Re: 郵便受けの中に食べかけのプリン小説の巻 ( No.2 ) |
- 日時: 2011/09/18 00:34
- 名前: 水樹 ID:2nq25cz2
縛りは、『郵便受けの中に食べかけのプリンが入っているのを見つける』です。そこから物語をスタートさせて作品を仕上げてください。
プールから戻って来て、チラッと覗いたら、郵便受けにプリンが入っていた。ぬるくて食べる気にもなれなかったけど、さらにオエッてなったのは、郵便受け含め、プリンの容器はジョニーの体液でべとべとしていて生臭く、しかも一口食べられていたからだった。もう少し書き加えなくちゃ。ベトベト禁止、つまみ食い禁止とかかな。 期待はしてなかったけど、ジョニーは願いを叶えてくれた。全身が緑色のジョニーとは僕だけの穴場の河原で会った、と言うよりは瀕死寸前の所を僕が見つけた。遠目から見ても異様だった。見て無い振りして立ち去ろうとしたら、運悪く声を掛けられた。舌打ちし、水を掛けてあげると復活した。僕が見つけなかったら、そのままミイラになって博物館やお寺などに保管されていただろう。 「ガングロマッチョに憧れて日焼けしていたらこの有様さ、助かったぜ、俺の名前はジョニー」 河童が日焼けもどうかと思う。 「ついでにキュウリくれ、枝豆とビールくれ、尻子玉くれ、ヨッコイショーイチ」 さらりと図々しい事を言い、甲羅を外し、え!? 外せるの? それに腰かけるジョニー、背中にファスナーは無かった。 流石に尻子玉は上げられないけど、お小遣いが少し残っていたので、ちょっと待ってねと、枝豆と発泡酒と胡瓜をスーパーで買って来てあげた。ここで別れるのは惜しい。夏休みの宿題の自由研究に持ってこいだった。 美味しそうに発泡酒をゴクゴク飲むジョニー、頭の皿を外し、え!? 外せるの? 器に使うジョニー、 「やっぱりキュウリとビールは最高だぜ、なあキョウダイ」 僕もコーラを飲みながらキュウリを齧る、何だかいつもよりも美味しい。親しげな人外に僕の気分は悪く無かった。 命の恩人の僕に何かしたいとジョニーは提案した。河童忍法や人を川に引きずり込む百八の方法などは普段の生活には全く役立たない。丁重良く僕は断った。頭の皿や甲羅なんか持っての他だった。そんな生臭い物なんか要らない。 仕方なく、お互いの携帯の番号とメールアドレスを交換した。欲しい物をメールしてくれれば郵便受けに入れてくれるとジョニーは誓った。ジョニーと会った事は人に決して話してはいけない。尻子玉を抜かれたらどうなるか分からないけど。嫌な予感しかしないから、決して空けてはいけない箱の中、僕だけの胸にしまっておく、まあ、人に話した所で自慢にもならないし、信じてもらえないだろう。自由研究が少し惜しいだけだった。
ある日、アイスが沢山買えるだけのお金が欲しかったのに。大金が欲しいとメールを送って、OK牧場と返信されて期待して郵便受けを覗いたら。四川河童大銀行と書いてある紙切れ一枚に0が、ひい、ふう、みい、いっぱい書いてあった。無表情で僕は破り捨てた。 ジョニーに上手く伝えるのは難しい、この間も弟が欲しいなと思って、「人間の男の子の赤ちゃんが欲しい」って送ったら、郵便受けに赤ちゃんであろう肉塊が押し込まれいた。お父さんやお母さんが帰って来る前に処分するのに大分苦労した。 たまには胡瓜と枝豆とビールを河原に置いておこう。 人外のキョウダイはジョニーだけなのだから。
とある自作のパク…
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