仮面 |
異常でありながら僕は、普通に見せかける技術=仮面を、持っていた。普通に見せかける技術=仮面は、箪笥の引き出しの中に、大切に保存しており、外出などする時は常にその普通に見せかける技術=仮面をつけて、他人と接していた。それ故に僕は他人から普通の人間であると認識されてはいるがその実、豚を獣姦し、鶏の首を裂いてその血を全身に浴び、亀を叩き付けてグチャグチャにする事で、悪魔が降臨し、鉤爪の手で差し出す契約書にサインをすると、悪魔の奴隷となって、魔法が使えるようになるものだと妄想し、その通りに実行したが、やはり悪魔は降臨しなかった、という程度に普通でもなかった。 僕はじじつ、精神病者であった。統合失調症であった。十五歳で病んで、いまは三十一歳だから、人生の半分以上を、病人として生きているという事になる。こう長く病んでいると、病んでいる自分がほんとうの自分らしく思えてもくる。僕は十五の頃から、背中に膜質の翼が生え、徐々に悪化していき、ペニスが幾本も、タケノコみたいに生えてきて、尻には鱗だらけの尻尾が生えた。僕は病んでいるとはいえ、奇妙なことに客観性というものもあって、普通に見せかける技術=仮面を、ホームセンターで買った様々な道具でもって制作し、それを被って、正常な身体として学校などに通い、大人になると会社に通った。 そのような僕が、いかに普通に見せかける技術=仮面を持っているとはいえ、平凡であることを誇りにし、異質な人間を見つければ即座に、あるいは徐々に排除する、というような他人共の中で生きることはやはり、困難であった。 僕はスーパーマーケットの店員をやっていたのだが、ふとした時に普通に見せかける技術=仮面が、顔から外れて床に落ちてしまって、僕は瞬間、奇形化した。三つの頭部が生え、膜質の大きな翼が生え、爬虫類のような鱗だらけの尻尾が五本も生えている姿に変貌し、こともあろうか「あおーん!」と雄叫びを上げた。あわてて仮面を拾って顔につけなおし、正常な身体に戻ったとはいえ、僕は異質である事がばれた。 その後の、徐々に表象する僕に対する、彼らの排除の感情や、行動、それらの根底にまざまざと見える悪意は、フナムシみたいにみじめな物であった。それでも不愉快なのはその通りで、僕はじょじょに疲弊していき、精神の病を深めて、結局スーパーマーケットを退社した。 * 両親に僕は、病気である事を、告げていなかった。両親の前でも僕は、普通に見せかける技術=仮面をつけて接していた。しかし僕はスーパーマーケットを退社し、貯金もない事から、両親に僕が病気である事を告げて、金銭的な援助を申し出た。すると両親は、穢いアパートの一室を借りて、そこに僕を住まわせた。六畳一間の、日当りの悪い部屋で、壁には種々様々なカビが、生えていた。 左隣の部屋には、50過ぎの、豚みたいなおばさんが住んでいて(化粧が濃かった)、毎晩のように穢い男を連れ込んでは、悪夢のような喘ぎ声を響かせた。右隣の部屋には穢い中年男が住んでいて、やはり毎晩のように醜い女を連れ込んでは、喘ぎ声を響かせた。二人の喘ぎ声は、渾然一体となって響き合い、奇怪なオーケストラを奏でた。 二階には元自衛隊員が住んでおり、ガソリンと農薬でもって爆弾を作るのを趣味としており、一度は爆弾を作っている時に、暴発させて、一室が吹き飛んだ(どういうわけか当の元自衛隊員は、無傷であった)。 僕は友達の一人もいなく、友達をつくる必要性も感じず、大人になって友達などと戯れることは幼稚なのであると思っており、さらにはトモダチという語感自体がなんとなく嫌いであった。さらには友達などをつくって、私生活の面においても普通に見せかける技術=仮面をつけて、接する事は、苦痛であり、空しくもあった。そのような僕は当然、孤独であり、会社を辞めた今となっては、月に一回通う精神科の医師を除いては、人と会話をする機会がなかった。 医師は頭がおかしく、僕にフェラチオを要求した。僕は必死に医師のペニス――医師は野良犬を獣姦をすることを趣味としており、そのせいでペニスは半ば腐っており、ぶつ・ぶつした疱瘡に覆われ、尿道口からは黄色い膿が垂れていた――を、しゃぶった。そしてその見返りとして、ラムネみたいな形と色をした薬(効用においてもラムネと大差なかった)を出した。僕は精液を飲み、向精神薬を飲んだ。 いかなる希望も見いだせない僕は何度か自殺未遂をした。壁に釘をうち、ロープで輪をつくって首を吊ったのだった。言うまでもなく、あっけなく釘が折れるのだった。僕は自殺を決心するたびに、ポルノ・グッズを処分した。僕はバイブレーターを肛門に挿入して自慰をするのが好きなのであった。死んだ後のこととはいえ、ポルノ・グッズを残して死に、あいつは変態だったなどと思われるのは、嫌であった。そして自殺に失敗し、また生きるのかと絶望にくれながら、ポルノ・グッズを処分した事を、死ぬ程に後悔し、二重に絶望するのだった。 そういった生活を二年ほど続けていたある日、月に一度のフェラチオをしに行った時だった。「最近どうですか」と医師は言った。「良いです」と僕は言った。良いことがある筈がなかったが、現在の精神状態を説明するのが面倒くさかった。不安感は、雲のように不定形であり、巻雲だったり積乱雲だったりする。それを言語化するのは、面倒くさかった。すると医師は「福祉施設に通いますか。精神病を抱えた人達が、社会復帰を目指して、作業やリクレーションなどをする施設です」と言った。今の生活、医師と意外は、誰とも会話する事のない生活に疲弊していた僕は、「通います」と、即答した。その日のフェラチオは凄かった。フェラチオというよりはイラマチオだった。医師はがんがん僕の喉を突き、膿の混じった精液を口腔に、流し込んだ。僕も必死になって医師のペニスをしゃぶった。 * 市役所で福祉施設への経路を印した地図をもらい、それを見ながら、雪の降るなかを歩いた。都市郊外の、延々と住宅街のみがつづく、沈んだ色調の、素っ気ない風景だった。ふと空を見上げると、灰色の重たげな雲が憂鬱そうにあり、ぼたぼたした重そうな雪を降らせていた。 十分ほど歩き、やがて福祉施設についた。淡い青色をしたビルの一階だった。入り口に木の看板がたててあり、「××」と原色の華やかなペンキで書かれている。その周囲にはプランターがあり、草花が何種類かあった。僕はガラス張りのドアを開けると、中には種々様々の奇形らがいた。背中に翼のある者、肩甲骨から足が生えている者、全身の皮膚が角質化して、鉱物のようになっている者……。彼らは長テーブルを囲んで、何か話し合いをしていた。 「高橋さん居らっしゃいますか」 僕はそう聞くと、 「いま、高橋は外出しています。もうすぐ帰って来るので、こちらでお待ち下さい」 と、職員と思われる奇形ではない、正常な身体の女性が言い、室内の隅にある一室へと案内した。 僕は椅子に座っていると、先の女性がお茶を入れたカップを出した。女性からは柑橘系の香水が香っていた。 妙に薄いお茶を飲みながら待っていると、やがて壮年の男性が入ってきて、「高橋です」と言った。 高橋は僕の向かいの椅子に座り、僕の私生活や病状について、穏やかな口調でいろいろ訊ねた。僕はそれに一つ一つ回答した。そして翌日から福祉施設へと入所し、通うことになった。 朝の十時に、施設に行った。福祉施設へも、僕は普通に見せかける技術=仮面を、つけて行った。それ故、僕は奇形化せず、正常な身体であった。福祉施設の、他の利用者は、みな奇形であった。彼らは卑屈な仮面などつけずに、堂々としている。 テーブルを囲んだ椅子に座っていると、やがて職員らが奥の部屋から出て来て、テーブルを囲んで座った。 「朝のミーティングを始めます」 と高橋は言い、僕に自己紹介を促した。 「名前と、あと趣味など言ってください」 やはり穏やかな口調で高橋は言った。 「昼野です。趣味は映画鑑賞です」 僕はそう言うと、 「どんな映画が好きですか」 と女性の職員――昨日、お茶を出してくれた人だ――が、聞いた。 僕はサム・ペキンパーなどの暴力映画が好きだったが、ここでも仮面的な発言を考え、 「ライフ・イズ・ビューティフルなどの、ヒューマン・ドラマです」 と無難な映画を言った。 僕が紹介を終えると、高橋は他の利用者らへ自己紹介を促した。奇形たちはつぎつぎと自己紹介した。 * 福祉施設の作業の内容は、公園清掃や食事作りや内職などだった。僕はそれを坦々とこなした。他の利用者と会話を交わすことは、作業をするにあたって必要なこと以外はしなかった。僕はここでもやはり仮面の下を露にするのに抵抗があった。それでもここへ通っているだけで、何となく気が晴れた。 ある日、外の喫煙所で煙草を吸っている時だった。灰皿の前にあるベンチに座っていた、利用者の女性――顔中の皮膚がただれていて、目や口を覆っているほどの奇形顔だった――が、不意に悲鳴をあげて顔を両手で抑えて、俯いた。 「どうしました」 僕はそう聞くと、 「蜂に刺されたようです」 と言った。 その時、僕は何を思ったか、ペニスを露出し、女性の顔面にむけて、ばしゃばしゃと放尿をした。女性のただれた皮膚の顔が、尿の金色を浴びて光った。 「蜂刺されには尿のアンモニアがいいんです」 僕はそういうと、 「ありがとう。あなたは優しいですね」 と女性は尿まみれの顔で言った。 それから僕と女性はそれとなく会話を交わすようになった。彼女と会話することは、僕の孤独に閉ざされた暗闇のなかに、外部への窓が一つ開いたようだった。 ある日、やはり外にある喫煙所で、煙草を吸いながら、ただれた皮膚の女性と会話を交わしていた。 「あなたは奇形ではないのですね。普通っぽいです」 女性はそう言った。 「普通に見せかけているというだけで、普通でもないのです」 そう答えると、 「それは切ないですね」 と女性は言った。 僕はその時、なんとなく理解されたと思って、思わず涙すら出そうになった。 昂ってつい、 「何度か自殺未遂もしています」 そんなことを言うと、 「私もです」 女性は笑って言い、僕もまた笑った。 ある日、女性は入院した。症状が悪化したとのことだった。そしてその一週間後、女性は病院から失踪した。職員が探すと、女性は自分の家にいて、倒れていた。脈がなかった。薬の過剰摂取で自殺をしていたのだった。 僕は孤独の暗闇の中に唯一あった窓が閉ざされ、真黒に戻った気分だった。 女性の自殺をきっかけに、利用者らが次々と自殺していった。抗争中のヤクザみたいに死んでいった。利用者のほぼ全員に、自殺未遂の経験があったので、不思議なことでもなかった。僕は、はじめは憂鬱な気分にもなったが、あまりに繰り返されると、だんだんと慣れていってしまった。自殺という現象の日常化……。 * 僕の病気は回復していった。悲しい出来事に慣れてしまっていたのだ。それは利用者らが自殺したという事のみではなく、世の中に対する様々な事でもあり、自分の事においても、またそうだ。僕は画家を目指していたが、めんどくさいという理由で、絵を描かない画家志望だった。 悲しい事も繰り返されると、無感覚になり、世の中そういうものだとしか思わなくなる。そういう思いを抱くことは悲しい事ではあるけれど、それはあくまで思考レベルにおける悲しさで、感覚のレベルでは悲しいと感じず、ひたすらに無感動だ。僕は無感動な人間になったのだった。そうやって病気は、治っていった。いつしか、仮面をつける必要もなくなっていた。僕は奇形の者ではなくなっていたのだった。 ある日僕は、箪笥の引き出しにしまい込んである、普通に見せかける技術=仮面を、手にとり、近所の河原へ行き、たき火をおこして、仮面を放り込んだ。思えば人生の半分以上を、この仮面をつけて過ごしていた。仮面はちりちりと焦げて、黒い煤だらけになり、白い亀裂を走らせ、やがてパンと音させて砕けた。 僕は就労活動をした。施設の職員が随伴して面接にいったり、協力してくれた。 そしてバイトとはいえ、職を見つけた。ラーメン屋だった。 他の利用者や職員らは喜んでくれた。両親も喜んだ。 |
昼野陽平
http://hirunoyouhei.blog.fc2.com/ 2013年05月18日(土) 18時23分10秒 公開 ■この作品の著作権は昼野陽平さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.11 昼野陽平 評価:--点 ■2013-09-06 16:09 ID:NnWlvWxY886 | |||||
>羽田さん 感想をありがとうございます。 そういった世界観を書きたいと常々おもっているので、嬉しいです。 ありがとうございました。 |
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No.10 羽田 評価:50点 ■2013-08-25 20:35 ID:ugs11HxFL4U | |||||
見てはいけない世界を、ふすまの間から見たような そういう気持ちの悪さ。 でももっと見たくて、ついついふすまに顔を近づけていると 向こう側にいる気持ち悪い何かもこっちを見つめていることに気づく。 気づくたびにふすまは開かれていく。 昼野さんの作品を読むときはいつもそういう気持ちです。 見えているものは人それぞれだけど、決して誰かに見せてあげることはできませんね。 私が見てる世界にも、よくわからない化物ばっかりいます。 |
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No.9 昼野陽平 評価:--点 ■2013-07-07 00:01 ID:NnWlvWxY886 | |||||
>SHIRIAIさん 感想ありがとうございます。 転向ですか。詩も書きたいとは思ってますが、やはり小説中心に書きたいなと。あまりいい詩を書いたためしがないので…。 文法は意図的にぐちゃぐちゃにしたのですが、やっぱまずいのですかね。そもそも文法をちゃんと勉強したことがないので、勉強したいと思います。 表現力ありがとうございます。指摘されたところはけっこう狙ってやってみたので伝わって良かったなと。 そうですね、たくさん書いて上手くなりたいと思います。 ありがとうございました。 |
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No.8 SHIRIAI 評価:30点 ■2013-07-04 12:43 ID:sqfh9gLDeNI | |||||
こんにちは。 いやあ、面白い。面白いけど、あなたは詩に転向した方がいい。とさえ思う。 まず、中高生の作文を読んでいる感覚。確かに語り口の雰囲気はおおむね一定しているが、文法がメチャクチャ。例えば、自動詞、他動詞の違い、処理の違いが分かりますか。 はじめの方の長く連なった文、読点で延々と繋げて、自分で処理しきれなくなっている。長い文は分けてみては? 細かい所をあげていくと、きりがないので、ご自分で細かく推敲しなおしてください。 ところが、 ●文法のまずさに比べて、表現能力が高い。 >妙に薄いお茶を飲みながら このピックアップは面白い。 >抗争中のヤクザみたいに死んでいった これも、ピタリとくる。 性的描写のエスカレート、精神世界の描写も面白い。←この辺のバランスは、そのうち沢山書くことで、手綱さばきは上手くなると思うので今は気にしないでいいと思う。 なかなか貴方みたいにかっとんだ人はいないと思うので、他の作品も読みたくなりました。 とにかく、問題は、技術というより、文法をなんとかしましょう。 ありがとうございました。 |
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No.7 昼野陽平 評価:--点 ■2013-07-03 00:04 ID:NnWlvWxY886 | |||||
>百舌鳥さん 感想ありがとうございます。 なんか無意識的にやってることを指摘されたという感じで、色々考えさせられます。 >性器や性行為に象徴されているのはコミュニケイトで この指摘はほんとうにその通りだなと思います。やはり無意識的に書いてたので、なんかはっとしました。 もうちょっと自覚的になって、掘り進めていきたいなと思います。 ラストは微妙でしたか…。もうちょっとなにか考えれば良かったです。 ありがとうございました。 |
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No.6 百舌鳥 評価:40点 ■2013-06-30 00:23 ID:SF7F6uJoMoI | |||||
もぞもぞと参上でございます。 タイヘンにすばらしい。その一言です。 昼野氏の作品は、視点に特徴があり、非常に近視眼的であるか、まったくの俯瞰であるかの両極端なのですが、 今作品は、後者ですね。俯瞰なので、感情の波が一定で、ともすれば説明を説明することに捕らわれがちなのですけれど、 日記小説のような冷静さが、かえって心の襞の震える様子を伝えてくれるように思うのです。 エログロで語られることの多い昼野氏ですが、エロもグロも、氏の心象風景なのだと、改めて感じられます。 言葉の派手さに目を奪われがちですか、性器や性行為に象徴されているのはコミュニケイトであり、 その透明な美しさ、とでもいうのでしょうか。無邪気だから美しくて、刹那だから哀しい。 誰かと繋がること、社会(世界)と繋がることは、昼野氏にとって、けして容易なことではなく、 暴力をもってして、性行為をもってして立ち向かう、これはそういう幻想小説に極めて近い作品なのだと感じます。 ただ、ラスト一行の評価に非常に迷う。小説の着地点として、これをどう評価すべきかに悩みます。 なので点数はこの辺りで。次回作に期待しています。 |
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No.5 昼野陽平 評価:--点 ■2013-05-20 20:17 ID:NnWlvWxY886 | |||||
>坂倉圭一さん 感想をありがとうございます。 読後感、ありがとうございます。独自の小説を切り開きたい、とつねづね思っています。 獣姦をする、はおっしゃる通りおかしいですね。 「それは利用者らが自殺したという事のみではなく、世の中に対する様々な事でもあり、自分の事においても、またそうだ」ここもおっしゃる通り、ちょっと唐突だったかなと思います。 ありがとうございました。 >卯月 燐太郎さん 感想をありがとうございます。 具体的、と言っていただけるのは嬉しいです。こういう内容ですが、リアリティーというものを出したいと思って書いたので。 盛り上げ、ありがとうございます。自分で読み返してみるとまだ努力の余地があったかなとも思います。次回に繋げていけたらと思います。 「普通に見せかける技術=仮面」という記述の繰り返しは、視覚的な効果を狙ってやったのですが、あまり効果的ではなかったですね。よみにくいだけになってます…。 仮面をつくるのを詳しく書くのは、ちょっとあざとくなるかもとも思いますが、やってみるのもいいかもですね。 医師とのやりとりはもっと書くべきでした。ちょっと惰性的に流してしまったと思います。 無感動と奇形との関係も書くべきでしたね。全体的に具体的を目指しつつ、やりきれてないなと思います。 ありがとうございました。 >zooeyさん 感想をありがとうございます。 なんか書き手が意図したとおりに読んでいただいた、という感じで嬉しいです。基本的に読み手の方にはただただ面白がって読んでいただければいいか、とか思って書いてますが、やはり嬉しいなと。 淡白さは正直、単にだるいからという時もありますが、今作では意識的にやりました。効果的に使えたようで良かったなと。 リアリティーを感じたとのお言葉は嬉しいです。奇形とか出てきますが根っこのあるものを書きたいと思って書いたので。 リズムありがとうございます。ただちょっと後期の大江健三郎の影響を受けてる部分もあるので、自分のリズムを開拓していきたいと思います。 ありがとうございました。 >gokuiさん 感想をありがとうございます。 僕もなんか小説を語るのに映画を出してしまいますね……。小説のこと考えてるときより映画のこと考えてる時間が多いです…。 性描写に頼ってる部分はありますね。好きだからという理由もありますが、それにしても…って感じですね。ちょっと考えていきたいと思います。 ありがとうございました。 |
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No.4 gokui 評価:30点 ■2013-05-18 23:13 ID:SczqTa1aH02 | |||||
読ませて頂きました。 難解な作品でした。マーティンスコセッシ監督の映画『シャッターアイランド』、テーマが近いような気がします。あと、塚本晋也監督の映画、『KOTOKO』、これも近いかな。知らない映画だったらごめんなさい。(どうして私は小説の比較にいつも映画を持ち出すのだろう) 昼野さんは、迫力ある文章を書くのがうまいと思います。ですから、性的描写ばかりに頼らず、文章力でインパクトを出して欲しかったと思います。 結局、仮面とはなんだったのでしょうか。理性、感情、無気力……いろいろと解釈できそうですね。ちょっと考えさせられました。 それでは、次回作も頑張ってくださいね。 |
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No.3 zooey 評価:40点 ■2013-05-18 22:55 ID:LJu/I3Q.nMc | |||||
読ませていただきました。 面白かったです。内容的にも、深みがあるなと思いました。 なんというか、私はこの作品の奇形の描写は妄想のように感じました。 現実と妄想の境がなくなっているような感覚です。 ただ、その妄想というのは一つに主人公のアイデンティティでもあって、 ラストでそれが失われる、という部分に現代社会に馴れさせられる悲しさというか、そんなものが漂っていると思います。 そういうやり切れない感じを、 ラストの淡泊な書き方がうまく出しているなと思いました。 どこまで意識されているか分からないのですが、 昼野さんの作品は毎回こういう空白の使い方がお上手だなと感じます。 異質なものを排除する、という社会も、 主人公の奇形的な描写によってリアリティがありました。 なんというか、強者が弱者を排除しているようで、 実は社会は怪物を恐れているんだな、みたいに思いました。 なんとなく、昔白人が黒人を恐れていたそれに、似ている気がしました。 あと、独特なリズムが良いなと思います。 変な感想になってしまいましたが、面白かったです。 ありがとうございました。 |
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No.2 卯月 燐太郎 評価:30点 ■2013-05-18 22:27 ID:dEezOAm9gyQ | |||||
「仮面」読みました。 ■よいところ ●奇想天外なことを具体的に書いてある。 ●作品を盛り上げるように構成されていた。 異常者を描き、仮面を利用して普通に主人公を演じ、やがて独り暮らしになる。 そのアパートでの奇怪な人々の夜の生活。 精神科に行く主人公に頭のおかしい精神科医とのある記録。 そこから福祉事務所を通じて、主人公と似た特殊な障害者のいる施設。 知り合った女性との変わった日常から、彼女の自殺。 施設での自殺者が日常化。 哀しい出来事に慣れてしまった主人公は、無感動になったことで、普通の者に戻る。 正常な生活が出来るようになり、仮面を焼いて、就職活動が出来るまでになった。 ■問題点と改善策 「普通に見せかける技術=仮面」を何度も書きすぎです。 また、説明的なので、描写等で一度書けばあとは仮面でわかると思います。 >>「普通に見せかける技術=仮面を、ホームセンターで買った様々な道具でもって制作し、」<< ●マニュアルなどはどうしましたか? この辺りは、それなりに詳しく書いたほうが臨場感は出ると思う。 >>医師は頭がおかしく、僕にフェラチオを要求した。<< このいきさつを具体的に書いてほしい。 「医師は頭がおかしく」「僕にフェラチオを要求した。」と書くのではなくて、患者である主人公と医師との具体的なやり取りとか、どうして主人公がそのクリニックに行ったとか。 ■ラスト近くに主人公は無感動になることにより奇形で無くなるのだが、この無感動と奇形との関係を具体的に描けば、作品のテーマともなり、深く描けることができると思う。 お疲れ様でした。 |
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No.1 坂倉圭一 評価:30点 ■2013-05-18 19:04 ID:KMpPt7smfM6 | |||||
読ませていただきました。 凄い内容ですね。普通の小説を読みおえたあとの読後感とはまるで別物ですね。そんな印象を受けましたが、最後の一行に救われたような思いでいます。 「医師は野良犬を獣姦をすることを趣味としており」ですが「を」が気になりました。「獣姦する」でも良いように思います。 「それは利用者らが自殺したという事のみではなく、世の中に対する様々な事でもあり、自分の事においても、またそうだ」ですが、少し分かりづらかったです。この文だけは読み直しましたが、やはりすっと頭に入ってきません。(すみません。僕の読解力不足かもしれません) 読み応えのあるご作品、ありがとうございました。 |
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