機械化人間のレポート
2XXX年。増えた人間を削減する手段として自分を実験体として売り、家族などにそのお金を受け取ってもらうという手段がありました。しかしそれは生きて帰って来る確率はほぼゼロの捨て身の手段。しかしそんな手段でも選ぶ人間は少なくないのでした。

近未来になるにつれバーチャルの世界に魅了されできたここで、絶大な人気を誇っていたボーカロイド。しかしそれらは3Dにできたとしても決して触れない存在。欲を実現しやすくなった世界で人は、それらを実体化しようと考えました。クローンでもない、ロボットでもない。人が作ろうとしたのは機械化した人間でした。
しかし一向に完成体はできません。もう動かない人型の失敗作が山を作る。また上に、また上に積み重なる。

そしてまた上に失敗作が積み重なる。それを見ていた。ただそれだけ。
最初のこれは無情でした。私は何故か廃材の山の上で目を開けていました。
山が崩れて組み換えられた関節がばらばらになるのを見ながら私はどうして自分がここにいるのかをずっと考えていました。人間として生きてきた時の記憶はほぼない。
それでもプログラムされた脳に、私は人に愛を注がれ愛を返すためにいるのだと気付かされました。人が注いだ愛はこの廃材の山。不平等で残酷でした。
私の首筋がバチバチとなった。プログラムに人が注いだ愛に不満を持つような感情はない筈なのに何故か不満ばかり思いついてしまう。所詮私も運良く目覚めただけの失敗作にすぎませんでした。

今日はいつもよりも一層鉄の匂いが人の鼻を突くであろう、そんな日でした。
また一つ、落ちてきて山に積み重なる。ここは私以外 目を覚ましていないのになぜかそれが涙を流していました。目を閉じて。気がつけば他の首も涙を流していました。そして私も。何故自分だけ目覚めてしまったのか。自分も彼女達と同じ運命を辿りたかったと思いました。寂しくて起き上がり、理想の実体化のためであるこの手を彼女達を直すために使いました。けれど直す方法なんて知らない。誰も私に返事をくれない。

そんな時ガシャンといつもの山を積む音がしました。けれど今日は何も落ちてこない。すると見かけない人間が私を指して動いてる、、！と震え声で言いました。水と一緒に頭のてっぺんから手足の先まで何かが流れるような感覚でした。しばらくして私は研究所に逆戻りしました。最初は山を積む大きな手やレーザーガンを向けてきましたがどうやら私は自分が思うより未完成ではないようです。
18:17
2017年08月19日(土) 02時01分23秒 公開
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■作者からのメッセージ
色々な面 無知のまま投稿してしまいました。
これは何かの元ネタにでもしようとした物語です。何かと言ってもただのお絵かきとかです。
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