Re: 日曜の夜だし30分三語 ( No.3 ) |
- 日時: 2012/02/13 02:04
- 名前: 昼野 ID:A5PSAvi2
僕はペットであるリクガメを小脇にかかえて、教会へと赴いた。リクガメは四肢をよじってジタバタしており、くすぐったい。 教会は、巨大な男根の形をしており、黒々しい塗料で塗られており、朝日を反射し、テラテラと光っていた。 僕は男根の教会の、根元にある、木製の重々しいドアを開き、中へ入ると、教会の奥の方で、神父がおり、よく見ると彼は鳩を、生きたまま食らっていた。生きたままの白い鳩を、犬歯を光らせながらガブガブと噛み付き、翼をばたつかせるのもかまわず、溢れる鮮血をも飲み込むようにして、やがて鳩の全てを口内におさめ、幾度かバキバキと骨を砕く音をさせてから、飲み込んだ。 「おはよう」 と神父は血だらけの口を開閉させて言った。 「おはようございます」 と僕は答えた。 「私はいま、鳩を食っていたよ。平和の象徴である鳩をね。平和、笑わせるね。私はいま、小便をしたいんだが、平和主義者の顔面に浴びせてやりたいよ。金色の美しい尿をね。彼らの醜い顔が、さぞかし美しく塗装されるだろうね」 神父がそう言うのへ、そうですねと答えて、僕は椅子に座り、テーブルにリクガメを置いた。リクガメは首を甲羅にひっこめて、置物のようだった。 やがて徐々に信者が集まってきて、次々と椅子が埋まっていった。 これから説教が始まるという時、教会内の男根や、女陰をあしらったステンドガラスが次々と音をたてて割れた。煙を吐き出す弾丸が打ち込まれたようだった。 ガス弾と思しきその弾は教会の、木床の上をカラカラと音をさせて転がり、刺激性の煙をもうもうとあげる。 僕は服の袖で、口と鼻を覆いながら、入り口の方を眺めると、ジュラルミン製の盾と、小銃を持った、黒ずくめの機動隊員が、ぞくぞくと突入してきた。 いつか、こうなることは分かっていた。僕たちのような異分子は、清潔好きのマジョリティーに排除されるという事を。 それでも僕という人間の、僕性とでもいうべきものを、歪めずに肯定していきたい。そう思って僕は彼らへの抵抗として、周囲に武器になるものはないかと探した。見ると、置物みたいなリクガメがあった。 僕はリクガメを掴み、黒ずくめの、恥部みたいな機動隊員へ向けて、リクガメを投げた。しかし、リクガメは空中で小銃で撃たれて、血と臓物をまき散らした。 床に散らばったリクガメはしかし、ばらばらになりつつも、爬虫類独特の生命力でもって、頭部、四肢、を、うねうねと動かしていた。
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