アナフィラキシー

「******」
 彼女は流暢に外国語らしきものを舌に這わせて発言した。だからとりあえず僕は首肯した。それに対して彼女は満足げにうんうんと頷く。
 僕には彼女が話す言葉がどこの国のものなのか皆目見当つかなかったから、しきりにお前が喋っているのはどこの地域の言葉なんだと彼女に訊いた。彼女が応えるのは、ひとつ、首肯のみだった。僕のどんな質問にも、首肯だけを提示する。
 そしてまた、僕が彼女の質問に答えるのは、首を縦に振ることのみでもあった。
 僕が彼女とコミュニケーションをとるのに、首肯以外の手段は無かった。なぜなら、僕らは互いが使っている言語について理解が無かったからである。
 彼女はそれでも、よく笑うひとだった。僕が手に取ったリモコンでテレビの電源を消すと、そんな馬鹿なことがあるわけがない、と目を丸くしたし、彼女がしくしく泣いている隙に煙草を買いに行こうと玄関を開けたら彼女が、泣いているのに置いていくのかと訴えるように声を荒げたのを覚えている。よく笑うだけじゃなくて、よく悲しんでいたし、よく驚いていたし、でもやっぱりよく笑っていたと思う。彼女は口角をぐいいと上げて、唇は閉ざしたまま、ひどく上品に笑うのだ。そして本当に必要なとき以外は言葉を発しなかった。彼女も僕と言葉が通じないことはよく分かっているみたいだ。
 彼女と出会って間もなく、彼女はどうしても僕に伝えたいことがあるらしく少し早口気味なその言語を丁寧に発音する仕草をみせたことがある。僕はその小さな口からやさしく発音されるその言語の意味なんてなにひとつ分からなかった。ただ彼女が僕に伝えたいことがあるということは汲み取れた。
 ほんとうにそれっぽっちの理解しかし合えないのに一緒に暮らすことになったのが二日前。彼女に家に帰る意思はないみたいで、僕のぼろい四畳半に下宿させているわけである。
 彼女の見目はうつくしかった。白い肌に黒ストレートの髪。目の色もかすかに茶けているだけでひどく日本人らしく在ったから、僕は言葉が通じないという意外性に相当驚いたものだ。しかも彼女の出身はおよそアジア人ではないのだ。彼女の書く文字と言う文字はアルファベット文字にも似た曲線の多い綴り書きで、しかし英語ではない。僕が推測するにギリシア文字のようなものが一番近いんじゃないかと考えている。顔文字に頻繁に使われるような、解読の難関過ぎる文字。むしろデザイン性が強すぎるような印象。そもそも、学の無い自分にはどこぞの言葉であろうと理解することなんて到底不可能である。そしてそんな努力も面倒だと考えているのだから、僕は自分自身がやるせない。

 僕の部屋はいつも暗かった。日があまり差し込まないから、という理由で家賃が格安のアパートを借りているからだ。そしてカーテンをいつも閉め切って、切れた電球はずうっと取り換えなかった。日が暮れると床についたし、日が昇ると目を覚ました。社会に出ていない癖に、とても規則正しい生活を送っているのだ。
 彼女とは同じ布団で寝ていた。日が暮れると本当に真っ暗で、彼女の黒い髪が炭酸みたいにしゅわりと闇に溶けた。コンセントはふたつしかなかったから、僕は携帯ゲーム機を充電していたし、彼女は携帯電話を充電機につないで何やらせわしなくカコカコとメールを打っていた。彼女の国はそんな端末機械が普及しているほど発展しているのか、そしてなぜそんな便利な機械を持っているのにリモコンでテレビを電源を落とすのにあんなに驚いたのか、ふと気になったけれど、ゲームの続きの方が忙しかった。
 やがて僕はそのゲームにも飽きた。セーブもせずに電源を落としたゲーム機が放り投げられて、かたい床にごつんとぶつかる音が響いた。彼女がその音にびくりと反応して僕の顔を携帯の画面で照らしたのに気付いた。僕は言って見せた。
「死にたいんだ」
 この言葉の意味なんて聞こえていないと知っていた。
「僕はとても死にたいんだよ。死にたい」
 だから何回も言った。何回も。何回も。
「死にたいよ。死にたいよ。今日も朝起きて、勤め先に行く用意をする。でも、原付バイクの鍵を手にした瞬間に気付くんだ。ああ、僕仕事辞めたんだってば、って」
 もう自嘲とすら思えなくなっていた、その変な色をした僕の経歴。つい二か月前のことだけれど。
「語りたくないことを語るしかないのかね、だってほら、語ることが他にはないもの。僕はこうして辻褄の合わないものを生産する。そして清算しようとして、嘔吐する。遂に吐瀉物にまみれたものを、薄いビニールで包んで視姦するさ。おお、気持ち悪い」
 携帯の画面の標的が僕から外れた。彼女が僕の事を見ていない。彼女は自分の指先のささくれを眺めている。僕の事を見ることに飽きたみたいだ。それが実にぞくぞくとした。僕の舌が疼く。
「吐きそうになった」
 そのとき、目の前がちかちかとした。彼女の仕業だと僕は思う。
 携帯の画面の光の助けで僕が笑っているのを確認した彼女は、また何か意味のわからないことを言って、無邪気に笑った。僕は彼女のことなんて気にしなかった。
「社会が悪い。社会が悪い。僕は無罪だ。無罪判決で、裁判長が、カンカンカン、ね。じゃあ他に何が悪いって。僕の皮に媚びたゆとりってやつじゃないの。大人がいいようにしたくせに。どうせゆとりは、って。一生その皮を着て、あついあついって泣いて暮らすんだろう。若者はゆとりだから若いんじゃない。若者は若いから若者なんだよ。お前らが幼かったのと同じことだろ。ああ、そして僕はもう社会にすら出てみたくない。健全な両手両足で駄々をこねる。お笑い草だ。死にたい」
 彼女が自分の茶けたハンドバックからおもむろにインスタントカメラを取り出した。そして僕に向かってシャッターを切ろうとする。
「嫌だよ。死にたいのは写さない方がいいんだろう」
 僕が両手で顔を覆う。うつむいたとき、自分の猫っ毛が首筋を這った。彼女がパシャリ、と口で言った。僕が顔を上げる。彼女は空っぽなんだよ、と教えようとするように、空振りするインスタントカメラのシャッターをカシュカシュと指で遊んで見せた。心がちくりと鳴いて、僕は彼女の頭を撫でた。そして人差し指と親指でゆるく、デコピンをした。そこで彼女の携帯が閉じられたことにより微かな光も閉ざされたので、彼女の顔は見えなくなった。

 彼女はこの国の言葉も知らない癖によく外を歩いていた。僕を連れ出してぐるぐると、ぐるぐると。路地裏に住む猫のように。
 僕がぷかぷかと煙草の煙を吸って、玄関先のアパートの鉄格子に寄り掛かりながら、煙草税くらいしかこの国に貢献できることなんかないなあとか思い耽るとき、彼女はいつも突然現れて僕の手を引っ張って行った。まるで人攫いの様に。
「僕は死にたいんだ。」
 突然手をとって走り出すものだから、僕は足がもつれた。もつれながら、昨日の話の続きをする。
「ああ、知っている。そんなことを言う大人は一握りだってこと」
 僕は風を切りながら彼女に言っている。今日はどこに連れていくつもりか。二日前の午前の神社か。昨日の真夜中の幼稚園か。数時間前の寂れた紅葉か。僕は記憶してあるすべてを回想していた。
「そして僕は運が悪かっただけ。そんな大人に取り囲まれて全部投げ出しただけ」
 一握りに一捻りにされたのだ。それにハッと気付いた僕は、笑った。あまりにおかしくて。
「取り返しがつかなくなったんだよ」
 変な水溜りに足をとられて転びそうになった。そんな僕を見かねて彼女ははしるスピードを少し落とした。彼女は安っぽいハイヒールでがつがつと石段を登り、深緑の木々の合間をするすると抜けていく。彼女と繋いだ手のひらがこじれてしまいそうなほどに。
 そうしてひとつ吹きぬけた場所に着いたとき、目前に広がったのは夕暮れだった。
 彼女が連れだしてきた場所は結構な高台で、黒い電車がガタタンと流れ、雲が流れ、ビル街がギラギラ煌めいていくのがこまごまと見える。その景色全体を覆うのがずうっと続く灰色の住宅街と、オレンジ色を敷いた太陽だ。
 そして僕が見たくなかったものはこれだと思った。
 疲れた目で見る沈む太陽のこと。今では得られないもののこと。疲労感もなくしたままの、がらんどうばっかりが頭の中で横たわっているのだ。羨望だ。何もなくなってしまった自分が、机と椅子につくだけでまっとうに生きていられた自分をねたんでいる。いまから取り返すのじゃあ無理なものが、山積みになっている。後悔だ。矛先を器用に替えていたのは自分だ。鋭いものが喉元に触れている。僕は盲目の爛れ者でいたいのだ。それが中々許されないから気分が悪くって、僕は本当に吐くんじゃないかと思った。
 なのにその景色に僕は釘づけになっていた。目頭があついのだ。沸騰したお湯をそそがれているみたいに。ぶおおんと風がさらっていく。かわいい僕のセンチメンタルを。
 息を切らしている彼女はそんな僕を眺めながら、なんでもないように言う。
「******」
 出会った日と同じ発音の言葉だと気付いた。
 だから僕は彼女の頬に爪を立たせた。この口の中に潜む言葉が分かったら。分かったら、どんなにいいことか。僕はこのいつまでも出会えない彼女の言葉が、今さら憎いほどに愛おしく感じたのだ。
 にこやかに笑う彼女が僕に何を伝えたかったのかが、なんとなく分かったような気がした。だから僕は首肯した。涙が零れそうだった。なのに彼女は僕のことなんて気にも留めず未だに指先のささくれを気にしていた。彼女の興味の一切が自分にまとわれていない様があまりに拍子抜けで、涙を溜めていた僕は予感を捨てて彼女のことの一切を何も理解出来ないと思った。彼女はそうしてしきりに指先をいじったあと、はっと思い付いたように僕のことを指さして笑ったのだ。
「***」
 彼女がそう言ったときに、夕焼けの光が彼女の口内を照らした。だから僕は、彼女の舌が埋まってしまいそうなまでに敷き詰められた銀色のピアスを見た。
 彼女の語れない舌はびっくり箱だった。僕は自分が薄皮みたいで恥ずかしく、死ぬことをやめたんだ。
らた
2012年03月12日(月) 16時42分30秒 公開
■この作品の著作権はらたさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
アナフィラキシーっていうものを調べていたんですけど、やっぱりよく分からないので、丁度いいなあと思いました。
足りない部分等ございましたらご指摘してくださると幸いです。

この作品の感想をお寄せください。
No.7  らた  評価:0点  ■2012-03-30 17:54  ID:TdSaDKqK5mg
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HALさん

感想ありがとうございます。
自画自賛なのですが情景描写が少しばかりお気に入りで、
鮮やかと表現して貰えてとっても嬉しいです。
二度おいしいとは、最高の褒め言葉でございます。お話をかきながら、読者さんを裏切れるようにと試行錯誤するという癖、というか趣向みたいなものが自分の中にあります。ひねくれていたいのかもしれません。特別扱いされたいのかも。そう努めてしまうことはやはり幼い部分と思うのですが。
自己嫌悪というのは割とすぐそばにあるもので、書きやすいですね。引き出してもらった文章は、自分が経験したことでもあります。

申し訳ないです、前回の文章はルールを守るのがマナーというニュアンスなのですが、我に返ってみるとルールはルールですよね。
少し時間が掛かるかもしれませんが、他の素敵な作品に顔を出していきたいと思います。最低限投稿作品数、というと消化感覚が否めないのでちょっと勇気を出して出しゃばってみようと思います。お手数掛けてすみませんでした。
ありがとうございました!



陣家さん

感想ありがとうございます。
こちらこそ、陣家さんから頂ける感想は刺激があって、より向上心が沸いて出てきます。感謝しております。
裏切りたいという欲求は依然とあるのですが、しかし色んなところにばらけてしまい収拾がつかなくなり訳が分からなくなるのが自分の文章の悪いところだと思っています。
今回はさらに訳分からないな、と思って必死こいて解釈を書いた次第です。気分は未だに書き逃げ状態です。私は喋ると馬鹿がバレる人間なので最近は特にそんなところが露出しているようでお恥ずかしいです。

ファンタジー板の作品のことでしょうか。まさか自分の小説から派生した作品とは知らず、大変失礼なのですが長編を読み上げるのが苦手という理由で一見してそのままでした。
しかしそうくるととても興味が沸いてきました。是非読ませていただきますね。
読後、拙いかもしれませんが自分なりに感想を書かせていただこうと思います。

無知を晒してしまいお恥ずかしい限りです。
そういった部分に気を使うべきなのが、大人や社会というものですね。社会勉強をさせていただきました。

私事ではありますが、今年に入ってから創作事に興味を持てない、という初めての感覚に出会って、私もいつか作ることを止めるんだという予感と出くわして慌てふためいておりました。ちょっくら休息中な部分もあります。
とはいうもののたまに引っ張り出して添削しておりますので、気長にお待ちいただけると幸いです。変に長くなってしまっている最中です。笑
ありがとうございました!
No.6  陣家  評価:40点  ■2012-03-20 22:51  ID:1fwNzkM.QkM
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拝読致しました

らたさんの文章を読むとなぜか頭がしびれるような気がします。
常に思考の先読みをはぐらかしていくような展開と、触手のように予想の付かない方向に伸びていく言葉の動きにいつのまにか絡め取られていくような不思議な恐怖感にどきどきします。
今作は特に主人公の手を引っ張って街のなかを疾走する描写が走馬燈のように幻想的でスピード感があって、とても良かったです。

そして今回Physさんに宛てた返信を読んで驚きました。
解釈は読者さんにお任せしますね〜 と書き逃げゴメン! なんて言ってたらたさんが、その実しっかりしたバックグラウンドを構築していました、てへっ…… なんていう、ある意味舞台裏を見せてもらえたことで今まで以上にらたさんの作品が好きになりました。

僕はらたさんが天才だなんて思っていたわけではないですが、自分みたいな凡俗な存在とはやっぱり違うなあと思ってはいたので、優雅に水面を滑る白鳥が水面下では必死に足をばたつかせていたような、そんな人並み以上の努力というか、一種の種明かしを見せてもらえたようで、ああ、やっぱりらたさんも人間だったんだなあ、と、ちょっと嬉しかったです。

などと自分にとって大恩のあるらたさんに大きな事を言えた義理はないのですが。
なぜかと言うと、最近書き上げた自分の大量の文章はらたさんの作品から派生した自分なりの日向を創り上げてみた結果ですので。
なんかクトルー神話みたいですね。ワラ
と、番宣はこれくらいにして……(読んでー、と言っているわけではありませんので)

アナフィラキシー 、実際にリアルにこういった症状で苦しんでおられる方がおられることをおもん慮ると、やや取り扱い注意の言葉なのかなと少し思いました。Physさんの言われていた語弊というのもそのことだったのかもしれません。
まあ、何の他意もないことは充分わかるので問題はないと思うのですが。

あ、今回は誤字脱字は見つけられませんでした。ちっ。

そういえば長編はペンディング中なのでしょうか。
気長に待っていますのでじっくりと頑張ってください。

それでは
No.5  HAL  評価:30点  ■2012-03-18 16:50  ID:pYfKTcTFB9g
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 拝読しました。

 心理描写が濃密で、情景が鮮やかで、よかったです。肌に迫ってくるような描写や、文章のリズムもとても好みでした。
 主人公が、社会が悪いと責任転嫁しながらも、それが結局は責任転嫁で逃避なんだと重々承知していて、自己嫌悪に捕まっているところが、なんとも切なくて。へんな言い分かもしれないんですけど、自己嫌悪の強い登場人物には、いつもとても共感してしまいます。

> 今では得られないもののこと。疲労感もなくしたままの、がらんどうばっかりが頭の中で横たわっているのだ。羨望だ。何もなくなってしまった自分が、机と椅子につくだけでまっとうに生きていられた自分をねたんでいる。
 ここがすごく好きでした。

 ……などといいつつ、わたしは素直に彼女が異邦人という前提のままで読み終わってしまいました。返信を拝見して、ああなるほど! と思った次第です。いわれて読み返してみると、なるほどそうかと思って、二度美味しかった(?)です。
 一読めには、彼女の無邪気なようすを素直にとらえて、不思議でさわやかな作品と思っていたんですけど、あらためて読み返してみると、性格の悪いような悲しいような彼女には、また別の魅力があるなと思います。
 いろんなふうに解釈できるんだけど、どう解釈しても味わい深いような作品って、自分では書けなくて、とてもうらやましいです。

 あと、横から差し出口をきくようで大変恐縮なのですが、ほかの人の作品に感想を書くのは、マナーというより、ルールですね。一本投稿したら、最低一作以上、必ずほかの方の作品に感想を書くというルールがありますので、書かないと違反になってしまいます。利用規約の2を改めてご確認いただければ幸いです。
 ……と、全部の作品のコメント欄を確認してまわったわけではないので、もしすでに必要数の感想を書きこまれたあとだったら本当に余計な発言でした、ごめんなさい(汗)

 さておき、楽しませていただきました。拙い感想、どうかお許しくださいますよう。
No.4  らた  評価:--点  ■2012-03-15 18:54  ID:f662hUPkBkI
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太郎さん

感想ありがとうございます!
また渋いお方と同じ誕生日なのですね。
しかし私の中の太郎さんは綺麗な文体なのイメージなのでどこか相反するような印象があります。
そしてなぜ私がオクレ師匠を知っているかと言うと結構テレビが好きなんです。笑

こういう言い方をする語弊があるかも知れませんが、私は「そういうストレートな青春の悩み」の隣で青春の多くを過ごしています。なのでこういう話は書きやすいというか、色々吐露出来て気持ちがよかったりするのです。
しかし太郎さんの意見を聞いてから、こういう系統の話しばかりではなくまた前作、前々作のような作品をよりうつくしく書くことに憧れを抱きました。精進していきたいです。
どきり、としていただけたら最高です。

申し訳ございません。
お恥ずかしながら人様の作品に感想を付けるのは
とても苦手でして避けておりました。
私の所為で流れに悪い空気が流れていやしないか不安に思います。
以後気を付けます、指摘ありがとうございます。
No.3  太郎  評価:30点  ■2012-03-14 12:00  ID:ZBOl5wTs42.
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太郎です。お笑いタレントのMr.オクレと同じ誕生日です。

さて、拝読いたしました。
個人の趣味丸出しですけど、死ぬとか、死なないとか、そういうストレートな青春の悩みは苦手で、
書かれている内容は私としてはあまり共感できなかったです…。
でもすごく良いシーンがあって、オレンジ色の太陽が、夕焼けの光が、口腔に差し込むところとか、
舌の銀色のピアスとか、どきりとしてしまいました。

あと、すっごく余計なお世話かもしれませんが、このサイトにもマナーがありまして、
よかったら、ぜひだれかの作品にらた様のすてきな感想を入れてあげてください。

私の変な作品も詩版にありますので、ご感想いただけたらとてもうれしいです。
ちなみに私のペンネームは「うんこ太郎」です。では。
No.2  らた  評価:--点  ■2012-03-13 23:55  ID:f662hUPkBkI
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Physさん

感想ありがとうございます!
Physさんが嬉しい言葉を言いすぎて私の頬肉が中々下がりません。どうしましょう。
そこの二点は見落としていました。日本語を上手く使えていなくてお恥ずかしいです。再三読み直すことは大事ですね……。

最近のんびりしたものばかり書いていたのでその反動みたいに変なものを書きました。読み返して思いました。
「彼女」についてはご自由でいいんです。もうぎゅいんぎゅいん良いように当てはめてもらって。それでいろんな解釈をしてもらうのが好きです。私は私で答えがあるんですけど、でもそれが正解じゃなくて、あくまで私一個人の解釈だって思います。以下は私の思う「彼女」についてです。辻褄を無理やり合わせるような不自然なものかも知れません。もっとこう、すっとすっきりする、ひとつに気付いたらどんどん連鎖して分かるみたいなのに憧れますね……。
「彼」視点で話が進むのですが、なにも「彼」の見解が正しいわけではないと思うんです。
彼は彼女が日本語の理解がないと思ってますが彼女は日本語を理解出来ます。多分喋れます。それでわざわざ閉ざした口です。むしろ彼女は伝わらないように努めたのかもしれません。自分は置いといて、誰かを笑いたい。みたいな。自由でいたい、とか。理解がないと思っている彼を弄んでいたりもします。時折日本語ともう一つ扱える言語をシフトチャンジしてみたりとか。
リモコンでテレビの電源を消して驚くのも、もうそんなはやくねるの?とか別の理由を想像してもらえると。
ピアスとかって、お洒落で開けるイメージがあるじゃないですか。顔や耳や見えるところにするものですけど、あまり見えない部分に大量ってことは自傷行為って感じがするんです。そういう風に取り扱うとすると、彼女が彼に抱いているのは同属嫌悪で、自分に似た彼を救いたいという気持ちがちょっぴり。日本語以外にも使える言語があって、多分学があるのに、転落した取り返せない自分のようなしがらみがあるんです。色々連れ回して、でもやっぱりよくわかんないから「(ここで)死ぬ?」なんて聞いてみた。みたいな感じで。
気付いたかも知れませんが、この作品の説明部分の言葉は「******」なんです。ふふふ。自分の言う言葉が彼に伝わらないのを知っているので、彼女の発言は自慰的な意味があります。それから何にも分からない彼をあざ笑うのと。あかるく伝わらないものを言ったんです。
最初、
>「***」と言って笑った。多分、同じね、なんて言ったんだろう。
みたいな終わりにしようかと思いましたが、なんだか消失点がより迷子になる感じがしたので変えました。こちらのほうが分かりやすかったかもしれませんね。
つい長々と書いてしまいましたが、妄想力をすこぶる使用していただけたら幸いです。


二度触ってみるとより反応を起こすって、なんか変じゃないですか?人間って一度触れたら何でも体内で抗体つくるもんだと思ってたので違和感があるんですよ。ただの思い込みでもありますかね。

松嶋菜々子さんですか。羨ましいですね。でも私はくまのプーさんと一緒なんですからね。えへへん。笑

読み応えがあるとはとても素敵なお言葉です。すごく嬉しいです。重ねるごとに精進出来たら、と思います。
ありがとうございました!
No.1  Phys  評価:40点  ■2012-03-13 21:41  ID:GlNrP1Xmu4s
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拝読しました。

こんばんは。
やっぱりらたさんの文章はいいなぁ、と思いました。自分の世界観をきちんと
持って書かれているのが伝わってきます。私の中には特にこれといって世界と
呼べるものはないので、羨ましいです。

相変わらず、表現はもう文句なしに良かったです。ただ、
>彼女の見目はうつくしかった
>解読の難関過ぎる文字
の二つは、『見た目』、『難解』の方が違和感なく読める気がしました。

本作で特にいいなぁと思ったのは、結末の
>彼女の語れない舌はびっくり箱だった
でした。こんなの私じゃ三回くらい生まれ変わっても書けないです。誕生日が
一日違うだけでこんなに才能に差が出るなんて、神様は不公平ですね……。
でも、私の誕生日は松嶋菜々子さんと同じだからいいのです。くやしくなんか
ないです。笑

それと、ちょっと内容についてお聞きしたいことがあって、
>だから僕は、彼女の舌が埋まってしまいそうなまでに敷き詰められた銀色のピアスを見た
この場面についてです。彼女が日本語をしゃべれなかったのは、舌がピアスで
埋まっていたからであって、外国語を話していたわけではない、と理解したの
ですが、良いのでしょうか??

いずれにしても、読み手に解釈を委ねるらたさんのスタイルは、一筋縄では
解けない知恵の輪のようで、読み応えがあります。次回作も期待しています。

また、読ませてください。

P.S.アナフィラキシーとは、いわゆる『反復感作』です。『過剰反応』
    とかでもいいかもしれないですけど。(ちょっと語弊があるかも)
総レス数 7  合計 140

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