バナナが大好きなんですよ

「あの人の親も俳優さんだったらしいですね。だから、要するに二世俳優ってヤツですよ。その父親の俳優さんは、結婚した回数と同数の離婚経験がある人で。ああ、当たり前ですよね。結婚した回数よりも離婚した回数の方が多かったらオカシイですからね。まあ、話を元に戻しますが、とにかく、あの二世俳優はもの凄く爽やかで、包容力もあって、仲間を大切にしている。と、評判なんですよ。船が大好きで。まあ、確かに笑顔が爽やかですよ。幸せだなあ。なんて言いながらね。笑うんですよ。ニカっと。ニカっと笑いやがるんですよ。で、その二世俳優に憧れてる田舎俳優がいるんですよ」
 藤原は速射砲の如くに、私の左耳に言葉の砲弾を撃ち込んでくる。
 携帯電話を左耳に押し付けたまま、私はコンビニのドリンクコーナーの前にいた。コーヒーはやっぱり、コーヒーメーカーで淹れた方が美味しい。二リットルのミネラルウォーターだけを手に取った。

 藤原の話を要約すると、こういうことだ。
 その田舎俳優は、その二世俳優に憧れて芸能界に入って来たらしい。様々なオーディションを受けまくって。物心付いた時には、既に母子家庭だったらしい。その田舎俳優の母親は祖母の代から伝わる純金で無垢な指輪を質屋に入れて、息子が俳優になるという夢に全面協力したらしい。そんな母親の想いを心に刻み込んで挑んだオーディション。田舎俳優は見事に最終選考まで残り、金曜日の八時から始まるドラマの主演に選ばれた。生徒想いで長髪の、熱い若手教師の役だった。
 彼の主演したドラマは日本を席巻した。ドラマの中で、彼は髪の毛を耳の上に引っ掛ける仕草を何度もする。三分おきくらいにする。耳の上とは、競馬好きの親父さんが赤エンピツを乗せる場所だ。余談だが、そういう親父さんは洗髪するのを嫌がる人が多いらしい。とにかく、その仕草をしながら、「なんですかあ!」と日本中が彼のモノマネをした。その田舎俳優は超有名田舎俳優に昇格したのだ。
 こうして日本全国的に知名度の高まった超有名田舎俳優の彼は(以後、武田さん)憧れの二世俳優と顔を合わせる機会を手に入れた。
「驚愕の事実! いま、宇宙人は日本に来ている!」というニ時間枠の特別番組で、武田さんは憧れの二世俳優と共演した。「あのね、UFOはね、ドイツ人が作ったんだよ」と、二世俳優は立ち上がり、断言した。どう考えても思いつきで発言したに違いなかった。司会のお笑い芸人が「あ、そろそろ注射の時間ですか?」と、二世俳優をからかう発言をした。場内は観客もその他の共演者たちも大爆笑だった。その二世俳優はプライドを傷つけられ、顔を真っ赤に蒸気させて怒りの表情を露にした。武田さんはとても困った表情で、憧れの二世俳優を宥めた。正面に立って、両手を二世俳優の胸に置いた。「まあまあ、そんなに怒らないでください。あの人、お笑い芸人なんですから。ああいう事を言うのが仕事なんですから。ねえ、加山さん。(以後、加山さん)」
 司会のお笑い芸人はその武田さんと加山さんのやり取りを醒めた目で見つめていた。

 その番組の収録が終って、武田さんは控え室が並ぶスタジオ裏のトイレに行った。トイレのドアを開けると、加山さんが口にハンカチを銜えて、手を洗っていた。鏡越しに目が合った。
「ああ、確か、武田くんだよね?」
「ああ、はい!」
「もう、さっきはあのお笑い芸人には腹が立ってしまってねえ。他人のことを馬鹿にするような発言だけで、芸人のトップに君臨しているヤツなんだ。別に私はこんな番組に出なくたって、他の教養番組などで忙しいわけだよ。紅白の司会の話も来ているんだよ」
「ああ、そうなんですか! 凄いですね!」
「ところで、キミのドラマ。観ているよ。流行ってるねえ」なんですかあ! と髪の毛を耳の上に引っ掛ける仕草を何度もする。でも、加山さんは耳の上で綺麗に髪が切り揃えらている。もう、何年も髪型は変わっていない。生え際は人工的で芸術的な直線を描いている。芸術は直線だ! と、主張しているかのように。実は、今回の番組収録でも、司会のお笑い芸人に「あ、加山さんは帽子を取らなきゃいけない所に行った時はどうしてるんですか?」と質問されていた。流石にそこはカットされるに違いなかった。
「ああ、有難う御座います! 光栄です! …… あのう」
「うん? どうした?」と、加山さんは言った。ハンカチをスーツの内ポケットに入れながら。
「あの、あのですね。ワタシ、あの、昔っから、学生の頃から、加山さんのファンでして。加山さんに憧れて、この世界に飛び込んだんです。アホ大将シリーズ、全部観てます! あの、ビデオも全て持っています!」
 加山さんは両瞼を目一杯に開いた。元々が三白眼なので、瞳全体における白眼の割合が多いように感じた。もしかすると、黒眼の部分が一般人よりも小さいのかもしれない。いや、そんなことってないか。と、武田さんは思った。勿論、思っただけで口には出していない。
「それじゃあ、武田くん。ボクの家に遊びに来ないかい?」
「え? 今からですか?」武田さんの腕時計は黒い牛革のバンドでセイコー製。田舎のお母さんからプレゼントされたものだ。これはジャノメの電動ミシンを質屋に入れて、購入したものだった。「東京に行ったら、時間に追われるようになるから。この町では、時間は追いかけるモノでしかないけどね」

 午前、四時五十分頃。タクシーの後部座席に武田さんと加山さんは乗り込んだ。街頭のランプは、薄明るくなり始めている道路を無駄に照らしていた。「加山だけど。田園調布のワタシの家まで」運転手さんが後部座席に顔を向けた。顎の不精髭を二回擦った。正面に向き直ってから「はい」と応えた。加山さんは、フン、と鼻から息を出して、深く座席に身を沈めた。
 東京急行電鉄、田園調布駅を横目で見送り、玉川浄水場方面と書かれた標識の前でタクシーは停車した。加山さんは一万円札をオーストリッチの財布から一枚抜き出した。「お釣りはいらないから。煙草でも買ってよ」と言い放ち、タクシーを降りる。武田さんも急いで後を付いて、降りる。タクシーのドアは閉まると同時に走り始めた。
「ああ、あのう、お金。タクシー代を……」
「いらないよ。何を言ってるんだ。武田くん」
 レンガ造りの門柱の蝶番を外しながら、「本当に愛想のない運転手だったな。まったく。俺と武田くんが乗ってるんだぞ? それにも関わらず、お疲れ様でしたの一言もないのだから。なあ、武田くん」と、加山さんは武田さんに微笑みかけた。武田さんは「ああ、はい。ああ」と頷く事しか出来なかった。
 玄関から、リビングまで長い廊下だった。武田さんのお母さんが住む実家は、この廊下の中にスッポリと埋まってしまうだろう。壁にはゴツゴツとした質感で、頭を軽くでもぶつけてしまったら流血しそうな形状の額縁がかけられている。「シャガールだよ」と加山さんは言った。「ああ、なるほど。シャガールダヨ!」と、とにかく加山さんの言葉をそのままに繰り返すのが精一杯だった。掌が汗で濡れていた。水を含ませたスポンジがなくとも、もしくは舌の上に切手を乗せなくとも、持つだけで、糊は溶け出しそうだった。持つだけで、貼れそうだった。ちなみに武田さんは切手の糊の味が子供の頃から大好きだった。
「まあ、とにかく座りなさいよ。いま、家内を起こして、ダージリンティーでも淹れさせるから」
「いやいやいや! 大丈夫です! 結構です! そんな悪いですよ!」
「何を言ってるんだい。女房っていうのはね、その家の主が帰宅したら、すぐさま、自分から起きてこないと駄目なんだよ。本来は。アイツは何をしているんだろうね。まったく」
 咲き乱れた薔薇が散りばめられているような、木目のダイニングテーブル。同じ木から作られたと思われる木目のイスが六脚並んでいる。ここで、テレビ局のスタッフと打ち合わせなどをしているのかもしれない。
 そのテーブルの中央。籐で編まれた果物入れ。様々な果物が置かれていた。グレープフルーツに似た果物。グレープフルーツではないと思う。そして、その隣には沢山の細かな毛が生えている、鶉の卵のような果物。ああ、確か、キュウイフルーツという名前だったと思う。
「あ」武田さんは思わず、声を漏らしてしまう。漏らした自分の声に驚いた。加山さんの方に視線を泳がした。
「ん? どうした?」加山さんはリビングのドアを開けながら、振り返った。ドアの向こうには先ほどの広くて長い廊下が見えている。
「いや、すみません。あのう、恥ずかしいんですけれど、あの、大量のバナナを見たら、ビックリして声が出ちゃったんです」武田さんは恥ずかしいという気持ちを顔中に溢れさせていた。髪の毛を耳の上に乗せる仕草を二度、繰り返した。
「ああ、ウチの女房がバナナ、好きでねえ。ワタシはあんまり好きじゃないんだよ」
 確か、キュウイフルーツという名前だったと思う果物の右隣に、バナナが二房も重ねてあった。一房に六本か七本のバナナがくっ付いていた。
「いやあ、ボク、バナナが大好きなんですよ! 最近は食べられるようになったんで。だって、昔、子供の頃はゼンゼン食べられなかったから」
 加山さんはリビングのドアノブに手を掛けながら、声を出して笑った。前屈みになって、笑っている。ドアノブにぶら下がるような格好で、笑い続けていた。武田さんは、自分が放った言葉を反芻した。自分は、どこで、面白い事を言ったのだろうか、と。
「何を言ってるんだよ武田くん! バナナなんて、八百屋さんとか果物屋さんに行けば、昔っから沢山売っていたじゃないか! はっはっはっは」
 加山さんは左手を腹に当てながら、右手でリビングのドアを完全に開ける。笑いを堪えた表情を室内へ向けながら、加山さんの全ては長い廊下に取り込まれて行く。そして、リビングのドアはカチャリと閉じられた。
 同時に、武田さんの心の扉も加山さんへの憧れの気持ちを押し込んで、完全に閉じられた。
 明日、実家の母親にバナナを大量に送ってあげよう。と、武田さんは思った。

 私はレジのカウンターに品物を置いていた。シーチキンのオニギリにハムのサンドイッチ。そして、二リットルのミネラルウォーターを店員のお姉さんはビニール袋に入れようとしている。入れようと、頑張っている。ちょっと小さめのビニール袋を選んでしまっている。たぶん、プライドなのかな。このビニールで絶対に入るって。大丈夫だって。前にもオニギリとサンドイッチとミネラルウォーターの三点で、このビニール袋で足りたって。大丈夫だったって。
「あのう、お姉さん。えーと、そのビニール袋じゃ小さいと思いますよ。もう一回り大きいのじゃないと。だって、手提げの所を、手で持つ所を、ミネラルウォーターが飛び越えてしまってる。ね?」
 ああ、どうもすみませんでした。と、お姉さんは抑揚のない、劇団ひまわりに入って二週間の人みたいな台詞回しで、一回り大きいビニール袋を取り出した。今まで、私のミネラルウォーターを四苦八苦しながらガシャガシャと入れたり出したりしていたビニール袋をカウンター内のゴミ箱に勢い良く捨てる。ビニール袋って軽い。お姉さんの腕の振りはキレがあって凄く速いのだけれど、ビニール袋はフワって感じにゴミ箱に落ちて行った。プライドって結構簡単に傷ついてしまう。
「お姉さん? どこのお姉さんと一緒に居るんですか? 俺がこうやって、大事な話をしている時に田辺さんは、どこぞのお姉さんと一回り大きくなったとか、硬くなったとか、そういうイヤラシイ事をやってるわけですか? わけですか! わけなんですか!」
 携帯電話から藤原の声が漏れ出ていたのだと思う。コンビニのお姉さんは私と私の左耳に押し付けられている携帯電話を交互に見ていた。
「いや、硬くなった、なんて言ってないだろう? コンビニだよコンビニ。コンビニのレジの前に居るんだ。それで、凄く綺麗なコンビニのお姉さんと話しをしてるんだ」
 お釣りを渡される時に、お姉さんの右手は私の掌に硬貨を優しく置いた。そして、お姉さんの左手は私の手の甲を優しく包み込んだ。お姉さんは機嫌を直してくれた。ちょっと嬉しかった。

「田辺さん、もうコンビニを出たんですか?」世界中の人間共が憎たらしいんです。コンビニなんかで買い物しながら俺の話をいい加減に聞いていた田辺さんの事は、もっと憎たらしいんです。いや、忌々しいんです。と、藤原は思っていそうな口調で言った。
「ああ、今、家に向かって歩いてるところだよ」私はコンビニのビニール袋を右手に持ちながら、前へ後ろへ、振り子のように揺らしながら歩いている。
「ところで、今回の武田さんと加山さんの話を私に聞かせた理由は?」
 結婚を考えている女性がいる。と、藤原は私に報告を始めた。
 昨日、その彼女の御両親に御挨拶をしに御実家に伺った、との事だった。随分と御が多いんだな。と、私は言った。茶化さないで下さい。と、藤原は間髪入れずに言った。
「俺が弟の学費を稼ぐ為に、高校を中退して新聞配達をやっていた話になったんです。彼女が、まあ、俺の事を心配してくれていたわけで。別に、勉強が出来なくて高校を辞めたわけじゃない。何か悪さを働いて、高校をクビになったわけじゃない。って、強調したかったんだと思うんですよ。弟は俺よりも優秀ですから。俺なんかが高校を出るよりも、弟が高校を出たほうが、何かと活用できるだろうって。学歴を活用して、ウチの弟は飯が食えるヤツだと思ったんです。あの頃。まあ、俺は学歴がなくとも、大丈夫だと思ってましたからね。ねえ、田辺さん。実際に俺は学歴とか関係ナシに飯が食えてますよね?」
「うん、藤原は学歴なんかに左右されずに、飯が食えてるよ。お前は生まれつき頭の出来が良いと思うよ。お前は世の中の『普通』っていう枠から食み出すほどに、頭が良いんだ」
 本音だった。東京の大手町にそびえ立つ瀟洒なオフィスビル。藤原はその通信機器販売会社の営業一課に席を置いている。とにかく、営業能力が高い。現場の叩きあげとして、名を馳せている。「今はパソコンとコピー機を売って歩いてますが、俺は別に商品が羽毛布団に変わっても、水を吸い込むことも出来る掃除機に変わっても、お爺さんやらお婆さんに納得して買って頂ける自信があるんですよ」というのが、私のお気に入りの藤原の口癖だ。
「有難う御座います。でも、田辺さんだけなんですよ。そういう風に言ってくれるのは。世の中は履歴書でしか、人間を評価しないですから。…… いや、まあ、そうじゃなくてですね。今更、そういう事を話しても仕方がないので。はい」
 私は立ち止まる。私が住んでいるマンションの前で。いや、嘘をついた。マンションではない。橘ハイツの前で。
「一通り、俺が高校を中退した理由を話し終えたんですね。そしたら、彼女のお父さんが腕組みをしましてですね。考え込んでいるんですよ。お母さんも考え込んでいるんですよ。お父さんの隣に正座して座って。ああ、まあ、これもまた余談なんですけど、彼女のお母さん。最初は、綺麗な赤い花のエプロンを着ていると思ってたんですけど、よーく見たら、小さいエビが大量に散りばめられている柄のエプロンだったんですけど」
私はコンビニの袋を大きく左右に動かしながら、声を出して笑ってしまう。
「あはは。ウケましたか? って、お笑いはこのくらいにしておきますが。やっぱり、なんでしょう。ああ、来たか。やっぱり、こういう風になるんだなあって」
 私は橘ハイツの敷地内に入る。ゴミ捨て場の近くに猫がいる。トラ猫だ。私を見上げて、一度、短く鳴く。コンビニの袋へ近付いて来る。シーチキンの匂いに反応されたみたいだ。袋を胸の辺りまで持ち上げる。
「こういう風にって?」右足で猫を追い払う。ニャアニャア。纏わりついてくる。
「なあ、藤原くん。どうして君は御両親に自分と弟の学費を払ってくださいって頼まなかったんだ? 親が子供の学費を払うのは当たり前なんだから。それを子供の君に払わせるだなんて。普通の親なら心が痛んでしまい、居た堪れない気持ちになるはずだよ。だって、教育にはお金がかかるんだから」
 それだけではなかった。隣で正座して座っている小さいエビが大量に散りばめられている柄のエプロンを纏っているお母さんも、うんうん、と頷いていたという。
 そして、極め付けは、その家の玄関で見送りに立った彼女。彼女はサンダルを履いて、藤原と一緒に表へ出た。石畳の庭を二人で歩き、レンガ造りの門柱の所までやって来た。「駅までキミが来てしまうと、その帰り道が心配だから、ここまでで良いよ。早く家の中に入りなよ」と、藤原は優しく微笑ながら、彼女の背中に両腕を回した。彼女は藤原の胸に顔を埋めた。
 そして、藤原は彼女の両肩を両手で支えて、自分の胸から彼女の顔を離させる。顔と顔を近づける。互いの唇が合わさる寸前の距離だ。
「ねえ、でも、本当に、どうして、御両親に学費を払って欲しいって頼まなかったの? 藤原さん、絶対に頭が良いと思うの。だから、御両親に学費を払って貰えたら、私なんかより、もっと上の大学に行けたと思うの」

 トラ猫は、やっと私のシーチキンのオニギリを諦めてくれた。私の正面を真っ直ぐに歩いて行く。私が歩いてきたコンビニへと向かう道をトボトボと歩いて行く。トラ猫は立ち止まる。こちらを振り返る。ニャ。極端に短く、一度鳴いた。そして、また正面に向き直り、歩いて行く。
「田辺さんは好きな人、いるんですか?」
 私はトラ猫を追いかけるように、コンビニへと向かう道を歩き始める。来た道を戻り始める。
「ああ、いるよ。さっきのコンビニのお姉さんだ」
「あはははは」藤原は楽しそうに笑う。

 あのトラ猫を追い抜けたら。
 あのトラ猫を追い抜いて。
 私があのトラ猫よりも先に、コンビニに到着する事が出来たら。
 私はあのお姉さんに愛の告白をしようと思っている。


(了)


(四百字詰め原稿用紙換算枚数は二十枚です。)
小松菜 みず
2023年09月30日(土) 18時05分40秒 公開
■この作品の著作権は小松菜 みずさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
まあまあ初期のころの物語ですね。現在とはまた少し感性が違いますが、これはこれで忘れたくはない感覚かもしれませんね。

この作品の感想をお寄せください。
No.11  小松菜 みず  評価:--点  ■2023-10-15 09:56  ID:ELoqBiWqZQs
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>えんがわ さま

ご感想、そして分析まで頂き本当にありがとうございます。

>ぶつっとエピソードが切れるので、なんかこう宙に浮いたような感覚に入るんですよね。
 →ここは迷いもありました。しかし、この形しか無いというか、出来ないと感じて。このような形にしたのを覚えています。すみません……。

>そういうのを、少しでも作中で語り過ぎると、全て台無しで興ざめになるのですが、よくぞ本作は秘めたということで、いろいろと妄想出来て、面白かったです。
 →ありがとうございます。この作品を書いていたころは「説明するか、しないか問題」を真剣に考えていたころでした。現在はまた少しだけ考えに変容は生まれていますが、基本的な路線、考えはえんがわさまと同じ方向性と思います。ありがとうございます。

2023年の物語たちは、本当に自由になりました。
キャラが最初から最後まで強いまま、とか、最強で現れて最強のままとか。
恋愛もすべて上手くいくとか。最後まで失恋しないとか。
この2023年という世界で新しい物語を生み出していくというのは難しく感じています。
それでも、わたしは、この世界に負けたくはなく、この世界に驚きを少しでも与えられるように物語を紡いでいきたいと考えています。いえ、考えているのではなく、誓っています。

>とにかく祝福を与えたい!
 →この祝福を頂き、より一層、わたしは自分の物語に真摯に向き合おうと新たに誓いも増やすことができました。

本当にありがとうございました。
No.10  えんがわ  評価:30点  ■2023-10-14 22:20  ID:PyFRimgEhSs
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加山2世さんと武田さんのエピソードはかんなり気になりました。
ねー、ちょっとずつ武田さんは往年のスターの夢から覚めて少し平熱気味のやり取りをし始める。そのまま失望して別れていくのかな、そうならなければいいな。と見守っていた中で、ぶつっとエピソードが切れるので、なんかこう宙に浮いたような感覚に入るんですよね。

主人公さんが仲間にこのエピソードを語った本心は分からないままなのですが、こうやって失望するかもしれないけど、まー、恋人と深く付き合いたいならどうぞ、みたいな感じなんでしょうかなー。

実際、男は学歴がネックで話が進みにくくなりましたが、それはあくまでも取っ掛かりだし、むしろ実力主義の男にとってそういう学歴信仰の親族って浅くて堅苦しく思えるかもねとかにゃ。

そういうのを、少しでも作中で語り過ぎると、全て台無しで興ざめになるのですが、よくぞ本作は秘めたということで、いろいろと妄想出来て、面白かったです。

最後の告白の有無を猫に重ねるところなんて、真剣なのか思いつきなのか良くわからないそういう靄の中で、ほのかに匂わせるところなんて、とても好きです。

人というものがとても愛しくなる、そのあやふやなところも含めて好きになる魔法をもった小説だと思います。

まー、波があって、起伏があって、男が女と求め合って、最後に女が白血病でどかーんとか、そういうのを求められる時代から、こういうのが主流とは言わなくても、あってもいいんだってはっきりと思ってもらえる時代になって欲しい、もうなってるかなとか。
そういうのを書くのは自分の作風もあいまい気味なもので、無理やり重ねてしまったのですが。

とにかく祝福を与えたい!
No.9  小松菜 みず  評価:--点  ■2023-10-14 09:12  ID:ELoqBiWqZQs
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>ゆうすけさま

お読みいただき、ありがとうございました。
また、ご返信が遅くなり申し訳ありませんでした。

育ちの違いとか自分の「スタンダード」がほかの人の「スタンダード」と違うという、まあ、当たり前なことなんですが、生きていくとそういったことにぶつかってしまいますよね。そんな普遍的な悩みというか課題というか。そういうことを描きたかった作品だと思います。(書いてから時間が経ったので、ちょっと冷静に分析してみました)

>同級生たちと会って久しぶりに飲み明かしたくなるような気持になりました。

良いですね。大人になってくると、そういうのもなかなかできなくなってきますよね。友人宅で朝まで語らったり。そんな日が懐かしいです。

お読みいただき、本当にありがとうございました!
今後とも何卒よろしくお願い致します。
No.8  ゆうすけ  評価:40点  ■2023-10-09 17:03  ID:BqYIjnMQWzw
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 拝読させていただきました。
 「育ちの違い」このテーマが滑らかに穏やかにすうっと入ってきますね。昭和の時代の匂いが、どこかフォークソングを聴いているような懐かしさを感じました。同級生たちと会って久しぶりに飲み明かしたくなるような気持になりました。
 大物芸能人二人のエピソードがなんか目に浮かびますなあ。お金持ちならではの苦労知らずな感じとか。
 主人公の相手である「藤原」の息遣いが感じられるほどの熱い語りが最高、生きたキャラクターですね。
 思い入れのある作品、いいものです。その時の感覚で描いているので感性の変化で変わっていきますからね。読み返すのも楽しいですね。
No.7  小松菜 みず  評価:--点  ■2023-10-01 18:02  ID:ELoqBiWqZQs
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>昼野さん

お読みいただきありがとうございます。
「特に大事件が起きるわけでもない何気ないエピソード」という物語をたくさん書いてきました。ははは。でも、最近は「やっぱりちょっとは大事件起きたほうが良いかな」と思うようにもなってきました。そういうものも少しずつ増やして行きたいと思っております。
今後とも是非何卒よろしくお願い致します。
No.6  昼野陽平  評価:40点  ■2023-10-01 15:35  ID:o2OosIKhWW.
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読ませていただきました。
特に大事件が起きるわけでもない何気ないエピソードを魅力的に書かれている筆致に感服しました。
ラストらへんで切ない気持ちになって良い話だなーと思いました。
良い刺激になりました。
ありがとうございました。
No.5  小松菜 みず  評価:--点  ■2023-10-01 12:11  ID:ELoqBiWqZQs
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皆様

ちなみにですが、わたしはこのトータルクリエーターズさんのchatroomでけっこう呟いています。良かったら今度お付き合いください。ふふふ。
No.4  小松菜 みず  評価:--点  ■2023-10-01 12:03  ID:ELoqBiWqZQs
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>ねこかわいいさん
 気に入って頂けて非常にうれしいです。ありがとうございます。
 「人の言うに言えない思いをさり気なく活字に」って、なんてカッコいいんでしょうか! いえいえ、わたしがそんな高度なことが出来ているのかは甚だ疑問ではありますが、それが本当に出来るようになりたいな、と思いました。
 粋、と仰って頂き、とてもとても嬉しいです。
 粋って言われてみたいなってずっと思っていました。ははは。
No.3  小松菜 みず  評価:--点  ■2023-10-01 11:56  ID:ELoqBiWqZQs
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>陽炎さん
 元気になってはいるんですけれど、後遺症っていうんでしょうか。ちょっと咳が残ったり、朝起きると少し怠い、、、みたいな状況がありますね。通常の風邪の終わりとは少し違う感じに戸惑っています。

 またまたご感想をありがとうございます。
 ちょっと武田さんに同情してくださってありがとうございます。
 そうなんですよね。両者ともに女性からの人気を得られていないと思います。ふふ。
 コンビニは私はバイトをしていたことがありまして。袋詰めはいつも苦戦しておりました。一度、「僕がやろうか?」とお客さんに言われたことがありました。あれは驚きましたが。ははは。
No.2  ねこかわいい  評価:50点  ■2023-10-01 09:46  ID:9pxemaegKFc
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うまーい!

小松菜さんはなんというか、人の言うに言えない思いをさり気なく活字に載せるの上手です。
持てる者と持てざる者の対比を鮮やかに描きながら、それを軽やかな印象に変換させているところがもう粋だなあ、ねえさん!
「バナナが大好きなんですよ!」この台詞にこんなにも切ない思いを隠し持たせたのは多分、プロでもいないと思います!
No.1  陽炎  評価:40点  ■2023-10-01 04:38  ID:.T.XHKIbJ8o
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元気になられてよかったです〜^_^
二世タレントって誰?と思ったら、加山雄三だったんですね
それに憧れる田舎俳優は武田鉄矢。なんでしゅか〜、このバカチンが!
バナナのエピソードに、さり気なく育ちの違いを感じさせられ
あ〜、という気分になりました
両者どちらともあまり好きではありませんが
ちょっと武田鉄矢に同情してしまいます

その流れからの後半の件も流れがスムーズで
前半の話があることによって
説得力が増すというか

コンビニの袋詰めのエピソードも面白いですね
こういう何気ない風景とか、よく観察されてるんですね

告白、うまくいくといいですね
総レス数 11  合計 200

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