置いていくもの


 暗い道の袋小路にひっそり、と、喫茶店のようなものがある。
 そのお店の棚には古物が並べられていて、それは持ち帰るのも自由だし、持ち込むのも自由だ。古物は種類を問わない、現に什器もあるし、本もあるし、洋服もある。使わないもの、使わなくなったものであれば何でもよくて、雑多になりがちで、おもちゃ箱みたいになっている。それを眺めながら、お茶を飲むことができる。
 先輩は、この棚をひとの記憶だ、と例えたことがある。店主はそれを聞いて満足そうだった。始めて、私が先輩に連れられてこのお店に来たときのことだ。その訳の分からない言葉で通じあう二人に、私は不機嫌になった。それが切っかけだったと思えば、目の前の棚は懐かしさにあふれている。
 大学の講義が終わってから、私は、夜が更けるまで、ここで過ごしている。癖になったのだ。このお店のことを教えた先輩は、今年の春に大学を卒業して、東京でサラリーマンをしている。それから時間は過ぎて、もう秋で、先輩との連絡は月に一度のメールか電話にまで減っている。来年には、私も大学を卒業して東京に行く、先輩のあとを追うのは予定していたことだ。けれど、まだ何も具体的な話は決まっていない。その気配もない。
 今年の春の感情は何だったんだろう、と思うと、自分は子供なのだ、と、結論がでる。感情的で、感傷的で、それを認めるのは癪で、面白くもない。
 目の前に置いたコーヒーカップの空いた底をじっと見つめる。さっき日が暮れたばかりの時間だと、お店には私しかいない。去年までは私と先輩とがいて、店主と他愛もない話をしたり、大学の課題をやったりしていた。
「難しい顔だ」
 と、店主の声がして、空になったカップにコーヒーが注がれる。香ばしい匂いが散る。
「あと少ししたら、十一月ですよ」
「最近は冷えるねえ」
「あと、五ヶ月したら卒業するんですよ」
「ああ」
 と店主は始めて気づいた、と、声をもらして、
「もうそんなか。言われてみれば、ずいぶん垢抜けたじゃないか、きみも」
「去年、先輩に同じことを言いましたよね」
「そういうものなんだよ」店主は目を細めて「年を取るとね、時間の流れが速くて、にぶくなるんだよ」
「そういうことにして、おきましょう」
「最初にこのお店に来たのは、そうか、三年前の夏かな」
「先輩に連れられて」
「居着きそうにない、と思ったけれどすっかり常連になって。いや、寂しくなるね」
 そういって店主は自分のカップも取りだして――誰かがこのお店に持ちこんだ古いコーヒーカップで、掴むところがすりへっている――そこにコーヒーを注ぎ、ミルクをいれて、砂糖を何杯もいれる。甘ったるそうなコーヒーをつくると、一口のんで、
「先輩とは、東京でいっしょに暮らすのかい」
「それは、ちょっと分からない」
 私はコーヒーを口にふくんだ。苦くて苦い、という顔をする。ひとからそのことを改めて聞かれると、転落するような不安な気持ちになる。
「そっか、まあ、そういうものかもしれないね」
「そうですね」
 鼻先が急に痛くなった。カップをテーブルに置くと、私は肘をカウンターに立てて、手のひらに目を押しつけた。
「そうですね」
 と、もう一度くりかえした。カウンターの向こうで店主が動く気配がする。そばに来るのか、と思ったけど、そうでもない。なにやらごそごそと棚を整理するような音がした。それから、あった、と小さな声がして、人の気配が私の隣にすわる。
「これをあげよう」
 自分の手から顔をはなすと、店主がそばにいて、一枚の封筒を差しだしていた。
「何ですか」
「この店の古物だよ」
「確かに古そうな封筒ですが」
「うちには必要のない古物を自由に持ち込めるし、うちにある古物がそのひとにとって必要なものであれば自由に持ち帰れる」
「そういえば、そんなのもありましたね」
「ありましたね、っていうのは酷いな。うちのコンセプトなんだよ」
 店主から封筒を受けとる。店主は窓の外に目を向けている。私は封筒の裏表をながめる、そこには宛先も書かれているし、差出人も書かれている。知らない住所で、知らない名前で、ただ消印だけがついていない。封印はしっかりとされている。一度も開かれたことがないようだった。
 店主が立ちあがる。喫茶店の扉が、からん、と音をたてて開いた。二人連れのお客がやってきた。女の子の二人組で、仲良く腕をくんでいる。一人は片手に荷物のつまった紙袋をさげていた。
「マスター」
 と一人がいう。
「これ、お店に置いてもらっていいですか」
「いいよ。来るもの拒まず、去るものは追わずだからね。適当に並べておいて。……コーヒーでいいかい」
「はい」
 と、二人はお店の奥に入っていき、紙袋の中身を棚に置く。食器だったり、文房具だったりと、内容はやっぱり雑多だ。
 二人は荷物を片付けると、私の隣にすわり、肩を寄せあう。
「マスター、私たち一緒に住むことになりました」
「へえ」
 と言いながら、店主は二人の前にコーヒーカップを二つ並べる。
「よかったじゃないか。念願の同棲生活か」
 はい、と二人は答える。
 私は居心地が悪くなってきて立ちあがる。店主は少しだけ困った感じのする笑顔をして、コーヒーの値段を私につげる。隣の二人組は、少し不思議そうな顔をした。
「いつも閉店までいるのに」
「今日はちょっと用事があるのよ」
「あ。東京のカレシさんですか」
 私は思わず笑いながら、
「そうね」
 と答えて、コーヒーの代金を払い、お釣りを受け取ると「またね」と店主と二人組みに告げてから、お店を出た。
 最初はゆっくり歩きながら、真っ暗で周りのよく見えない道を進んで、だんだんと足に力がこもってきて、走るようになって、気づけば肩で息をしながら、狭い下町の道を走って自分の家に戻っていた。
 玄関に飛びこんで鍵をかける。ワンルームの狭い部屋で、一人になると、よく分からない声をあげて泣いた。衝動的に携帯電話を取りだすと、アドレス帳の先輩の記録を見つけて、削除ボタンを押した。
 削除しますか、と携帯電話に念を押される。指が震えて、何もできなくなる。いいえを押した。鞄に手をのばして、ティッシュを探る。目から涙がこぼれて、口に入ってくる。ティッシュといっしょに封筒が引っ張りだされる。鼻にティッシュを一枚あてながら、封筒を見つめた。
 出されることもなく、必要がないと判断されて、お店の棚に並べられた封筒だ。差出人の名前は男で、宛先の名前は女で、まあ、つまり、そういうことなのかもしれない。そういうことなのだ。いや、ぜんぜん意味が分からない。
 店主は、この封筒は中を読んでほしくて、私に渡したのだろうか。あのお店の棚には必要のないものが並んでいる。必要なものがあったら持ち帰っていい。棚には誰にも必要とされないものばかりが残されていく。さっきまで、この封筒もそうだったのだ。
 私は便箋――使うこともあるだろう、と大学にはいったときに買って、そのまま机の引出しに入れっぱなしにしていた――を取りだして、そこに東京にいる先輩にあてた文章を書きはじめた。なんで電話してくれないんですか、なんでメールをだしても返事がなかなか来ないんですか、月に一回は会いたい……。
 恨み言ばかりになった手紙を私は封筒にいれ、しっかりと糊づけした。差出人を書いて、宛先を書いた。でも、出すつもりはない、けれど、必要ないわけでもない。
 しばらく手元に置いておこう、と思う。必要なくなったら、店主からもらった封筒といっしょに、あのお店の棚に並べるのがいいかもしれない。
 先輩はあのお店の棚をひとの記憶だ、と言ったけど、私は違うと思うから。何年かして、その未来はもう分からないけれど、またこの町に戻ってきて、お店に行って、コーヒーを飲みながら、この二つの封筒を見ることができたら、きっとその未来がいいと思うのだ。
tori
2011年08月15日(月) 00時45分04秒 公開
■この作品の著作権はtoriさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ

 たまには、甘ったるい話もいいと思うんです。って、何のこっちゃですね。
 よろしくお願いします。

(2011/8/15, 投稿)

この作品の感想をお寄せください。
No.12  tori  評価:0点  ■2011-09-04 00:37  ID:S6SCLCl937.
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HALさん

いつもありがとうございます! そして、身に余る好評価・・・穴をほって埋まりたい衝動にかられます。

なんていうシンクロ! と作者なのにHALさんの感想を読んだ感想です。ほぼHALさんの指摘されたとおりの設定なわけですが、やっぱり私が書く話の癖をご存知だからなのかな、とも思いました。
つまり、マンネリから抜け出せていないよな、と思ったりします。がんばります。

以上です。
ほんとうにいつもありがとうございます!
No.11  HAL  評価:50点  ■2011-09-03 19:51  ID:VTNJW6kplLg
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 遅くなりましたが、拝読しました。

 わたし、このお話、すごく好きです。美しくて、苦くて、切なくて、甘い。どっぷりひたって読みました。静かなトーン、全編を通して漂う感傷のにおいと、後半の切なさがたまらないです。

 わたしは「遠距離恋愛中の恋人同士、ただし自然消滅寸前」と思って読んでました。
 わざと曖昧に書かれた部分も、むしろ想像する楽しみであったと思います。(とはいえ、すでにtori様ファンなわたしは、「tori様の作品の楽しみ方(自分流)」みたいなものがなんとなく下敷きにあるので、客観的な意見かどうかは自信がありません……)

 男女については、わたしはそれほど迷いませんでした。先輩に連れられて、で、おそらく主人公が女性で、先輩がその彼氏だろうなと、確信にいたらないまでもなんとなく思って。「サラリーマンをしている。」で男性というのはわかったし、「〜にまで減っている。」で、やっぱり、おそらく恋人同士なんだろうなというのも。
 ただ、一瞬ちょっと迷ったのは、「先輩に同じことを言いましたよね。」のところでした。ここで「ん? 先輩ってもしかして女性?」と、ちらっと思ったのでした。
 で、あとで戻ってみたら、サラリーマンって書かれていたので、やっぱり男性でよかったんだと。

 堪能させていただきました。
No.10  tori  評価:0点  ■2011-08-28 21:54  ID:nyv4PhU4HKM
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 百舌鳥さん、いつもありがとうございます。
 そして、四捨五入ありがとうございます!

 今回の失敗点は、やっぱり伝えきれてないというか、描ききれてないというか、そういうところですね・・・。
 主人公とその周囲の人物たちの関係性が分かるように、もう何エピソードか挿入すべきだったのかな、と思います。というか、主人公の性別をふくめて、それを伝えるための小さな物語が必要ですよね。

 自戒します。

 では、これからもよろしくお願いします。
No.9  百舌鳥  評価:40点  ■2011-08-26 04:11  ID:tODFVkrTju6
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感想を書こう書こうと思いつつ、どう書いて良いやらと途方にくれておりました。どよーん。
 
テーマも設定も面白いと思うのです。が、残念ながら鳥瞰図を手にしているのは作者だけなので、
読み手は断片的なヒントを貰いながらのオリエンテーリングだったなぁと。そこが残念でした。
全てを把握している作者が描写のバランスを誤ると、ミスリードが起こります。ミスリードが起こると、
作者の意図したようには、読み手は楽しんでいません。
出されなかった手紙、出さなかった手紙の使い方が巧かっただけに、惜しいです。
てゆーか、長く書ける話を端折るから(ry

辛口評価でしたが、店を出てからラストまでが、ほろ苦いのに甘ったるくてとても美味しかったので、
点数は35点かなぁ。しかしそんな配点はないので、四捨五入で繰り上げて40点つけちゃえw
 
No.8  tori  評価:0点  ■2011-08-20 20:55  ID:yC4Zy7uu51I
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 作者です。
 感想ありがとうございます。
 今回もだと思われますが、やっぱり説明ベタが目立っていました・・・。
 それでは個別に。


> 陣家さん

 ありがとうございます。主人公の性別は本当に説明が足りないというか、描写が足りないというか、色々不足しています。
 もっと女性っぽさを滲ませられればよかったのですが、うまくできていませんでした。

 次はもっと何となく主人公の性別だとか、正確だとか、人物同士の関係性だとかが分かるように努力します。

 以上です。これからもよろしくお願いします!

> ゆうすけさん

 ありがとうございます。
 貴重な感想ありがとうございます。手紙の部分のくだりは、もうちょっと噛み砕いたほうがよかったかもしれない、と思っています。でも、あまり書きすぎると、桜を見て綺麗、と言うぐらい無粋になってしまうので塩梅が難しいですね・・・。

 テーマというか全体をつらぬく何かを冒頭から示していたら、ちょっとは変わったのかしら、と思いながらも、分かりやすさと感じやすさは違うので、やっぱりそれも難しいですね。

 以上です。これからもよろしくお願いします!

> 山田さん

 いつもありがとうございます。
 いっそBLのほうがよかったかもしれねえ、と思ったりしました。今度はゲイとまでは行かなくても、百合とかBLぐらいの軽めの同性ものを書いても楽しそうな気がしています(ぇ

 輪郭がぼやけてしまっているのは、ぼくの実力不足です。雰囲気を出しながら、ぼやけていて、かつ、実体とかリアリティのある描写ができるようになりたいです。

 以上です。
 これからもよろしくお願いします!

> 藤村さん

 いつもありがとうございます。チャットでお世話さまでございますが、ぼくはぜんぜん怖くないので、いつでも飛びこんできてきてください。
 でも、藤村さんをもっと怖がらせるお話をいつか書いてみたいものです。

 では、これからもよろしくお願いします。

> ナツさん

 感想ありがとうございます。
 本当に言葉足らずな作品で、穴があれば入りこんでじっとしていたいぐらいです。
 やっぱりその分からない部分については、本当にもっと言葉を重ねるべきでした。というより、私と先輩との過去の回想はもっと入れてもよかったな、とか。

 以上です。これからもよろしくお願いします。

> おさん

 かみまみた。

 と、さて。ああ、過去は過去ですね。じっさい主人公の性別を描写というか、心理の動きとか仕草なんかで伝えられなかったほんとに、ぼくの劣化かもしれない。
 失ったものは二度と戻らないのさ、と、寂しく思いながら。

 これからもよろしくお願いします。

> Physさん

 ありがとうございます。
 共感いただいて、とても嬉しいです。いや、内容的には嬉しいというのは似あわないのですが、ええ、まあ、作者としてはやっぱり舞い上がります。

 切なさ、だけを伝えるのは掌編ならではですね。これに重みを足したりして、深みを出すにはもっともっと枚数が必要ですし。そして、その枚数を書くには、きっとぼくの根気はあまり足りてない。

 では、これからもよろしくお願いします!
No.7  Phys  評価:40点  ■2011-08-20 19:37  ID:K6BykC50GXk
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拝読しました。

なんだか、他の方の感想を読んでみると、何人かの方が性別に関して混乱して
いたようですね。幸い私は正しい(と他の方の多数意見から判断される)話と
して受け取れました。なので、とても主人公の心理には共感が持てました。

>そのお店の棚には古物が並べられていて、それは持ち帰るのも自由だし、持ち込むのも自由
こういう冒頭は好きです。喫茶店で在りし日の二人のことを回想する「私」の
現在や、仲睦まじい二人の過去といった情景が浮かんできて素敵でした。
喫茶店という舞台設定は、懐かしさを演出する常套手段ではありますよね。

>宛先も書かれているし、差出人も書かれている。知らない住所で、知らない名前で、ただ消印だけがついていない
記憶の棚に置かれた手紙。誰にも受け取られることのなかったメッセージなの
ですね。別れの予感を感じていた彼女は、自分の抱える想いもまた、いずれは
そこに並べられると思ったのでしょうか。狭い下町の道を走って帰った「私」
がどんなことを考えていたのか、想像をかきたてる描写だったと思います。

こういうお別れの物語は雰囲気だけでやられちゃいます。掌編だからこその
切なさに感じ入ることができました。

また、読ませて下さい。
No.6  お  評価:30点  ■2011-08-20 02:11  ID:E6J2.hBM/gE
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よみまみた。
書き込みの加減がどうとかということよりも、最性器の君なら人物の性別、とりわけ主人公が女性であることを覚らせないなんてことはなかっただろうなぁと懐かしみながら。
いや、わからんけど。
No.5  ナツ  評価:20点  ■2011-08-17 17:18  ID:r7ET0bI3LRU
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拝読させていただきました。

私も主人公の性別とか先輩との関係というかなんか……色々わからず、最初に主人公が女性というところまではわかったのですが、先輩の方はどうなのかと悩みました。
>垢抜けたじゃないか
>先輩にも同じこと言いましたね
の会話で先輩は女かな?と思い、ポヤ〜っとそのまま読み進めていたら女の子二人とマスターの会話で「同性愛者?じゃ、先輩もやっぱり女の人か」と思った後の彼氏さん発言は二度ほど読み返しました。
私の読解力その他が乏しいのもあるとは思いますが、なにかもう少し主人公や先輩の描写がほしいと思いました。
それから上記のこともあって頭が他のことを考えていてうまく読めなかったんだと思いますが、主人公がどうしてそういうふうに考えるのか、とかよく解らないところが多かったです。

失礼しました。
No.4  藤村  評価:30点  ■2011-08-17 02:13  ID:a.wIe4au8.Y
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拝読しました。
数行読んでせつない話なのかなとおもったら最後であまったるいとおっしゃっていたので、それはすみません、おかせていただいて、とにかく拝読しました。
一箇所びびびと思ったところがあって、そこがとてもこわかったです。こわいので胸のなかにしまっておきます。
タイトルがとてもよいなとおもいました。ぼくはタイトルがとてもよいなとおもいました。そこはおそろしかったです。
No.3  山田さん  評価:30点  ■2011-08-16 23:41  ID:iNA2/rsuwOg
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 拝読しました。

 陣家さんのレスを読んで、ほっとしました。
 何故なら僕も途中まで「あれ、BL作品?」と勘違いしながら読んだからです。
「先輩とは、東京でいっしょに暮らすのかい」の箇所では「男性同士の同棲か!」と勘違いし、「よかったじゃないか。念願の同棲生活か」の箇所では、やはり同性愛者の物語か、と重ね重ね勘違いしてしまった次第です。
 ってことで、陣家さんに一言「あなただけじゃないですよ」。

 僕もかなり思い込みが激しい人間ですから、もしかしたら他の思い込みが激しい人間も同じような勘違いをするかも知れないですね。
 できれば物語の早い時期に性別をきちんと明確にできる描写なりが欲しかったように思いました。

 それと、もう少しこの女性(女性ですよね?)と男性の関係の情報が欲しかったかなぁ。
 二人の姿を遠くからぼんやりと眺めているようで、なかなかに輪郭や表情がうまくつかめなかったように思います。
 まぁ、僕自身、読解力の貧相な読者だと自覚しておりますので、偉そうなことを云々とは言えないのですが(汗)。

 失礼しました。
No.2  ゆうすけ  評価:30点  ■2011-08-15 15:05  ID:6m2MqnoU.ZU
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拝読させていただきました。

私の見解を示しますね。
友人以上恋人未満、或いは幼馴染、仲は良いけど特定のラインは越えていない先輩と主人公。先輩は男で主人公は女の子。先輩は既に社会人として活動するけど、主人公は未だに自分の位置が定まらず不安な日々。いつも一緒にいた喫茶店、今では一人きりで寂しい。ゆえに同棲かという言葉に過敏に反応。店主に、先輩のことを彼氏と言われて寂しい気持ちが爆発。
 でも、すいません。店主に貰った封筒の意味がいまいちよくわかりませんでした。新しい所に旅立てという意味なのでしょうか?
 最終部分で先輩への想いが描かれていますが、そこにいたる道しるべのようなものが冒頭にあるともっと分かりやすくなるかなと思いました。
 毎度、役に立たない感想で申し訳ないです。
No.1  陣家  評価:30点  ■2011-08-15 07:56  ID:1fwNzkM.QkM
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拝読させていただきました。
陣家と申します。

この作品を読ませていただいて、自分、本当に読解力が欠如してるなあ、と思いました。

ええっと
理由と言い訳を書かせてもらうと
まず冒頭からの先輩と私という人称から彼氏彼女の関係ということが読みとれなかったという事が一つ。
私と言う人称から主人公が女性ということが読みとれなかったことが一つ。
あと勝手に主人公の悩みはこの就職難の時代、卒業=就職と言うことなのかなと勝手に思いこんでしまったのが最大のミス。
で、

>「先輩とは、東京でいっしょに暮らすのかい」
というマスターのセリフで
ん? 同じ会社の社員寮でルームメイトにでもなるのかな?
とぼんやり思ってしまった後

>鼻先が急に痛くなった。カップをテーブルに置くと、私は肘をカウンターに立てて、手のひらに目を押しつけた。
あれ? なんか女々しい男だな、と思ってしまい

店に入ってきた女の子二人が一緒に住むことを告げたことに対してのマスターのセリフ
>「よかったじゃないか。念願の同棲生活か」
え? この喫茶店って同性愛者の憩いの場的な場所?
と、なぜか思ってしまったことです。
その後の彼氏さん発言で、げ、しまった、とすぐ気が付いたのですが。
いや遅すぎるんですが。

本当にすいません
でももしかすると、ひょっとすると100人中1人ぐらいは同じミスリードをしてしまうような人が、
ぼんやりと眺めるように読んでしまう人が、
あるいは存在するかもしれません。
いないか?

なので、僕のように思いこみの激しい、ぼんやりさん読者でもあほな読み違い無く読み進められるような描写をちょっとだけでも
いれてもらえればこのような不幸な事故は起きないだろうなと思いました。
いや、ほんと自分だけかも知れないんですが。
できることなら感想をこれから付けられる方に一人一人聞いて回りたいぐらいの気持ちです。

実際お話の内容よりもそっちの方が受けてしまって(自分自身にです)どうしてもそのことを報告せずには居られませんでした。
なんの益体も無いレスで本当に申し訳ありません。
総レス数 12  合計 300

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