ホームに戻る > スレッド一覧 > 記事閲覧
RSSフィード [7] 大晦日?、何、それ、三語なの?
   
日時: 2010/12/31 22:32
名前: RYO ID:lmhg1uBw

以下のお題を勝手に、自由気ままに三つ以上使って、小説を書いて下さい。
締め切りは年が明けるまで。
ちなみ、全部使った人に限り、締め切りを一年くらい延ばします(嘘

「締めくくり」、「ルンバで腹踊り」、「片桐さんは歌舞伎町NO.1のホスト」、「文学少女」、「除夜の鐘」、「マウントパンチ」、「餅」、「妹が先にお風呂」

メンテ

(指定範囲表示中) もどる スレッド一覧 お気に入り 新規スレッド作成

来年はきっと…… ( No.5 )
   
日時: 2011/01/01 00:43
名前: RYO ID:C8VnIlOE

「片桐さんは歌舞伎町NO.1のホストだけど、ルンバで腹踊りはしないはずよ」
「あーわかったわかった」
 私は酔っ払った親友の美佐子に肩を貸しながら、面倒くさくなった。傷心の美佐子に連れられて、ホストクラブに行って騒いだまでは良かったんだけど、美佐子に中では、もうすでに何か壊れていたようだった。多額の勘定に壊れたのは私のほうだったけど、無理やりでも美佐子をホストクラブから連れ出したのは成功だった。肩に、美佐子の重みを感じながら見上げた夜空に星は見えなかった。
「どうせ、家に帰っても、妹が先にお風呂に入ってて、コタツでお餅でも食べているに違いないわ! 私のことなんて誰も待っててくれないんだから!」
「あーはいはい」
 美佐子の叫びに、道行くスーツにトレンチコートを羽織った通行人が振り返る。大晦日だというのに、仕事だったのだろうか? ご苦労様。ちゃんとこのアラサーの娘は私が連れて帰るから、ご心配にならなくても結構ですよ。それとも貴方もアラサーで、美佐子の一生の面倒を見てくれるなら、近くのラブホテル代くらい出すから、一年のストレスをこの娘で発散してくれても構わないわよ。別に馬乗りになって、マウントパンチして、とんずらしてもこの娘は起きないわよ。一度寝たらの話だけど。
 その通行人と目が合ったのは一瞬で、すぐに私に背を向けて行ってしまった。
 何よ。妙齢の女が二人もいるというのに、声くらいかけてくれてもいいじゃなのさ。意気地ない奴ね。全く少しでも顔に自信があるつもりなのかしら。確かにそりゃ、悪い男じゃなかったわ。背中から分かるくらい、いかにも社会人慣れしてませんって感じがたまらないわ。大晦日でも仕事する真面目なところも、草食系らしくてポイントよね。ああ、草食系なら、肉食な私からいかないとダメなのか。ああ、なんてこと。今年最後の男が逃げていく。三人でヤッてもいいわよ。
「こらー。麻衣、どこを見てる?」
 美佐子が私の肩に掛けていた腕を、私の首に回してくる。美佐子の体重が全身にかかってきて、私は右足に力を込めて背筋を伸ばした。
「あーなんでもないわよ」
「嘘おっしゃい。あんたが黙って、ヤローを見つめるときは、ろくでもないことを考えているときに決まってるんだから、昔からね」
 美佐子はさらに私に体重を預けて、私にうなじを見せながら「ククク……」と笑って見せた。
「まったく、昔は文学少女だったくせして、なんて言い草」
 美佐子とは高校からの付き合いだ。お互いに受験の失敗も男の失敗も、味わってきた。
「あらー、文学は結構エロエロなのよ。文学すなわち、エロ! エロすなわち――」
「叫ぶな!」
 私は思わず、美佐子の腕を振り解く。美佐子は二、三歩よろめいて転ぶ。それでも、美佐子は笑っている。
「大晦日の晩に何やってるんだろう……」
 美佐子は笑いながら呟く。アスファルトに尻をつけたまま立ち上がろうともしないで。
 美佐子が結婚間近だった男と別れたのはクリスマスのことだった。正確にはイブの晩のことだ。もともと、他の女の影がちらちらしていたところに、男から差し出された指輪の裏に他の女の名前があったのだから、仕方ない。男は必死に、店の間違いだったと言い訳していたが、薬指のサイズ自体間違っていては、言い訳も聞くに虚しかっただろう。
「いいじゃない。男とは別れることはあるけど、友だちとは離れることはあっても、別れることはないんだから」
 私は美佐子に手を差し出す。
「何よ。別れる存在だから、惹かれるとか言って、あいつと私をくっつけようとしたのは、どこのどいつよ」
「さぁ? そんなことあったかしら?」
「あんたって、ほんといい性格してるわよね」
「美佐子ほどじゃないわよ」
 美佐子が私の手を取ってゆっくり立ち上がる。と同時に、遠くから除夜の鐘が聞こえた。
「今年も終わったわね。一年の締めくくりが麻衣と一緒だなんて」
 美佐子が言う。
「違うわよ。新年が始まったのよ。それにしても、新年の始まりが美佐子と一緒だなんて、今年も先が思いやられるわ」
 私が美佐子に言葉を返す。
「美佐子って何気に、言葉が酷いわよね」
「何よ今さら。それとも私と一緒より、一人虚しく年を越した方が良かったってわけ?」
 私は美佐子に微笑む。
「もっと幸せな新年を迎えるはずだったってことよ。それより、初詣行きましょう。初詣。今年はもっと良い男を捕まえるんだから」
「いいわねそれ。私は美佐子より良い男を願おう」
「それは、神様も難しいんじゃないかしら?」
 美佐子は白い歯を見せて、笑う。私はその笑顔に少しほっとする。どうやら吹っ切れて新年が迎えられたみたいだ。
 私たちは初詣にゆっくり歩き出した。足取りは軽かった。

―――――――――――――――――――
むりやり全お題消化。締め切りはオーバーですが。
タイトルが浮かばないな。
もっと良いタイトルがあるはず

メンテ

(指定範囲表示中) もどる スレッド一覧 お気に入り 新規スレッド作成

題名 スレッドをトップへソート
名前
E-Mail 入力すると メールを送信する からメールを受け取れます(アドレス非表示)
URL
パスワード (記事メンテ時に使用)
投稿キー (投稿時 投稿キー を入力してください)
コメント

   クッキー保存