Re: ご当地小説感想板! ( No.6 ) |
- 日時: 2012/01/03 02:29
- 名前: zooey ID:m8bn5shg
せっかくなので、感想書かせてください。
>かもがわでるた たしか現代板でも感想書いた気がしますが、こちらにも書かせていただきます。 情景描写や細かいしぐさの描写がよくて、時間がゆっくり流れているような感覚にさせられる的なことを書いた気がします。 でも、読み返してみて、一番感じたのは言葉の選び方がすげえなあということです。 簡単な言葉で済んじゃいそうなところを、あえて外しているというか、 おそらくはみずのさんの感覚をそのままに言葉に乗っけて表現されているのだろうなと思い、 それがみずのさんの作品に共通する味なんだろうなと思いました。 中でもこの作品はそういった部分が強い気がしました。
>うぉんたなの怪 正直、だから何? と思ってしまう部分はあるのですが、逆にその狙いのなさにリアリティがあって良いなと思いました。 その場所ならではの何気ない日常の一幕に、中高生(そのくらいでしょうか?)のリアリティが乗せられていて、面白い作品でした。
>横断する帯 情景描写や話運びが丁寧に綴られていて、すごくお上手な方なんだなあと感じました。 その丁寧な描写の中で、主人公と倉持さんの会話からにじみ出る温度差の面白さが強調されていたように思います。 結局何でもなかったんじゃん、というラストも良かったです。 「こうやって電車に乗ってて、あったかいでしょ、温度が。でもなんだか、寒い気がするっていうか。雰囲気なのよ、音とか」 という部分になぜか共感してしまいました。
>河内のおっちゃん 方言が耳に心地いい作品でした。読んでいるとそのリズムが本当に聞こえてくるようですね。私はずっと関東なので、多少のイントネーションや語尾の違いこそあれ、そこまで大きな方言には触れたことがあまりないので、何やらうらやましい気持ちがあります。 私も、少し状況がつかめませんでした。それとせっかく方言のリズムが心地よかったので、やはりいきなり硬い標準語に変わってしまうと、もったいないかなと思いました。
>東京のおいしいお店 ねじさんの作品の、人物間の距離感が好きだなあと思いました。 自分はその人の一面しか知らないのだけど、親しくして何度もその一面に触れてしまうと、 それが「その人」なんだと盲目的な感情になってしまう、 そんな風に感じました。 でも、結局「その人」そのものじゃないから、どこかでそのことに気づいてしまうんですよね。 それってすごく切ないことだと思います。 その盲目的な部分は「つれていって、ここではないどこかへ 」の主人公の感情に近いような気もしました。
> のぼってゆく みずのさんの作品とはまた違いますが、文章の中だけ時間がゆっくり流れているような感じがしました。 情景が目の前に浮かんでくるようだし、音や匂い(とくに音の方が)も感じるような気分になりました。 私にもそういう文章が書ければなあと感じてしまう作品でした。
>木更津で共に 学生っぽいカラッとした雰囲気がいいなあと思いました。 無意味にノリがいいところなんか、大学生ですね、憎憎憎しい(笑) 読み手の問題のような気もしますが、ちょっと進みが早いかなというか、 読んでいて、展開のスピードに私のリズムが追い付いていない感じがしました。 他の方が感じられないのだったら、問題ないのかなという気がします。 プロポーズと思いきや、「付き合ってください」というのは面白かったです。 その辺の純情な大学生という感じも良かったです。
>ふるさとの、空は狭く とても良かったです。 冒頭の家路を進む情景の描写にリアリティがあって、すうっと頭にイメージが湧いてきました。 帰ってからの一連のやり取りも、いい意味で素朴というか、とても自然で、田舎らしい雰囲気がありました。 故郷だけは変わらない、という根拠のない期待と、そうではないと思い知る、その切なさに感じ入るものがあって、 それがこの作品で一番良いなあと感じた部分でした。
皆さん簡単な感想で申し訳ありませんが、そんな感じでした。
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