春夏秋冬ーパラノイアー |
ひらひらと桜が舞う、この季節は春。別れ、そして出会い。 「もう知らない」 と、あいつが去って、 「初めまして。これから、よろしくお願いします」 と、君が来た。 涙と笑顔。僕の感情は不安定だ。 暑さに耐えないといけない夏。アイスは絶対、手放せない。 でも、一番好きだったイチゴ味のアイスを見るだけで吐き気と目眩に襲われる。あいつが好きだった味だったから。 かわりに嫌いだったチョコ味のアイスが、今は不思議と食べられる。君が美味しそうに食べているのを見ていたからかな? 熱が僕をじっくりと蝕んでいく。 食べ物、読者、スポーツの秋なんていうけど、僕にはそんなの関係ないと思うんだ。 「これ、似合う」 なんて一枚黄色の紅葉を僕にくれたあいつ。 「赤色の紅葉とても似合ってますね」 と君から差し出されたのは血で染まっていた。君の微笑んだ顔が怖くてたまらない。 僕の気持ちは、黄色と赤色の間で揺れはじめる。……どうして? 降ってくる白い雪。吐く息も白くなるほど寒い。 「久しぶり、最近一人言多いって聞くけど」 …?え?こいつの言うことが理解できない。 「私が悪いのかな?一方的にさよならして逆ギレして。だから変になったの?」 変。そういえば何か……あれ?さっきまでいた君はどこへ行ったのかな。数分前には いたし、いなくなるような気配もしてない。 「もっかい、やりなおうそうよ」 そう、こいつが言った瞬間。 『ばいばーい』みたいな感じで。 僕の中から君がはじけて消えてしまって。 「そうだね。いいよ」 と僕は目の前の君に返事をした。 |
舞
2012年11月16日(金) 21時33分52秒 公開 ■この作品の著作権は舞さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.3 舞 評価:--点 ■2012-12-02 10:31 ID:e1F5gFuIZ46 | |||||
お返事遅くなりました、舞です。 >水樹さん 解釈は人それぞれなのでいいんですが、 私は、あいつ(こいつ)は、存在していて、君が主人公の作り出した妄想。 なので題名にパラノイアといれました。 口調など、もう少し頑張って捻ればよかったかと後悔。 >晃洋さん 君が主人公の妄想ってわかりましたか? 第一にそれに気付いて欲しかったんです。ありがとうございます。 今読み返してるとそうですね、秋は、ーーなんか違う方が良かったですね。 はい、今回四季をテーマに気合いを入れたんです!! 国語に載っていたある随筆文かな?それで思いつきまして。 評価、ありがとうございました。 |
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No.2 晃洋 評価:20点 ■2012-11-18 02:02 ID:35wVg0qegkQ | |||||
拝読しました。 おそらく「君」は主人公の 妄想なんだということは、推察できます。 秋だけなんとなく浮いているという感じはしますが、 四季で主人公の現実と妄想の折り合いのつけかたを 表現しているのは面白いと感じました。 |
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No.1 水樹 評価:40点 ■2012-11-17 02:27 ID:r/5q0G/D.uk | |||||
舞様、拝読しました。 間違っていたらごめんなさい、私の勝手な解釈ですが、あいつ、こいつ、僕、私、君、一人の中に三人の人格? が存在し、入れ替わっているのかなと。 二人居て、一人が消えたら一人入るような。一つの部屋に二人しか居られない設定かなと。 口調、性格、視点、それがもう少し判り易ければ、かなり面白い作品になるのかなと。 |
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総レス数 3 合計 60点 |
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