野良犬 ( No.2 ) |
- 日時: 2012/05/20 22:44
- 名前: 昼野 ID:Q1/Eb6aU
人知れず夜空を見上げる僕という人間は、町中の人に疎まれる野良犬にも似て、一人寂しくそしていずれは断頭台で処刑される、野良犬が保健所に追いやられ、ガスで殺されるようにして。野良犬は夜空の星を見上げるものだ。そしてあのバラバラの星を見て、コミュニケーションの不可能性について思う。僕は孤独だ。 嘆くなと呟く。今さら嘆くな、全ては自分で選択した道だ、その道を行けと。お前は嘆きを嘆くにはあまりにも憎たらしい、これまでに無数の人間を殺してきた、それでいて今さら弱音を吐くなど言外だ。 僕は夜空を見上げるのをやめた。コツコツと路地の奥からアスファルトを踏む音が聞こえる。僕はその場にしゃがみ、身を小さくして、狩猟ナイフを腰から抜く。 やがて近づいた女の肋骨の隙間に、水平にかまえたナイフを挿入し、肝臓を一撃で貫いた。ぐったりした女を、路地の裏に連れ込み、全裸にし、膣にペニスを挿入しながらブスブスとナイフであちこちを刺す。 射精をし、ナイフで解体した女の、腕や足などを持ったり投げたりして遊んでいる時だった。目に強い光が入った。電灯を持った警官だった。 僕は断頭台で処刑される事になった。 後ろ手に縄で縛られ、断頭台に頭部をのせる。頭の下にはおが屑が積んである。このおが屑は切断された首から出る血を吸うものらしい。脇には死刑執行人がいる。まだ若い。僕はぴーぴーと口笛を吹いてみせて彼をからかった。 僕は勃起していた。ギロチンが僕の首を切断する瞬間、おそらく射精するだろうと思った。
|
|