独白

だれもどこにもいない気がするんですよ。わたしすらもいない気がするんですよ。わたしはただの空白で、どこにも行くことができないんですよ。

わたしの身体にある空洞について。それがいつ現れたかわらないんですけれど、それがじわりじわりと広がっていって、わたし自身をただの抜け殻みたいにしてしまうんですよ。そうして世界と自分の間がどんどん薄くなっていって、ついに私は世界に溶けてしまったのかもしれない。

女生徒みたいに、私どこにも行けないわ、と叫ぶこともできぬのです。紺色と赤いスカーフ。記憶に胸がざわりとします。うつくしい彼らと愚かで愛しい過去の私よ。透明な日々よ。諸行無常とは残酷か。

ここにあるのはしろい窓と暗い家具の輪郭だけ。突然わいてきた消えてなくなれ、という感情を持て余したので口に出した。
最近、独り言が増えたかもしれない。
雨水 らん
2018年08月02日(木) 23時11分47秒 公開
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No.1  YEBISU  評価:20点  ■2018-08-06 19:03  ID:9nz8oPNEvfE
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初めまして、YEBISUと申します。読ませて頂きました。
何を伝えたいのか判然としないまでも、何故だか胸に響くものを感じました。
‥ただ、これではタイトルどうり単なる独白であって、他者に読ませるというか、一つの作品としては未熟な感じがしました。
けれど、一つ一つの言葉の選び方には感じ入るものがあるし、もし、次作があるなら、ぜひ読ませていただきたいと思います。
総レス数 1  合計 20

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