サイドミラーの男
サイドミラーに…食らいついてる妙な男がいる。
俺が車を動かして既に3時間経つのだが、初めからこいつは食らいついていて、動かしゃこいつも諦めるだろうという思惑もはずれ、今もこうして俺の車のサイドミラーに食らいついているのだ
「おい、お前、さすがに諦めたらどうだ?さすがにあごがもたないだろう」
…。もちろん返事はない。なぜなら、男は文字通り<食らいついてる>からだ
「なんだってんでお前はそんなことをするんだ。一体俺に何の恨みがあるんだ。俺はお前のことを知らんぞ。」
無論、それでも男は食らいついているのであるが、諸々の言葉や罵倒が
さすがに3時間も経てば効いてきたようで、顔はやや紅潮してきて血眼の体を晒している。
「お前なあ、人生は選択の連続だよ?分かってるか?一つのことを選択するということは、その瞬間、他のあらゆる選択肢を捨てているということだ。お前なあ、さすがに空しくないか?お前の選択は、それ、だぞ?」
「ぷふっ!」
噴き出してしまったサイドミラーの男、その言葉を聞き、今行っている自身の所業が途端に滑稽に思えてしまったのだろう、
その噴出した瞬間に、つっかかっていたサイドミラーから口がはずれ、男は車道へと放り込まれてしまった。
もちろん男は即死なのであるが、辞世の句が「ぷふっ!」とはいかなることか、一体どんな人生送ってきた男なのやら、知れませんがな
もぶ
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2011年09月20日(火) 01時33分11秒 公開
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No.2  YEBISU  評価:0点  ■2011-10-02 16:28  ID:AdjJZ9RooXE
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読ませていただきました。
なんだか、シチュエーションドラマのワンシーンというか、これだけでは物語として成立していないという気がしました。
食らいついている男に対して何の説明も無いことは、おそらく意図的なことと思うのですが、それでもやはり、少しぐらいはそのバックグラウンドを読者に想像させる記述があっても良いのではないかと思いました。
以上、辛口ですいません。
No.1  陣家  評価:10点  ■2011-09-21 00:28  ID:1fwNzkM.QkM
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拝読させていただきました。
陣家と申します。

いわゆる寓話っぽいドタバタギャグってかんじですね。
最初は乗り物にとりつくグレムリン的な妖怪の話かなあ、と思ったんですが、不条理系の寓話的ギャグだったんですね。
男をひきずったまま車を発車させた時点で未必の故意じゃん、ってな突っ込みはおいといて。
もう少しあいだにギャグ要素が欲しかったですね。男をなんとか振り落とそうとする努力のバリエーションが。
可倒式ミラーでいっしょにパタパタさせてみるとか。同乗者保険に未加入であることを告げるとか。
ラストもばかばかしさが今ひとつのように思えました。

自治厨みたいに思われそうで、あんまり言いたくないんですが、このサイトの利用規約や、文章作法テンプレートなどの一読をお奨めします。
たぶん、数え役満レベルで反してるような気がしますので。

それでは
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