一時間SANGOOOOOO、てきな。 ( No.2 ) |
- 日時: 2011/11/21 00:39
- 名前: tanaka ID:rtnuyD42
お題は、『鉛筆』 『雪女』『スクール水着』です。
私は途方にくれていた。 泳ぎが苦手な私がバタフライなどどうしてできよう。 友人達は白状で今頃冬休みを満喫している。ああ、イエティさん達との合コンに私も行きたかったな。 送られる写メが羨ましい。携帯を叩き折るのをぐっと堪え、怒りにまかせてスクール水着を破り捨て、全裸で泳いじゃる。それをしなくて本当に良かった。人が生き倒れていた。 その人の両頬を平手打ちし、目を覚まさせる。 「遭難ですか?」 「そうなんですよ」 アホな返事が帰ってきた。このまま見つけなければよかったのかもしれない。 男は藁にも縋る想いで私に言い寄って来た。とある投稿小説サイトの昼野様みたいでキモイ。どうやら私を雪女と認識したみたいだ。 「トメさん、僕はこのままじゃ凍死してしまいます、暖かい所へと案内してくれませんか?どうか助けて下さいな」 「ごめんなさい、あなたを助けたいのは山々ですが、私も課題が…」 ウハッ、名前を見られた。物凄い恥ずかしい、スクール水着なんて着るんじゃなかった。 私は咄嗟に、 「って、私はトメじゃありませんっ! ジェニファーですっ! このスク水はお祖母ちゃんの形見ですっ!」 なぜ外人って思われたに違いない、そんな血は混ざって無い。男はそれでも、 「課題なら僕も手伝うよ、その後で暖かい所へとお願いします」 頭を下げる男、助かりたい想いが伝わる。それならやってもらおうじゃない。 「課題と言うのはバタフライで百メートル泳ぐ事です。あなたはバタフライ出来ますか?」 男は目が点になった。雪原のプールを見渡している。頭の中は真っ白だろう。 ウハッ! この人何っ! いきなり服を脱ぎ捨てパンツ一枚になり、プールに飛び込む。しなやかな肢体は無駄なく雪をかき分ける。綺麗に泳ぐバタフライの男を私は目に焼き付けた。恥ずかしくも心打たれ感動した。 「教官っ! 私は教官に共感しましたっ! ありがとうございますっ!」 ここで死ぬのは男も本望じゃないだろう。 重いのを我慢し、洞窟まで運び火を付ける。 吹雪が止んだら、発煙筒を打ち上げてあげよう。 この男のおかげで課題はこなせるに違いない。 洞窟に私は小さくお礼を鉛筆で書く 『教官ありがとう、ジェニファーより』
|
|