じゅじゅわん ( No.1 ) |
- 日時: 2011/06/20 02:34
- 名前: 端崎 ID:iWAUBd26
やつでのとかげをよみかえし、またあっさりと日が暮れる。
あがなう樹木のふしくれだった、ひだりの腕を、夏に折る。
夏のまろみを名前にかいて
みつき、今夜を、型に嵌め
うたうなみだをなずませた
(白髪の夢ははばたきばかりをくくりつけてくるようで/ しゃべることもできない蛇です)
みとせもまえに、くすりゆびは かじられた。
うたばかりうたっていたね。
いまちょうど声が嗄れたから、
あなたに会いにゆく気もない。
雨音にのって、西のほうまで、
自転車の速度がとどくといい。
いまちょうど、またうたのようだから
雨が降るのはなんとなくこまる。
かど、折れろ、
(またおうたうたって) (またおうたうたおう)
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あわれあわれあわれ ( No.2 ) |
- 日時: 2011/06/20 02:42
- 名前: tori ID:.MX/ttB.
ここにございますは世にも奇妙な狐女 なんとすれば淫祠邪宗に願かけた先祖の因果のめぐりにめぐった哀れな女 好物は油揚げにござい 頭に生える耳は狐のそれでござい いやいや そんなことで狐女などとは片腹痛い と いかにもいかにも そのとおりでござい ここにございます狐女の何が不思議と申せば それは見た目のことではございやせん いかがでござい ホントは口で言えぬもの 目で通じあってこそホントというものでございましょ 秘めたるものは語るものではございやせん そういうものでございましょ 因果の怖さを見て我が身を引き締めるもよし 怖いもの見たさもようござんす 折角の藪入りの一つの手土産に土産話なんてのもまたオツなもんでござい ここにございますは世にも奇妙な狐女 先祖が淫祠に供えた油揚げ それがお稲荷様に見咎められての因果のめぐるめぐるめぐるめぐる 当代になって祟ちまった哀れな女でござい 好物は油揚げにござい 頭に生えるは耳は狐のそれ 四つ足で口をひらけば コーンコーンと鳴くのでござい 驚くなかれ 驚くなかれ 哀れな狐女のホントはそれだけではございやせん ここにございます狐女の何が不思議と申せば
-- うぐふ。やっぱ、詩は苦手だわ。
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Re: たねがなくともそっきょーうし ( No.3 ) |
- 日時: 2011/06/20 02:58
- 名前: 弥田 ID:hwurIi6k
黄昏は血液みたいに真っ赤な色で、 少女の中を、流れる夕べだ。
細い白い首筋を、ナイフで裂いたらいいのだろう。 いいや、それすら必要でないのだ。 その柔肌は、触れるだけでも血がにじんで、 だから、 いつだって、上気したような赤色に、穢されている。
彼女の体にはたっぷりと、男の視線が注がれて、いるから。 それだけでも血がにじんで、 だから、 いつだって、上気したような夕べだ。
みな、この時を楽しみにしている。 うかれた気持ちでこの時を迎える。 夜は闇にまぎれるから。 なにもかもが呑まれるから。
だけど今は黄昏で、 塗りつぶされた空、は圧倒的な赤色で、見上げる少女の、 ため息はやけに官能的に響いた。
処女の血で溶いた赤い顔料を、筆先にそっとつける。 少女の身体をなぞったなら、内から外から赤に染まる、鮮やかな夕べだ。
ーーーーーー 眠気のせいということで……!
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