顔落ち
 まゆちゃんに顔落ちの症状が出たのは、つい一か月程前のこと。
「ママぁ! おかおがかゆいの。こっちのおめめのよこ。でね、でね、かいたらね、ほら、おもちみたいにふくらむぅ。なんでだろうなぁ。でね、でね、プニュっとおしてみたの。そしたらね、ひっこんだんだけど、ほら、また、おもちみたいにふくらむぅ。でね、でね、かゆいの。ねぇ、ママぁ、これまえにもどるのかなぁ」
 ママにかゆみを訴えた数日後にまゆちゃんの顔は落ちた。
 ママは剥がれ落ちたまゆちゃんの表皮をそっと取り上げ、冷蔵庫にしまった。
 後で記念品にしてもらうためである。
 そしてママは用意してあった仮の顔をまゆちゃんに付け、優しくこう言った。
「あした、デパートにおかおをかいにいきましょうね」

 突発性顔面表皮剥離症というのが正式な病名だ。
 英語では「S.F.E.P.(スフェップ)」すなわち「Sudden Facial Epidermis Peeling」と呼ばれている。
 世界初の症例が報告されたのは、アメリカはカリフォルニア州、メキシコとの国境に近い都市、サンディエゴであった。
 会員制のごくありふれたジムのスイミングプールでそれは起った。
 アクアウォーキングのコースを少し太目のご婦人がのんびりと水の中を歩いていた。
 すると前方の方に水泳用のキャップがプカプカと浮かんでいる。
「あら、誰かの落とし物かしら」
 このジムでは水泳時はキャップの着用が必須ではあったが、色などの指定は特になかった。
 だから様々な色のキャップを目にすることになるのだが、そのご婦人の前にプカプカと浮かんでいるキャップはそれまでに見たこともない色をしていた。
 そしてどうやら黒い字のようなものが書かれていた。
「あら、名前でも書いてあるのかしら」
 ご婦人はキャップを手にとり、その黒い字のようなものを読もうとした。
 するとそのご婦人の元に女性がジャバジャバと水の中を歩み寄ってきて、こう話しかけた。
「す、す、すみません……それ、私のだと思います……多分……なんですけれど」
 困惑しているのか、戸惑っているのか、焦っているのか、尋常でない節回しで声は震えていた。
 ご婦人は手にしたキャップ……まるで人の肌のような色をした……から顔を上げ、その女性を見た。
 濃いブルーのキャップを被ったその女性の、キャップの下の顔は表情筋が丸出しになっていた。
 一瞬、二人の間には沈黙があり、そして次にプール中にご婦人の悲鳴が響き渡った。
「ギャァァァァァァァァァァ!」
「すわ、何事か?」と隣のコースで泳いでいた筋骨隆々の男性が泳ぎを止め、水から顔を出し、悲鳴の主の方に顔を向けた。
 そして状況をはっきり見ようとゴーグルを外した途端「ぱかぁん」という微かな破壊音と共にその男性の顔が水の中に落ちた。
 気が付くと、プールの中には七〜八枚(あるいは七〜八個)の人肌のキャップがプカプカと浮かんでおり、七〜八名の表情筋むき出しの男女が水の中で困惑したまま佇んでいた。
 人肌色のキャップは人の顔の表皮であり、黒い字のようなものは表皮と共に持ち主の顔からさよならしていった二本の眉毛だったのだ。

 国内で最初の症例が報告されたのは、アメリカからの報告の翌年、今から五十年程前のこと。
 とある田舎町で高校の教師をしていた男性にそれは起こった。
 その男性は、コンビニの駐車場で、両手の平で顔を覆ったまま跪いてこう叫んでいた。
「顔が落ちるぅぅぅ! 顔が落ちるぅぅぅ!」
 悲痛な、というよりも、驚愕のための叫びのようだった。
 不審に思ったコンビニのアルバイト店員が、警察に連絡。
 一人の警官が現場に到着するころには、十人程の野次馬がその男性を取り囲んでいた。
「顔が落ちるぅぅぅ! 顔が落ちるぅぅぅ!」
 男性の叫び声は止まらない。
「顔が痛むんですか?」
 男に付かず離れずしている野次馬の一人が訊ねた。
「痛くはない、痛くはない、ちっとも痛くはないんだけど」
 予想通り、痛みはないらしい。
 警官が、野次馬の輪を割って男に近づいた時だった。
「ぱかぁん」
 聞こえるか聞こえないかの破裂音がした。
 そしてその男が覆っていた両手をそろりと顔から離すと、警官と十人程の野次馬の前で、その男の顔は駐車場のコンクリートの上に落ちた。

 不思議なのは顔全体の表皮が剥がれ落ちるのではないことであった。
 まぶたと唇、耳たぶ、そして鼻の頭の一部はそのまま表情筋に張り付いたまま残るのである。
 まぶたは眼球を守るため、唇は言葉を発するため、耳たぶは音をよく収音するため、鼻の頭の一部は汚れた空気や冷たい空気から肺を守るため、すなわち必要最小限の顔面の機能は残るのである。
 髪の毛の生え際ともみあげ、そして顎の線にかけて、ちょうど人間の表情を司るための皮膚のみが剥がれ落ちるのだ。
 剥がれ落ちた表皮はまるで洗顔パックをしたあとのマスクのようにみえる。
 違うのはそのマスクにくっきりと眉毛が付いていることであった。
 表皮が落とされた顔面の状態に関しても明らかになってきている。
 剥がれ落ちた後の顔全体を透明の薄い筋膜が覆い、表情筋がきちんと守られているのだ。
 その筋膜によって顔落ちが発生した際にも出血は起きない。
 ただしその筋膜は表情筋に強固に癒着し、殆どの表情筋はその動きを制限されてしまっている。
 人間の顔には三十種類以上の表情筋が存在し、通常の生活においてはその三割程を使用するのみである。
 つまり平常時において、人間はその持てる筋力の三割でもって表情を作り、お互いのコミュニケーションの糧にしていた訳だ。
 突発性顔面表皮剥離症を発祥し、筋膜によって表情筋の動きが最小限に留められてしまった人間は、全体の表情筋の一割以下しか使用できないことになる。
 前頭筋が筋膜と強固に癒着したことにより、眉を上げ下げする機能が失われた。
 もっとも顔面表皮が剥離されたのと同時に眉毛も損失しているのでこの運動の制限には特段の意味もないが。
 頬筋が筋膜と強固に癒着したことにより、口角を上げ下げする機能が失われた。
 これにより口元の動きで表すことのできた喜怒哀楽といった感情表現が消えた。
 笑筋が筋膜と強固に癒着したことにより、えくぼを作る機能が失われた。
 顔面表皮が剥離され、「あばた」も剥がれ落ちたので、「あばたもえくぼ」ということわざが消えた。
 口の周りにある口輪筋、そして目の周りにある眼輪筋のみが必要最小限の動きを残された。
 つまり眼球を守るための瞬きや、飲食や言葉を発する際の口の動き以外の表情筋の動きは「不必要」と烙印を押されたかの如く、消えてなくなってしまったのだ。
 顔落ちをした本人は笑っているつもりでも表情筋は笑ってはおらず、怒っているつもりでも表情筋はピクリとも動かない。
 その表情筋からは一切の感情を読み取ることは不可能となった。
 人類は表情を失ったのだ。

 この「顔落ち」という現象は、瞬く間に世界中に広がった。
 最初はアメリカで、その翌年には日本国内でも最初の事例が報告され、その後数年間のうちに世界中に広がった。
 人間は環境に慣れる動物である。
 最初の内は世界中が混乱したが、顔の表皮が剥がれ落ち……しかも痛みも出血もなく……表情筋が丸出しになる、というただそれだけのことである。
 そんなちょっとしたグロテスクな景色にも慣れてしまえば、それは日常になる。
 ただし、表情筋丸出しではやはり生活しづらい。
 人々はやがて仮面をつけるようになった。
 取り外し可能となった顔は、ファッションの一つとなり、人々はこぞって色々な仮面を試すようになった。
 それに伴って美人コンテストの類は消滅した。
 誰でも美人になれるからだ。
 アイドル歌手やイケメンの俳優たちも消えた。
 誰でも可愛いアイドルになれるし、恰好良い俳優になれるからだ。
 警察のモンタージュ写真も消えた。
 意味ないからだ。
 取り外し可能となった顔は、大きな商売にもなった。
 仮面を制作する会社が乱立し、3Dプリンターで仮面を作成する会社、剥がれ落ちた表皮を持参すればそれに加工を施して仮面にしてくれる会社、幼い頃に剥がれてしまった表皮を腐敗防止剤を使用して記念品にしてくれる会社、などが特に人気を博した。

 人類は表情を失ってしまった訳だが、ごくわずかに残された表情もある。
 その一つが「頬を膨らませる」であった。
 幸いにも口輪筋の機能は失われていないため、口輪筋を使い、口を強く閉じ、口内に思い切り空気を送り込めば頬は膨らむ。
 勿論、頬を膨らませるだけでは、それがどんな感情を表しているのかは判別できない。
 例えば頬を膨らませ、眉毛を上げ、目を見開けば、それはおどけたような表情であり、頬を膨らませ、眉毛を下げ、眉間に皺を寄せれば、それは怒ったような表情になる。
 残念ながら前頭筋が機能不全に陥っているため、眉毛の上げ下げは出来ないし、そもそも眉毛はもう存在しない。
 それでも前後の状況を鑑みれば、頬を膨らませた人がどんな感情を表現しているのか、その膨らんだ頬だけで予測はできる。
 ただ、人間が表情筋丸出しの顔を嫌い、仮面をつけるようになったため、その膨らんだ頬も仮面の下に葬り去られることとなってしまった。
 そもそもが、仮面をつけてしまえば、表情筋の機能や存在などはどうでもいいことでもあるのだが。

 原因は不明のままだ。
 世界中の科学者、医者、哲学者、知識人、神学者までがカンカンガクガクと議論を尽くしたのだが、明確なことは不明のまま。
 少なくとも感染症の一種ではない。
 何か剥離に作用するようなウィルスが見つかった訳ではなく、よってそのウィルスを元としたワクチン製造が可能な訳でもない。
 全人類に共通する遺伝子が存在し、その遺伝子が同時多発的に書き直されたのではないか、という仮説も立てられたが、実証には至っていない。
 信憑性の高い説の一つとしては、コミュニケーションの欠如というものがあった。
 表情というのは、コミュニケーションの手法としてはもっとも重要な要素の一つであった。
 ところが今や、パソコンや通信機器の発達、SNS等の普及により、表情を不要とするコミュニケーションが成立するようになった。
 もはや表情は人間の生活にとって無用の長物となってしまった、というものだ。
 地下や深海など光の届かない環境で生活する生き物の目が退化するのと同じ理屈だ。
 だが、この説にも矛盾はある。
 現在、顔落ちはさまざまな国、人種、年代にまで広がっている。
 そこにはパソコン普及率の低い国もあれば、まだパソコンを自在に操ることの出来ない年代……例えば新生児の顔落ち……なんて現象も発生しているのだ。

 また、パソコンを使用したオンラインによる会議や勉強会、同好の士によるサークル活動なども以前は盛んに行われており、そういう場ではやはり表情は必要不可欠であった。
 ただし、その表情の捉え方によって、さまざまなトラブルが発生していたことも事実である。
 表情を発信した本人の意図とは全く違う捉え方をされ、そこから口論や罵り合いが始まってしまうというケースが多発していたのである。
 この突発性顔面表皮剥離症の発生原因を丹念に調べているNPO法人の一つによると、この「表情の捉え方の能力欠如」が要因ではないか、という仮説が立てられている。
 現在ではこの突発性顔面表皮剥離症の原因を「コミュニケーションの欠如」と「表情の捉え方の能力欠如」の二つの欠如要因が複雑に絡み合った結果、という仮説が定着しつつある。
 今や人類全体の9割以上が顔落ちを経験しているし、一種の通過儀礼……例えば乳歯が抜けて永久歯が生えてくるといったような……と化しているとも言えるのだ。
 今も世界のどこかで「ぱかぁん」というかすかな破裂音とともに、顔が落ち続けている。

「だめよ、まゆちゃん、にんげんのおかおにしなさい」
「ええ! そんなのつまんないよぅ。このぞうさんのおかおがいい!」
 デパートの顔売り場……顔、とは言っても実際には仮面なのだが……には、色々な顔が並んでいる。
 象、熊、猫、犬といった動物から、昔人気のあったアイドル歌手や俳優、アニメの主人公、中には大仏様や宇宙人、ペイズリー柄の顔まで揃っている。
「ぞうさんがだめなら、このきりぎりすさんのがいい!」
 仮の顔を付けたまゆちゃんは、「おかあさん:スタンダード」の顔を付けたママに文句を言う。
 でも、聞き入れられることはない。
 まゆちゃんはププーっとホッペタを膨らませてみせたが、仮の顔からはどんな表情も読み込めない。
 だからママにはそのププーっは伝わらない。
 しかたなくまゆちゃんは、「賢そうにみえる幼稚園児(初回仕様期間限定)」を選ぶ。
「おかあさん:スタンダード」の顔を付けたママは「あら、いいじゃない、それにしましょう」と言ってまゆちゃんにニッコリと笑いかける。
 勿論、そのニッコリはまゆちゃんには伝わらない。
山田さん
2021年04月12日(月) 21時56分56秒 公開
■この作品の著作権は山田さんさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
調べてみたら、多分11年ぶりの投稿。
この作品は5年程前に書いたもの。
それに今回少し手を加えてみました。
実は手を加える前の状態で何年か前に変名でここに投稿したのですが、反応は予想通りゼロ。
今回もご感想やご指摘が頂けるのかは、ちょっと難しいかも、なんて思いもあります。
それにしても、全然書いてこなかったとはいえ、この程度の内容の作品しか書けないのだな、と思うと……。
以前程の賑わいは無理だとしても、少しでも本サイトに元気が戻れば、と思い、また懐かしい名前の方の作品を久しぶりに読んだのもあり、勇気をもって久々の投稿、となりました。
よろしくお願致します。

この作品の感想をお寄せください。
No.6  山田さん  評価:--点  ■2021-04-30 13:17  ID:UQcHp6qyFKU
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>昼野陽平さん
ありがとうございます。そしてお久しぶりです。
「いい意味でコミカル」というのは、僕自身どことなく狙っていたことでもあるので、そういうご指摘は嬉しいです。
ただやはり「もっと話を広げられるアイデア」であり「広げられるし掘り下げられる」題材だったのだな、と痛感しています。
下でレスを下さった他のお二人からも、異口同音にその点を指摘されている、ということは、これはもうグゥの音もでないです(汗)。
もっと一つのアイディアを大切にし、熟考して作品の完成を焦らず、じっくりと取り組む必要がありますね。
今回は本当に、その点について勉強させていただきました。
「カタログや百科事典のようなスタイル」の作品は、いずれ書いてみたいと思っています。
本当にどうもありがとうございました。
No.5  昼野陽平  評価:30点  ■2021-04-29 18:43  ID:r1htNQQ7Z.M
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お久しぶりです。
読ませていただきました。
表情筋丸出しというのはイメージ的にインパクトがあり面白いアイデアだなと。表皮が落ちる時のぱかぁんというオノマトペも効果的でした。
けっこう深刻な病気だと思うのですが、呆気なく受け入れてるというか慣れてる人々の感じがいい意味でコミカルで良いなと。
でももっと話を広げられるアイデアかなと。広げられるし掘り下げられるかなと。
返信に書いておられるカタログや百科事典のようなスタイルでというのはおもしろそうです。
ありがとうございました。
No.4  山田さん  評価:--点  ■2021-04-21 15:24  ID:UQcHp6qyFKU
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>かたぎりさn
お久しぶりです。
というか、「お久しぶりです」という挨拶が相応しいかどうか、微妙な時間の間隔ですが。
読んでいただき、ありがとうございます。
もうグーの音も出ないくらい適確なご指摘です。
「浮かんだアイデアから得られる連想をのびのびと拡げ、かつ丁寧に紡いでいった」だけ、というのがこの作品の内容なんだろうな、と思います。
伸びしろがある、ということは、きちんと内容を膨らませた上での完成形ではないですよ、ということなんですよね、いやはや、その通りなんです(大汗)。
どうも僕はアイディアをきちんと物語にまで昇華させる才能に乏しい(あるいは皆無)なのかも知れないです。
いっそのこと、物語を紡ぐのではなく、例えば高橋源一郎の「惑星P-13の秘密」みたいな、一種のカタログや百科事典みたいな作品に精を出す方がいいのかも、なんて思ってます。
ちなみに「惑星P-13の秘密」ってのは、想像上の珍しい病気や不思議な都市、奇病なんかを羅列して百科事典みたいに説明していく、という体裁の小説だったりします。
あるいは、この「惑星P-13の秘密」のインスパイア元になったと思われる、イタロ・カルヴィーノの「見えない都市」とかスタニスワフ・レムの「完全な真空」「虚数」なんかを真似してみるとか……。
と、なんとなく最後は僕自身への言い訳になってしまいました(冷や汗)。
申し訳ないです。
いずれにしても、またこうしてかたぎりさんから心優しくも適確で厳しいご意見、ご指摘が頂けるのは、本当にありがたいし、嬉しいことです。
本当にどうもありがとうございました。
No.3  かたぎり  評価:30点  ■2021-04-20 22:33  ID:zrJ.A8RISY.
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こんにちは。読ませていただきました。

なんとも不気味なイメージながら、作品で描かれる人々に悲壮感はなく、むしろそうなったんだから仕方ないとすんなり(?)受け入れるような世界観が面白かったです。

原因究明の部分を読めば、一種の社会風刺や社会批判が込められているととれなくもないですが、読んでいてそういうことがしたいわけでもない、という作者のスタンスを感じたりもしました。どちらかというと、浮かんだアイデアから得られる連想をのびのびと拡げ、かつ丁寧に紡いでいったという感じでしょうかね。

ストーリーの起伏といった面では、最初と最後に親子の話でサンドすることで、綺麗にまとまってはいるなと感じました。一方、この症状によって起こるドラマをこれ以上に描く方法がなかったかといえば、やはり、やり用がいくらでもある話であるとも思え、すごく魅力的な芽が出ているが、花が咲いているというまでではないといった印象です。

なんとなく、冒頭のほのぼのとした(実際はしてなかったけどw)書き出しにかつての、スマイル、みたいな作品なのかと想像したのですが、一瞬で、そっちじゃないとモードを切り換えて読みました。シュールで不気味で、でもおかしみのある、方の山田さん作品であったな、と。

面白かった分、点数付けは難しいですが、作品自体の伸びしろを考慮してこうします。
読めてよかったです。ありがとうございました。
No.2  山田さん  評価:--点  ■2021-04-16 16:11  ID:UQcHp6qyFKU
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>ゆうすけさん。
 ありがとうございます。そしてお久しぶりです。
 凄く的確なご指摘を頂いたな、という嬉しいような耳が痛いような感想でした。
 まず、なんといっても「興味がない人にはうんざりらしく」はまさにその通りだと思います。
 僕自身も書きながら、「あー、ここまで書いちゃうと読むの面倒臭いかもなぁ」と思いながらも、書く手が止まらなかったという悪しき慣習、というかなんというか。
 もう少し自分が書いたものを俯瞰する作業が必要ですね、反省です。
 それと「このテーマをもっと物語に組み込んで登場人物に感情移入できたほうが物語として面白くなりそうだと感じました」というのもまさに的を射たご意見です。
 以前、このサイトに「ソラクラゲ」なる拙作をアップした際にも、他の方から似たようなご意見を頂いたのに、それがまったく生かされていない。
 どうも、一つのアイディアを日常の中に取り込んで、普遍的な物語の中から特殊なケースを書き出す、みたいなことが出来ないようです。
 最も感情移入させられるような人物描写も、それこそ物語を作る能力も欠如していますが(ってことは何もない?)。
 いずれにせよ、ここ何年もやってこなかったとはいえ、書くことは好きですし、またそのうちに思い出したように書き始めるかも知れないです。
「メッセージにある覚悟に意気を感じまして」と仰って下さいますが、覚悟という程の大げさなものではなくて、ちょっとした期待みたいなものでしょうか。
 ただ、以前のようにこのサイトが少しでも元気になれば、という思いに嘘はありません。
 僕もそんなに頻繁に顔を出すことは出来ないですが。
 本当にどうもありがとうございました。
No.1  ゆうすけ  評価:40点  ■2021-04-15 20:29  ID:5Mv/AhRAbIQ
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 拝読させていただきました。
 お久しぶりです。丁寧な文章を書く方だと思っておりましたが、やはり今作も丁寧で分かりやすい文章だと思います。
 さて丁寧に人体を科学的に描く部分、私の大好物です。私的には大喜びで読み進めました、こういう感じのを書くの好きでしたし。物語にリアリティを持たせるのには大事な部分だと私も強く信じます。ところが、興味がない人にはうんざりらしくて、当時もよく指摘されたのを覚えています。加減が難しいですが、それを悩みながら書くのが醍醐味っちゃ醍醐味かな。
 コミュニケーションに表情を使わない事による不要な機能削除、廃用症候群か進化か、このテーマをもっと物語に組み込んで登場人物に感情移入できたほうが物語として面白くなりそうだと感じました。恋人に愛を伝えるとか、今までできなかったのをやろうとしたそばから顔落ちとか。顔が落ちたことで生じるドラマと、そこから見える顔落ちの理由とかがあったほうが楽しめそうです。
 私も以前に投稿した「格闘王」を読み返すとあまりに酷くて悶絶してそれから書いておりませんですし、偉そうな感想を書けるなんて思ってはいないのですが、メッセージにある覚悟に意気を感じまして、思ったことを取り繕うことなく素直に書かせていただきました。
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