おんなのこクエスト |
むかしむかし、あるところに一人の女の子がいました。 その女の子も他のお友達のようにすくすくと育ち ある日、ほかのお友達のように “恋” をしました。 相手は幼なじみの男の子です。 どこが好きかだったなんてわかりません。 ただその女の子はその子といるととっても楽しかったのです。 なぜかとってもとっても楽しかったのです。 ふたりはよくケンカもしました。 だれかがそれを、ふたりが似ているからだ 性格なんてそっくりだ。 と言いました。 女の子にはそんなこと分かりませんでした。 でもただただ男の子がだいすきで いつまでも一緒にいたいと思っていました。 しかしその後二人は離ればなれになってしまいます。 ある日国がまっぷたつに割れてしまいました。 なんでかなんてわかりません。 偉いおとなのかんがえたことです 女の子にはわかりません。 女の子と男の子は別々の国にわかれてしまいました。 男の子の国は、それはそれは素敵なところでした。 国中からきれいなもの、たのしいもの、おいしいものやキラキラしたのも そんなみんなが愛したいものだけの国でした。 反対に 女の子の国はひどいところでした。 悲しみや憎しみ、汚いもの、暴力 人々が忌み嫌うものが集まる場所 世界のゴミ箱のような国でした。 それは、いままで幸せに育って来たその女の子にはあまりに厳しく 女の子あの男の子との日々を思い出しては泣いていました。 けれども、泣いてばかりではなりませんでした。 女の子は生きようと戦いました。 いつか幼なじみの男の子にあえるように あったときにはこんなにがんばってきたんだよ とまた楽しくおしゃべりをするために 何回泣いても、転んでも 女の子は立ち上がって戦い続けました。 何年の月日がたったでしょうか。 女の子はまだ戦い続けていました。 その男の子にあうためだけに。 けれども、いつしか女の子は疲れ果ててしまい いつのまにか女の子は寂しさと悔しさで その国を、世界を呪っていました。 悲しさのあまり女の子は世界を恨み いつしかその女の子の想いだけがずっとあの場所でまっていました。 あの男の子と過ごした思い出の場所で 男の子をずっと待っていました。 それから十年以上たっても 女の子はまだ待っていました。 ひとりぼっちで。 ずっと待っていました。 ある日、誰もいない学校にその人たちはやってきました。 女の人と男の人です。 女の人はいいました お届けものです。あなたが会いたい人をつれてきました。 女の子は何のことだろうと思いました。 そこにいるのは若い男の人です。 女の子よりずっとずっと年上です。 男の人が月明かりの下にたちました。 女の子は驚きました。 たしかに大人になって入るけれども 確かにその人は その男の人は女の子がずっとまっていた ずっとずっと長いときを待っていたあの男の子でした。 女の人はいいました 私が誰だかわかる? そういって女の人も月明かりの下にたちました とても綺麗なひとでした。 でも女の子の知り合いにこんな人いません。 女の子は首を振りました。 女の人は優しく微笑むと言いました 私は未来のあなた。 成長した、いまの私。 あなたは昔の私の想いのカケラ あなたが頑張ってくれたからその後の未来で私は彼に会うことが出来た こうして一緒にこの場所に来れるようになった。 だからもう、もどっておいで いままでありがとう。 やっと会えたね。 女の子は何も言いません。 言えなかったのです。 ずっと我慢していた何かが、 ずっとがんばってきたことが ずっとまっていたことが あらゆることがいっぱいいっぱいになって あとから後から 大粒の涙だけがこぼれます。 どんどん周りがみえなくなっていきます。 もういまは女の人も男の人も見えません でも女の子は幸せでした。 もう何も悲しくも、苦しくもありません。 そのまま女の子はゆっくりと目を閉じました 光だけがその場所をつつみました。 |
朱菜
2014年08月18日(月) 00時28分00秒 公開 ■この作品の著作権は朱菜さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.2 朱菜 評価:--点 ■2014-08-20 21:13 ID:WZDPG0Oz7Jk | |||||
感想ありがとうございます。 今まで一度もこのような文章を書いたことが無く、自分の初恋がモデルで ほんの2,3日前に起こったこの思い出を忘れないように書き留めて、ほんの出来心で初めてこのようなサイトに投稿させていただきました。そのためご指摘なさったように文章の密度も低く、 特に背景描写は無いにも等しいです。アドバイスありがとうございます。 次の作品....この恋に、この男の子とまた何かあったなら書くのかもしれません...笑 もしその時はまた感想をいただけたらなと思います。 感想をいただくなど予想だにしていなかったのでとても嬉しいです。 本当にありがとうございます。 |
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No.1 伊佐奈秋弥 評価:30点 ■2014-08-20 10:50 ID:eONJGPtuOhQ | |||||
弱輩者ですが感想を書かせて頂きます。 端的に一言で言わせてもらいますと、素敵なおとぎ話だな、と思いました。それが読後の第一印象です。 文章の構成もスマートで、内容もすっきりと頭の中に入ってくるので読みやすい作品でした。 僕個人の好き嫌いの目線で一方的な指摘をさせていただきますと、さらに文章の密度(特に風景描写)が増すともっと好きになれそうです。あくまでも個人的な意見なので、朱菜さんの意図とはズレているかもしれませんが、一意見として受け取ってもらえるとありがたいです。 読者に伝えたい心情をスマートに伝えられているあたりが、僕には無い能力なので羨ましく思います。 もう少し読者に良い印象を与えるワードをすりこんでみるとさらに素敵な作品が仕上がると思います。 拙い感想で申し訳ないですが、次の作品を期待したいと思います。 それでは失礼。 |
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