天との会話
それでは聞きますが、あなたの生きる目的は何ですか?

「この世に生を受けた者として、私に授けられた可能性の出来る限りを生かしてゆきたいのです」

あなたにはどんな可能性が宿っておられますか?

「分からないのです。私の命にどんな可能性が宿っているのか」

あなたは自分の可能性を生かせる物事に未だ出会っていないのですね?

「そうなのです。それでも、それが何であるかを見つけ出すことも生きる目的の一つですわ」

それでは毎日、全力を注いでそれを見つけ出そうとしているのですね?

「はい。しかしながら、それを見つけようとするだけでは、生活が成り立ちませんの」

生活と、生きる目的は別だと仰るのですか?

「そうではありません。生活は生きることそのもですから。それでも私の可能性は未だお金を稼ぐことは出来ませんの。
だってその可能性が何かが見付かっていないのですから」

それではあなたはどのように生活しておられるのですか?

「一旦は可能性を探ることは保留しましたわ」

探ることを保留するだけで生活が出来るのですか?

「それはまったくもって違いますわ。それだけでは生活出来ないので、お金を稼ぐ道を必死に探しましたの」

それはどのような道でいらっしゃるのですか?

「お花を売る仕事でございます。綺麗に咲き誇ったお花を買いに来て下さるお客様は、みなさんそれこそ花開いたような笑顔をして買って下さるの。
ときどき哀しい顔をしているお客様もありますわ。それでも大切な人に送るために求めて下さるの」

それは素晴らしい。あなたは確かにあなたの可能性を生かしていらっしゃるに違いませんね?

「確かにそれで生活できることはとても感謝しております。しかしながら、美しく花開く自然の超絶なる可能性に助けられているだけではありませんかと不安になることがありますの」

あなた自身が自然の中から生まれ、自然に育まれたのですから、助けられていることに後ろめたさなど感じずに、もっと感謝されたらいかがですか?

「はい、自然の摂理には驚くばかりで感謝ばかりしております。それでも、それだからこそ、私は美しい花になりたいと願うのです」

あなた自身は、きちんと生活をなされているのに、蕾のままだと仰るのですか?

「はい。蕾のままの私が、自然の理によって美しく咲きほこったお花をお届けしているにすぎませんわ」

あなた自身が花開くためには何が必要だと感じているのですか?

「たっぷりの日差しと、お水が必要ですの」

あなたはお花を売ったお金で、充分なお食事を召されているではありませんか?

「身体は満たされておりますの。それでも私は人間ですもの、私は心を咲かせたいのです」

素敵な恋をされたいのですか?

「私を好いていただく方はいて下さるの。本当に感謝申し上げますわ」

あなたはそれ以上の何を求めているのですか?

「私を好いていただいている理由が分かりませんの。私は花開き、そして種を実らせる可能性を持っていますわ」

お子様をお産みになりたいの?

「可愛い赤ちゃんは授かりたいわ。しかしながら、私は肉体としての子孫を残すと共に、私の精神を残したいと切に願いますの。

あなたの赤ちゃんはあなたが教育するのですから、それはあなたの精神が受け継がれることにならないのですか?

「その精神を受け渡す前に、私の精神を可能性のある限りに高めたいのです。

精神と言われましても、いろいろな意味がありますが、あなたは精神をなんだと考えているのですか?

「綺麗な物を見、美しい旋律を聴き、愛する人と笑い合い、哀しみに涙を流し、それらの感情を伝えられるだけの言葉がほしいですわ。

あなたは今、それらを感じることが出来ないのですか?

「私は、ある時に愛する人を亡くしてから、それらを感じる精神を失ってしまいましたの」

哀しみに暮れているのではないのですか?

「あまりの重大な出来事であるがゆえに、哀しみすら感じなくなってしまいましたの。
私は心を取り戻したいのです。私の中には素晴らしい感性という可能性が残っていると信じておりますから」

あなたは身体が緊張しておられるようですから、身体を伸ばしてみたらいかがですか?

「そうですか。それならヨガをしてみたくなりましたわ。この緊張から解き放たれ、自然の一部である私の感情を花開かせて、そしてそれを伝えてくことがいつか出来るでしょうか」

やってみたらどうです。きっとあなたの可能性が実るでしょうから。
せいら
2011年08月16日(火) 04時16分00秒 公開
■この作品の著作権はせいらさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はじめまして、せいらです。

ヨガを通じて心を開いていく過程を表現したいというコンセプトで、その触りを掲載しました。

ご興味がございましたら、感想等いただけたら嬉しい限りでございます。

この作品の感想をお寄せください。
No.4  せいら  評価:0点  ■2011-08-18 16:30  ID:WNuKAxdOBio
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山田さん、

コメントいただきありがとうございます。
推敲不足はお恥ずかしい限りです。
確かに、ヨガを始めるまでの過程ですね。しかもなぜヨガに惹かれていったのかも全く書かれていないので、駄目ですね。なんと言うか、普通に生活をし、特に不自由のない暮らしをしている人でも、自己実現の道を探して悩んでいる様を表現したかったのかもしれません。

再度練り直して投稿したいと思いますので、その際はまた宜しくお願いします。
No.3  せいら  評価:0点  ■2011-08-18 06:29  ID:OpX6EMnJLKs
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陣家さん、

コメントいただきありがとうございます。案内パンフレットとしてでも形になるよう頑張りたいと思います。私自身、ヨーガについてはあまり詳しくないのですが、勉強でも仕事でも、また創作活動を行うに当たっても、精神的なものを高め続けることがとても大切だと思っています。身体を鍛えることは出来るけれども、精神的なものや情操的な面を鍛える場合どうしたらいいのだろうと考えた時に、芸術に触れることや社会の一員といて働くことはもちろんのこと、自分の内面を観ることが必要だと感じました。世界一般的には宗教とかそういうことになるのかもしれませんが、日本では抵抗があって、ヨーガもヒンズー教だのと深い関わりはあるかと思いますが、科学としてのヨーガを学び創作活動に生かしてゆきたいと思いました。もう少し物語性を持たせるように工夫しようと思います。

ありがとうございました。
No.2  山田さん  評価:20点  ■2011-08-17 22:56  ID:iNA2/rsuwOg
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 拝読しました。

 ヨガに関しては知識も全くなく、興味も全くない人間の感想だと受け取ってください。
 
 メッセージに「ヨガを通じて心を開いていく過程」とありますが、僕の受けた印象だと「これからヨガを始めるまでの過程」なのかな、といった感じでした。
 そうすると「なんでこの女性はヨガを選んだのだろう」というのが、文章からはあまり感じることはできませんでした。
 もしかしたら「あなたは身体が緊張しておられるようですから、身体を伸ばしてみたらいかがですか?」という一文にそれが集約されているのかも知れませんが、やはりその一文だけでは、少なくとも僕は導かれなかったです。
 前出したように、ヨガに関して全くの門外漢ですから、このような受け取り方しかできなかったのかも知れません。

 あとは気になったのは、ちょっと推敲不足かな、ということでした。
 閉じかっこ(”」”のことですね)があったり、なかったり、脱字が少々あったり。

 ということで、役にも立たない感想で失礼しました(汗)。
No.1  陣家  評価:40点  ■2011-08-17 21:27  ID:1fwNzkM.QkM
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拝読させていただきました。
陣家と申します。

一読してQ&Aで書かれた案内パンフレットにしか見えない内容はともかくとしてヨガ(正しくはヨーガですね)について思うことを少々。
最近街で目に付くのはホットヨガとかフィットネス系ヨガばかりなんですが、こういうところは大抵男女別々、というか女性専門なんてとこ
も多いですよね。(本作では赤ちゃん云々とあるのでマタニティヨーガの一種でしょうか?)
もともとヨーガって宗教的な修行の儀式から派生してきたものですし、精神的な鍛錬、チャクラの解放とかカルマの滅私なんかを目的にして
いるなら、そもそも男女別にするなんて、それこそカルマや煩悩を最初から肯定しているようにしか思えないんですよね。
その辺のヨーガのコンセプト的なところま掘り下げて案内して頂ければもう少し興味が持てたかと思います。

ただ自分的には、本作自体は資料的情報価値としてかなり高いと思いました。
例えば、若妻が夫を納得させるときの場面に熱弁を振るう妻の片手に握られている小道具的なパンフレットとして登場しそうです。

読ませて頂いてありがとうございました。
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