冬の夜 |
季節は冬。天気は雪。時間は夜。私はあてもなく町を歩いていた。車が出す音がとてもやかましい。空を見上げると、白い雪が次から次へと私にせまってくる。星は見えず、薄い暗闇だ。私は前を向いて歩き出す。私はどこへ向かうのだろうか。 気がつくと私は自宅から徒歩数十分のところにあるショッピングモールにいた。天井は無い。時期も時期だから若い男女がたくさんいる。彼らは私の前からせまってきて、そして通り過ぎる。後ろから急に現れることもある。どちらにしろ彼らにとって私は見えていなくて、私にとって彼らは嫉妬の対象にしかならない。そう。私は彼らに小さな嫉妬を感じている。そして、意識は過去に戻っていく。 私は一人の男性に魅力を感じた。彼と話していると、それだけど心が安らいだ。彼に見つめられると鼓動が速くなるのを感じた。彼が他の女性と会話しているのを見ると、表現できない苦しみを感じた。早い話、私は恋をしたのだ。 場所は私たちの通っている学校の教室。時間は放課後。私は彼に告白した。 「私はあなたといると、とても安らぐし、幸せを感じるの。ねぇ分かるでしょ?」 私は相手の目まっすぐに見て言った。彼は驚かず、こう答えた。 「そうだな。俺もお前のことが好きだ。いいだろう。付き合おう」 私も彼もお互いが好意を抱いていることは把握していた。だからこそ、私たちの恋は実って当然だった。 その日、私は彼と一緒に帰った。とはいっても、家の場所がかなり違うので途中までだった。それでも私は、その時間がとても楽しく、ずっと続いてほしかった。 ここで私の記憶は途絶える。一台のトラックの姿を最後にして。 私はきっと、まだやり残したことがあるのだと思う。それは、彼と恋人どうしとして過ごす日常であり、この日、幸せを感じることなのだ。私は彼の笑顔を思い出し、切なくなる。あれから私は彼に会うことができないでいる。会ったとしても、きっと彼は私を認識できない。それでも、今日この日に会いたかった。彼を見たかった。私の頬には涙がつたっていた。 人ごみの中、一人の少女は悲しみ、涙を流した。少女は空を見上げる。彼女は、星一つ見えない夜空を見て何を思うのだろう。小さな雪を見て、彼女は何を感じるのだろう。そして、彼女の悲しみを知るものは誰もいない。他者の悲しみなど、誰も想像できないのだろうか。見えないものの悲しみを想像することは、我々にはできないのだろうか。 |
紫苑
http://jp.mg5.mail.yahoo.co.jp/neo/launch?.rand=9slmitd7jft6m 2014年02月13日(木) 01時57分51秒 公開 ■この作品の著作権は紫苑さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.5 お話を知る人 評価:20点 ■2014-03-01 20:37 ID:xubatrYFqdc | |||||
読ませていただきました。 不幸な事故で恋人を亡くした少女のお話。テーマは嫌いじゃありません。 ただ、いきなり三人称っぽくなったり一列に句読点が並んだりして読みにくいなと思いました。直してみるのもありではないでしょうか? |
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No.4 翠春 評価:10点 ■2014-02-16 03:27 ID:yk3giTsa7KU | |||||
読ませていただきました。 何だか説明が余計な気が… 雪が降っている描写、夜である描写が三行内で二度も出てきているのがちょっと蛇足的だと思います。 あとセリフが学生の割に妙に大人すぎる印象を受けました。なんだろう…無表情で淡々と言ってるイメージが湧いてきます。 ストーリー自体は素敵なのですが、全体的にちょっと読み辛いと思いました。 |
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No.3 楠山歳幸 評価:20点 ■2014-02-15 12:49 ID:3.rK8dssdKA | |||||
読ませていただきました。 自分みたいなのが書くのはなんですが、設定だけ書いていると言う感じでした。いっそ、詩のように書いてみては?と思います。 ショッピングモールのほうが印象的でした。告白の場面、つき合っていた頃の場面がもう少し欲しいかな、と思いました。 ラストは良かったです。でも、この作品の場合人称は統一したほうが良いかな、と思いました。 失礼しました。 |
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No.2 家達写六 評価:10点 ■2014-02-14 13:51 ID:0H/tY0Rvzkg | |||||
今回はちょっと辛口に。 冒頭の情景描写は、やはり羅列的ではないでしょうか。ファンタジーであればなおのこと、もっとより叙情的に、しかも無駄のないかたちで読者に場面を伝える必要があると思います。 |
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No.1 お 評価:20点 ■2014-02-13 13:55 ID:P4L5JGTUzFo | |||||
読ませて頂きました。 綺麗な話でした。情景が浮かび切なくなります。 二点ほど。男の子のセリフ「いいだろう」て、これだけの登場でキャラ立ちすぎなんじゃw あと、最後の最後の語りは、ちょっと、うーん、台無しかな。ここはもうちょっとスマートに処理できればなぁと感じました。 感想貰って嬉しいのは皆同じだとご理解頂ければ。(規約、参照下さい) |
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