無題

ふらふらと夜をやり過ごす。眠れるのはまだまだ先の話だとしても。

手首の脈拍を数える。近ごろは皮膚のすぐ裏に不安な気持ちが上手くしまえていて、自在に出し入れ出来る。日付が変わったばかりの路地は暗くてオレンジ色で、ちょっとでも目を離すと僕のいた場所から、僕の見ている映像へ殺到してくるのは気のせいなのだろうか。 どこかに叩きつけたくなる柔らかさこそが僕なのだから内心落ち着かない。

一歩踏み出すたびに心臓を貫かれるサブリミナルが混じるもんだから恥ずかしくてすぐに眠くなる。

とはいえ、マンションの前に雑然と並べてある自転車のうちのひとつの荷台に腰掛け、猫でも出てこないかとか考え始める。どうせ懐いてはくれないにしても、そういうのを見守るのは今でも少し楽しいから、やがて切なくなる。少し遠く、オレンジに染まった高架線の下にはオレンジに染まっていないとても暗い公園があり、こんなところで遊ぶ子供はろくな大人にはなれねーな、と思った。いったいいつからいつまでなのだろうか。あなたが傍にいてくれたのは。気付かないふりをして待っているうちに、すっかり見失なってしまった。いずれまた会えるとしても、もう手遅れなんじゃないか、とも思う。こんな僕の日常もどきなんか一瞬で消し飛ばしてしまうような鼓動がひくひくと袖を引っ張っていて、結局はいつだって寂しいのだと気付く。

みずの
2012年09月06日(木) 02時39分56秒 公開
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■作者からのメッセージ
ご無沙汰しております。久しぶりにあげます。

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No.2  みずの  評価:0点  ■2012-09-11 22:13  ID:T5eZxdU8mio
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ぞーいー様

お久しぶりです。感想ありがとうございます。
なんか微妙なカンジで申し訳ありません。
歪みが大きいとのことですが、言われてみれば確かにそんな気がします。
まーもともと前向きな文章を書く方ではないと思うので、ご容赦下さい笑

ていうか短すぎですね。すいません。
ちゃんとしたのを書くと以前宣言したような気がしますが無理でした。

ちょっと忙しくてあまりこれないかもですが、またよろしくお願いします。
No.1  zooey  評価:30点  ■2012-09-06 03:04  ID:1SHiiT1PETY
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読ませていただきました。
やはり、文章からにおい立ってくる雰囲気が好きだなと思います。
みずのさんにしかない味ですよね。

ただ、ちょっと読みにくいかなと思いました。
その少し特徴的な、なんと言うか一文の中に歪みがあるというか、そういうg部分がみずのさんの作品の好きなところなのですが、
今回は歪みが大きすぎるのかな、となんとなく思いました。
あくまでそういう印象、というだけなので、何だか申し訳ないです。

でも、また読めてうれしかったです。ありがとうございました。
総レス数 2  合計 30

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