグロテスクで独りよがりで人をグググと惹きつける。
   「兎」という作品はそんじょそこらのホラーなんか足元にも及ばないほどに怖かったです。




   他にも好きな作品、好きな作家はいっぱいいるんだけど、きりがないのでこの辺で。

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