Re: 真夏のスマイリーホラーイベント! ( No.3 ) |
- 日時: 2011/08/16 00:42
- 名前: zooey ID:0y3j7F2I
- 参照: http://book.geocities.jp/dreamgood100/
笑顔の青年
ボブ・マーティンは禿げることを運命づけられた男であった。現在二八歳という若さではあるが、既に髪は薄くなり、額の後退も始まっている。この調子でいけば、遅くとも三十五歳までには、時と戦い続ける最後の戦士たるわずかな髪の毛もなくなり、完全に「つるっぱげ」と化すであろう。 しかし、彼がそこまで追い込まれることは、なかった。それは、もっと重大なことに追い込まれ……いや、それだけにとどまらず、崖っぷちに追い込まれさらにはそこから突き落とされるに至ったからだ。要するに、彼は二十七歳にして、命を失ったのである。 そのきっかけとなったのは、ある青年との出会いであった。青年は美しく柔らかな笑顔を湛えて、マーティンに近づいてきた。それはマーティンがこれまで関わったどの人物をも持ちえない、不思議な――妖艶とも言える美しさであった。青年が近づいてくるその数秒間、彼は口をだらしなく半開きにして、見とれていた。 「すいません、道をお尋ねしてもいいですか?」 言われた瞬間、トワイライトゾーンに行きかけていたマーティンの意識は驚きとともにこっちの世界へ戻ってきた。驚きの衝撃でパンツに射精しそうになった、が彼の無意識の理性がそれを止めた。 「あっ、ああ、良いですよ」 自分でも何を言っているのか分からないまま、マーティンは応えていた。 それから、彼は青年に道を教えたが、どうにも理解に苦しんでいるようだったので――確かに分かりにくい場所である上に、マーティンの説明も最悪に分かりにくかった――その場所まで案内してやることにした。 目的地まで着くと、青年はマーティンに礼を言うとともに、 「これからまだ時間あるし、お礼にしゃぶってもいいですよ」
二人はその場所からすぐ近くのビジネスホテルに来ていた。青年はマーティンの一物を舐めまわしている。もともと、青年の容姿を見ただけで興奮してしまっていた彼の極太人参級のそれは、すぐに反応して青年の顔面に射精してしまった。 「あ、ああ、ごめん……」 「いいですよ。慣れてますから」 そういう青年の顔は彼の精液に濡れていたが、それがあまりに美しくて、マーティンはまた射精してしまった。それを見て青年は、またあの美しい妖艶な笑顔を浮かべた。
その日の深夜、美しい青年――トミー・エドワーズは、目の前の自分のコレクションの一つに満足して、幼い子供の様な無邪気な笑顔でそれを見つめた。眺めていたのは、現像され、木の洗濯ばさみでぶら下げてある写真の中の一つであった。これまでで一番面白くとれたと彼は思っていた。その写真は禿げかけた変態っぽい男がパンツを下した状態――しかも大量の白い精液で下半身と床を濡らしている――で首から血を流して死んでいる写真だった。 さて、今度はどんな奴にしようか。禿げ野郎は今日やったから、デブ野郎にしてみるか、そんな風に考えながら、青年はいまだに無邪気な笑顔を湛えていた。
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