本を手に、樹に眠る |
冬が終わろうとする頃、介護老人ホームで一人の男性が亡くなった。名前を松利といった。八十七歳だった。介護師の和美が担当していた入所者の一人だった。 松利は晴れた日は良く中庭のベンチで、お気に入りの文庫本を持って日向ぼっこをしていた。繰り返し読んだであろうその文庫本は、手垢と日焼けで色褪せてしまいぼろぼろで、文字も擦り切れて読めるものではなかった。けれど松利はそれを大事にしていたことは、入所者、職員の周知の事実だった。 「なーに、お守りですよ」 松利は、文庫本のことを聞いてくる来客に笑って、よくそう答えていた。多分、文庫本の題名を知っているものは、誰もいない。松利でさえ、憶えていたのか、今となっては知る由もない。ただ、松利はいつも中庭のベンチで、その文庫本を開いたまま気持ち良さそうに眠っていた。 年齢も年齢なので、そんな松利を和美は時折、死んだのではないかと心配したものだが、「風邪をひきますよ」と和美が声を掛ければ、松利は大きな欠伸をしながら目を覚ますのが常だった。 「ああ、和美ちゃんか。ああ、また眠ってしまったんだねぇ」 松利は暮れていく夕日を浴びて、にっこり笑う。そんな松利を見ながら、和美は、さぞ昔は格好よかったのだろうと推測したものだった。褐色の肌に、すらりとした長身で、さらさらの白髪を全部後ろにして――若い頃の写真を一度でも見てみたいというのは、女性職員の願いであった。 松利はベンチでうたた寝をすると決まって、夢を見た。その夢を松利は起こしにきた女性職員に話すわけだが、それを真面目に聞いてくれるのは和美だけだった。他の職員は老人のたわ言と相手にしなかったのである。 「今日はどうなったんですか?」 「和美ちゃんくらいだね。私の不思議な夢に興味を持ってくれるのは。ボケ老人のたわ言くらいにしか思ってないんだろうねぇ」 「あははは」 松利の言葉に和美は苦笑いを浮かべるしかなかった。 松利の夢は決まって、ある恋人たちを見下ろしていた。恋人はまだ二十代くらいで、何も語らないでただ二人で寄り添っていた。 男は大きな樹の根元に座り込んで、その背を幹にあずけると、いつものように本を片手に読んでいた。すると学生服姿の女が走って、男の元へ駆け寄ってくるのである。 「また読書ですか?」 女は小さなバスケットを両手で持ちながら、男を覗き込む。男は苦笑して何も言わない。 「まったく、私がいつも遅くやって来るから、そうやっているんですか?」 女は頬を膨らませるが、男はにこりと笑う。 「また、そうやって笑ってごまかすんですね」 女がくるりと背を向けると、男はゆっくりと立ち上がり、女の頭をそっと撫でて、耳元で囁く。 「いつもありがとう」 「な、なんのことか、私には分かりません」 男はそれでも頭を撫で続ける。 「頭を撫でれば、私の機嫌が直ると思っていませんか?」 女がくるっと振り返って、背伸びをしてぐいっと男に顔を近づける。男は少し驚いたけれど、にっこり笑ってよしよしと女の頭を撫で続けた。 「またそうやって、笑ってごまかすんですね」 女は溜め息をついて、体に入っていた力を抜く。 「貴方の手で撫でられるのは、嫌いじゃありませんよ。この大きな手で」 女は自分の頭を撫でていた男の手を取ると、その手のひらをじっとと見つめる。随分と皮が厚くなってしまった手だったけれど、それでもこの手が女は好きだった。頭を撫でられると、なんとも言えない幸せな気分になれた。そのことを男は十分に知っていたが、機械油で汚れた自分の手をまじまじと見られるのは、なんとも言えない恥かしさがあった。 男がすっと手を引っ込めると、女は不思議そうに男を見上げたが、それ以上は聞かなかった。男が再び、樹の根元に腰を落ち着かせて体を幹に預けると、女もそれに倣った。ただ体は男に預けたが。 「今日はね、おにぎりを作ってきました」 女が嬉々としてバスケットを開けると、男の目の前に白い握り飯が二つ現れる。海苔も巻かれていない、ただの白いおにぎり。男は何度も女とおにぎりを交互に見る。 「さあ、食べてください」 女は男が驚いた顔が嬉しくて仕方がない。男は静かに首を振る。 「どうして食べてくれないんですか?」 女は途端に不安になった。男に食べてもらうために、喜んでもらうために、必死に白米を貯めて、ようやく二個分のおにぎりを作ったのだ。それを男は食べないという。不意に女の瞳に涙が溜まる。 男は目を細めて、口元を緩めた。そしてそっと女の頭に手を乗せる。男とて、女の気持ちがわからないわけではない。ただ、この白いおにぎりがこの時代にどれほど貴重であるか、知っているのだ。男は女の肩を強く抱き寄せる。 「私だけが食べるわけにはいかないじゃないか?」 風が吹いた。緑が揺れる。白い雲が流れる。 男はおにぎりを女の口に運ぶ。女が男を見上げる。男は黙って頷く。女は小さな口で、小さく一口おにぎりを食べた。女の口のなかで、ほんのりと塩気が舌を刺激する。舌先で転がせば米の一粒一粒が離れて、噛めばわずかに弾力を感じた後に、そっと甘味が口全体に広がっていく。 男は女が食べたおにぎりに、そのままかぶりついた。塩気が男の唾液を一気に溢れ出させ、白米は噛めば噛むほど甘味を増していった。 「おいしいです」 女の瞳から涙がこぼれた。こぼれたから、男はただ頭を撫でた。 「ずっとこのままならいいのに……」 女は呟いたけれど、その呟きは空を翔ける戦闘機の音にかき消された。 「幸せそうですけど、なんか寂しそうですね」 和美は松利の夢の話を聞いて、感想に返す。 「聞いてくれて、いつもありがとう」と、松利はぽんぽんと和美の肩を二回叩いて、「よっこらしょ」と立ち上がって帰るのが常だった。 夢の話から察するにどうやら、戦時中の恋人の話のようだったので、 「松利さんの昔話じゃないですか?」 そう和美がそう聞いたことがあったが、松利はただ優しく笑うだけだった。 和美はいつしか松利が語ってくれる夢が夢ではなく、現実にあった話のように聞こえてならなかった。が、結局、松利は死ぬまで、夢か本当にあったのかを和美に教えてはくれなかった。眠ることで過去の自分を生き直しているのかと思うと、それは幸せなことのようでもあり、松利を起こすことがとても残酷なことのようにも思えてならなかった。松利は和美が起こすたびに、見舞う者のいない老人ホームでの現実と、死という現実に直面しなければならないのではないかと、和美は不安になるのだ。とはいえ、ベンチにいつまでも眠ってもらっても困るし、本当に風邪でも引かれては大変に違いない。 松利は雨が降った日は、いつまでもベッドに横になって眠っていることが多かった。不思議なことに、そうやって眠っているときもいつもの夢を見ているのだから、もしかしたらベンチには行かなくてもいいのかもしれないが、だからといっていつもいつも部屋の中で眠られても不健康には違いないし、そもそも老人ホームがそんな対応を取るはずもなかった。 さらに不思議なことといえば、雨が降った日の夢は、必ず夢でも雨が降っていたことだ。 傘を差したまま二人は、樹の下にいた。 「わざわざ雨の日にまで、ここに来るなんてどうかしてますね?」 女は誰にともなく言った。 「もしかしたらと思ってきたんですよ。ここに来れば貴方に会えると思って。やっぱり貴方は来てくれるんですね」 女が見上げると男はいつもの笑顔を見せてくれた。 別に約束をしていたわけでもない。ただいつもと同じ時間にお互いに来ただけ。来てくれなくても構わないと思いながら、それでも会える期待をして。 「でも少しだけ、悔しいです。どうしていつもいつも、貴方が待っているのかしら? たまには貴方を待たせてみたいものです」 少し赤らめた頬を膨らませた女に、男は苦笑するしかない。男の手にはいつもの本があった。 風は無く、雨の音は静かで、二人の心を落ち着かせてくる。 「私はここで貴方と会っているときだけが、落ち着くのです。何の不安もなく、ただ満たされるのです。分かりますか?」 一つの傘の中で、女が男の胸に体を預けてくる。男は女を抱きとめながら、頭を撫でてやる。女の柔らかさと温もりが、男の手の大きさとしっかりと受け止めてくれる安心感が、互いに交錯していく。 「いつまで貴方がここに来てくれるのか、私は……」 女が泣きそうになりながら、男の胸を叩く。男は女の頭を撫でていた手を止めた。そうすることがただの一時凌ぎであることが分かっていたから、女の言葉に答えることができなかった。 「ごめんなさい。分かっているのです。貴方を困らせるつもりは……」 女の口から嗚咽が漏れて、そこから先は言葉にならなかった。 「そのときが来たら、私の心はここに置いていきます。もし私が貴方を待っていないことがあったとしたら――」 「心など要りません。要らないのです。ただ生きて帰ってきてくれさえすれば、私はそれで……」 雨粒が大きくなり、風が強さを増す。樹はただそこで静かに二人を見守っていた。 和美は松利の隣に座って、そっと起こした。もう夕暮れ時だった。薄っすらと目を開けて、松利は笑った。 「私はあの二人が一緒になって、幸せになってくれればいいなと思うんですよ」 その笑顔はどこか少年の無邪気さを思わせた。 「こんなこと言ったら、和美ちゃんにまでボケ老人と思われてしまうな」 「そんなことないですよ。私も気になっているんですから」 「和美ちゃんは優しいねぇ」 松利が目を細める。 「私はもう長くないから、ときどきいろんなものに入り込んでいるのかもしれないね」 「夢の話ですか?」 和美が尋ねても松利は何も言わないで、ただ夕日を見ていた。穏やかな風が吹いている。このまま穏やかな死を迎えてしまうんじゃないか、そんな思いが頭を過ぎって、和美は頭を振った。 「和美ちゃんは結婚はどうなの?」 「あはは。まだですよ」 突然の松利からの質問に、和美は思わず苦笑してしまう。 「そうなんだ。和美ちゃんほどの器量良しなら、引く手数多だろうに。世の男はバカばっかりだね」 「ありがとうございます。でも、なかなか出会いがないんですよ。それに鞭と縄っていうか、私が勝手に言ってるだけですけど、上からの指導は厳しいし、スケジュールも人手不足だから大変なんですよ」 「ああ、それで鞭と縄か。上手いことを言うね」 松利は合点が行ったように破顔する。 「はっきり言っちゃうと角が立つからって、松利さんに話すことじゃないですけど」 和美は舌を出して笑う。 「孫でも居れば紹介したいけどねぇ」 「いらっしゃれば、ぜひお願いします」 「でも、結婚してやめちゃったりされると、寂しいなぁ」 「何ですかそれ? やきもちですか?」 「そう。もう誰も話し相手になってくれないし、来てくれるのも誰もいないから、和美ちゃんにはいつも感謝してるんだよ」 松利から予期せぬ感謝を言われて、和美はどう答えていいのか分からなくなった。和美が何も答えられないでいると、松利は「よっこいしょ」と立ち上がる。 「いつもありがとう」 松利は大きな手で、優しく和美の肩を叩いて歩き出した。いつものぼろぼろの文庫本を手にして。 それから間もなくして松利は亡くなった。 発見されたのは、いつもうたた寝をしていたベンチだった。和美がいつものように起こしにいったときには、息を引き取っていた。 松利はいつものように風になって、いつもの樹に眠る。 「今日もあの人は来なかった……こんな日が来ると分かっていたのに……」 女はいつものように、いつもの樹の下にいた。夕日の沈んでいく空は、澄み切っていた。 「それでも私がここに来るのは、どうしてかしら?」 女の言葉は独り言ちているようで、樹に嘆いているようでもあった。 「あの人はここに座って、いつも私を待っていてくれたのですね」 女は樹の幹をそっと、指先を伸ばして撫でた。女の記憶に、男が目を落としていた本から目を離して、笑顔で見上げてくれた記憶が蘇る。女の涙がこぼれて、根元を濡らす。 「私はあの人を待てるのでしょうか? 自信がありません。不安でならないのです。早く戦争なんて終わるとよいのに……早く……」 女は幹を叩く。 「待つことしかできないのは辛いのです。私はあの人に触れたい……」 女は崩れ落ちた。 「心を置いていく」と言ってくれたときに、どうして強がってしまったのだろう? せめて何か残してくれたのなら、こんなに寂しい思いをすることはなかっただろうに。 和美が隣に座って声を掛けても、全く松利は反応しなかった。嫌な予感がして、肩をゆすろうと、和美は松利の体に触って、その死を感じ取った。感じ取って、それをすぐに認めきれずに、何度も、何度も松利の名を呼んだ。体を揺らして、起こそうとした。どうにかすれば、あちら側から戻ってこれるんじゃないかとそう思って、強く揺らして、いつしか漏れていた嗚咽が叫び声に変わったときに、駆け寄ってきた同僚がやっとのことで和美を止めた。 松利の遺体はすぐに運ばれていってしまった。 和美はベンチに力なく座ったまま思う。 終の棲家として、貴方はここで良かったでしょうか? 夢ばかり見て、寂しくはなかったのでしょうか? 私が起こすことをためらわなければ、もっと現実を生きてくれたのでしょうか? 辛さも寂しさも見せなかったのは、私がまだ未熟だったからでしょうか? 私にもっと何かできることはあったように――そこまで思い至って、和美の目から涙が溢れて出て止まらなかった。隣を見ても松利はもういない。松利はここで一体、何を見ていたのだろうか? ふっと風に頬を優しく撫でられて、和美を顔を上げた。季節はずれの桜の蕾が、そこにあった。枝が揺れた。そっと。 和美はしばらく枝が揺れるのを眺めて、ベンチから立ち上がる。 「あの蕾が咲く頃に、また来ますね」 和美は誰ともなしに呟いて、そっと涙を拭いた。 松利が大事にしていた文庫本は、いくら探しても見つからなかった。職員は口をそろえていぶかしがったがが、和美は多分松利が持っていったのだろうと、そんな気がしてならなかった。 女を慰めるように樹が枝を振るわせる。俯く女の目に、一冊の本が飛び込んできた。 「あの人の?」 女は文庫本を拾い上げた。いつも男が読んでいたものであろうか? なぜそれがこんなところにあるのかは分からないけれど――女が男を待つ理由には十分過ぎた。 「貴方がこれを読みながら待っていたように、今度は私が待っていても良いですよね?」 季節は直に春を迎える。桜がきっとここでも咲くのだろう。 「貴方といつか、この桜を見る日が来ることを私は待っています」 女の呟きは、風に揺れる樹のざわめきに消えた。 |
RYO
2010年12月14日(火) 23時05分39秒 公開 ■この作品の著作権はRYOさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.11 RYO 評価:--点 ■2011-02-28 23:20 ID:.i7x7bNUzao | |||||
>鮎鹿ほたる様 返信が遅れて申し訳ありません。 合わないものでも、感想をありがとうございます。 また次回お読みいただければと思います。 >言葉に惹かれて様 こちらでは初めまして。チャットではお世話様です。 お読みいただきありがとうございます。 いろいろ難しくてごめんなさい。 そうか、難しかったのか、とも思うんですけど、作者としてはやはりこれはこうとしか……。 この辺が小説の難しさなんでしょうか? 誤字云々に関しては、できる限りなくしたいものですね。 だれか簡単に見つけられるソフトでも作ってくれないかと(笑 それでは。 |
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No.10 言葉に惹かれて 評価:40点 ■2011-02-25 14:39 ID:GWcRNeDnHto | |||||
お初にお目にかかります。 言葉に惹かれて、という者です。 小説に関しては未投稿、自分の執筆は棚にあげて、いろいろな方々の作品を読み、感想を付し、勉強している最中です。 RYOさんの作品、拝読させていただきました。 夢の中の男女、和美と松利との絡みが、私には理解するのに難しすぎました。すみません。 でも、ラストは泣きそうになりました。うーん、上と矛盾しているかもしれませんが……。 情景と心理描写を兼ねた表現、ぜひとも見習いたいです。 誤字に関してですが、パソコンの場合、ささっと書けてしまう分、大変なのかなと思います。自分は最近、実際紙に書いてから推敲し、それからパソコンのほうに打ち込むというやり方をするようにしています。実際手で書くことで、その場で間違いに気付ける可能性が高いかと思ってのことです。 ……小説未投稿のくせして、偉そうですみません。手間はかかりますが、参考までに。 また読ませてください。 |
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No.9 鮎鹿ほたる 評価:20点 ■2010-12-30 14:23 ID:O7X3g8TBQcs | |||||
こんにちは。 すいません、どうも自分には合わなかったようです。小説っていうものはどうしてもそういうことがあるものだと思います。悪しからず。 |
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No.8 RYO 評価:--点 ■2010-12-21 23:07 ID:.i7x7bNUzao | |||||
作者レス、遅れて申し訳ありません。 >お様 お読みいただきありがとうございました。 作りが粗いですか。内容的説明を省いてますので、仕方ないですね。 わかりやすさについては、難しいなと。 作品の理解と作品の楽しみ方、深みの味わい方の違いなのかもしれないですね。 >HONET様 お読みいただきありがとうございます。 HONET様からの感想は初めてなような……付き合い長いのに。私も書いたことがあるかどうか……。 この作品はやっぱりコレでいいのだと思うのですよ。 いろいろいじりようがないとは言いませんし、もっと深めることは可能でしょう。でも、書きたいものは書いたなーと。 機会があれば別の形で、別の設定で、というのは、あるかもしれませんが。 タイトルは私も悩みました。ただ、出来上がったら、こうなったわけです。 なんかふわっとした手ごたえだけど、悪くないタイトルと思います。 そうそう「終の棲家」はお題じゃありません(笑 >楠山歳幸様 お読みいただきありがとうございます。 介護老人ホームの生活があるともっと深くなったかと思います。バランスもとれたのだと思います。 不思議なことを言うじいちゃんとそれを見守る介護師と、関係がありそうで、良く分からない。 なんか寂しいけど、なんかほっとするものを感じていただければ幸いです。 >ゆうすけ様 お読みいただきありがとうございます。 仰ることは分かりますが、文庫本をキーにしてしまうと、作品にある所在ない感じが消えるようにも思います。文庫本に限らず、この短さで何かが明らかになってしまうと、今ある味わいがなくなるようにも思うのです。 その点でも、これはこれで良いんだと思うわけです。 皆様、ご意見、ご感想ありがとうございました。 私ももっともなことだと思います。ここをこうしたらというのは、確かにあるのでしょう。 ですが、それをしてしまったら、この作品はまた別の雰囲気をもった作品になってしまうように思うのです。 作者の身勝手と思われるかもしれませんが、ご理解いただければと思います。 それでは。 |
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No.7 ゆうすけ 評価:30点 ■2010-12-20 19:47 ID:DAvaaUkXOeE | |||||
拝読させていただきました。 読み始めたら、不思議な魅力にひかれて最後まで一気に読んでしまいました。 寂しさ、侘しさという感じがうまく出ていると思いました。 ただ、私もよくわからなかったです。わかる必要がない、雰囲気的に楽しむものであると認識しましたが、どうでしょうか? 文庫本をキーパーツにして、もっと明確に書いてくださったほうが、私としては楽しめるようにも感じます。 |
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No.6 楠山歳幸 評価:30点 ■2010-12-18 00:33 ID:sTN9Yl0gdCk | |||||
拝読しました。 すでにベテラン様方の感想があるので、蛇足ながら少し感じたことを……。 読解力がないため文庫本がどういうお守りだったのかはっきりしなかったのですが、そこに余韻があって良かったです。古びた文庫本が結ぶ絆もロマンチックでした。 しかし、夢の女がどういう人なのか分からないためか、二人の会話がやや冗長になったような印象も受けました。引き込まれる冒頭に介護ホームとありましたので、ホームのことについてもう少し何かあったら、現実と夢のバランス的に、夢が引き立ったかなあ、と思います。 拙い感想、失礼しました。 |
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No.5 HONET 評価:30点 ■2010-12-17 22:07 ID:PXdx.MJ.3aM | |||||
RYOさんの作品に感想をつけたことがあったかどうか、実は覚えてなかったりします。実ははじめてかも。ということで、どうも、お世話になっております。 なんかすでに、この作品はこれでよい、満足だ、と仰っているので、それならば言うことは無いのですが(笑)、まあ感じたところを少しだけ失礼して。 >タイトル 最初、正直このタイトルには興味を惹かれないなぁと思ったのですけれども、読んでみるとなるほどこのタイトルがしっくりくるなぁと。今ではいいタイトルに見えるから不思議です。これから読もうとする人を惹きこめるタイトルってのはなかなか難しいですね。以前、「水に眠る」っていうタイトルの本が気になって買ったことがありましたから、本を手に、の部分を削ってみてもいいのかな、とかふと思ったり。 >現代かファンタジーか これは確かに迷いそう。でも私としては現代よりかなと感じました。別にそんなことは作品の良し悪しになにも関係はしないんですけどね(笑) ちょっとした不思議要素のある現代話、といったほうがしっくり来るかな、と。読者層もそっちの方が多いように感じましたので。 >全体的に 三語ってのもあるし、やはり全体的にちょっと粗めなのはしかたないところかしら、と思いつつ。「終の棲家」という言葉あたり、お題だったのかなと感じたり。ただ、雰囲気はいいですよね。そういう意味では、書きたいことは書けたんだろうなぁと感じつつ、まあやはりいささか勿体無い気もします。うん、余計なお世話(笑) |
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No.4 お 評価:30点 ■2010-12-17 00:43 ID:E6J2.hBM/gE | |||||
ちわ。毎度お世話様です。 そっちょくなところ、今回のはえらく作りがあらいなーと思ったら、元は三語用でしたか。 さて。わかりにくいという話しですが、僕的にいうと、こういうのは、わかりにくいとはいわないと思うわけで、ひとつの結末を求めるだけなら、小説でなくていいじゃんと思うわけです。まぁ、好みは色々ですから、これはこうだとは、とてもいえませんが。僕の私感として、そんな感じです。 |
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No.3 RYO 評価:--点 ■2010-12-15 21:47 ID:.i7x7bNUzao | |||||
どうも、作者です。 誤字等が散見されて、お目汚しでした。すいません。 >ハギノ様 初めまして。RYOです。 お読みいただきありがとうございました。 良く分からないのは、作者としては不本意ではありますが。仕方ないですね。 私はこの作品はこれでいいと思ってます。 これで十分、伝えるべきは伝えたと思っていますし、これ以上は蛇足と考えます。また、作者としての満足があるので、これ以上はないのです。 >HAL様 どうも再読ありがとうございます。 前回とは違った感想があるというのは、作者としてこの上なく嬉しいものです。 作品の解釈は好きにしてもらうように作っているので、それを限定はしたくないのです。タイトルですでにほのめかしている通りであり、そうでもないのです。 私信については、三語ですから。いつでもどうぞ。 ではでは。 |
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No.2 HAL 評価:30点 ■2010-12-15 21:10 ID:RwWy4r6WjLs | |||||
再読しました。 わたしはこのお話、かなりスキです。切なくて、悲しいラストなんだけど、さわやかな読後感。こういう、切なくも心温まる感動系のストーリーを軸にすえて、ストレートに書けるのが、RYO様の強みなのではないかと、勝手に思っています。 前に感想をおつたえしたときには、松利さんのキャラが好きだと書いたような気がするのですが、今回再読したら、夢に出てくる女性が、いじらしくていいなと思いました。これ、男性の書き手さんでないと、なかなか書けないタイプのいじらしさだと思います。リアルな女性像とは、また違うよさがあるなって。男性の願望のちょっと入った女性像って、実はたまらなく好きで、でも自分が書くと、なかなかそのニュアンスが出ないんですよねー。(当たり前か……) 情景も素敵だし、小道具の文庫本もせつないし、おにぎりの味の描写なんか、すごくいいなと思います。 ご指摘があっているように、世界観というか、設定が、わかりにくい感じはあるかなあというのは、わたしもちょっと思いました。夢の中の男女と、松利さんがどういうかかわりをもっていたのか、松利さん=夢の中の男なのか、だとしたら、記憶をたどっているだけなのか、夢を介することで魂が時空を超えて(姿も若返って)、昔の時代に生きていた女性に逢っているのか。どうして松利さんはこの夢を見ることになったのか。そのあたりはもうちょっと具体的にほのめかしてあるほうが、すっとなじめたのかなあと。 そういうのって、ちょっと謎めいているほうが想像をくすぐるし、あんまりロコツに書いても味気ないんですけれど、かといって伝わらなくても寂しいし、悩みどころですよね。(このあいだ自分がオカルトを書いていて痛感しました……) あと、誤字はたしかにちらほら(笑) 私が指摘するのも、なんていうか棚上げはなはだしいのですが、あとで訂正される際の参考になればということで、みつけたところをメモしておきますね。 > 男は女が食べたおにぎりをそのままかぶりついた。 > ベンチのいつまでも眠ってもらっても困るし、 > いつまでもベッドに横になって眠っていること多かった。 > ここに来るなんでどうかしてますね? > ただ生きて帰ってきてくださいすれば、 > 早く戦争なんて早く終わるとよいのに(早く二回) > こんなに寂しい思いをすることにはなかっただろうに。 > 何度も、何度も松利も名を呼んだ。 > 季節は時期に春を迎える。 あとちょっと私信はいりますが、このごろ三語サボりぎみでごめんなさい……! いま書いているものが落ち着いたらまた書きます。 お仕事、早く落ち着かれるといいですね。勤務、大変そうですけど、お体ご自愛くださいますよう。 いつもながらの拙い感想、どうかご容赦くださいませ。 |
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No.1 ハギノ 評価:10点 ■2010-12-15 20:02 ID:lwDsoEvkisA | |||||
拝読しました。 なんだかよく分からない、というのが率直な感想になってしまいますが、一生懸命書いたのだろうな、というのは伝わってきます。 でもよく見直したつもりだ、とメッセージ欄で言ってるわりに、そのメッセージ欄にですら間違いが見受けられるのはいかがなものでしょうか? 本文にも結構間違いありましたよ。助詞の使い方がおかしいところも多々あり、推敲の余地があったのではと思います。 ちゃんと紙に印刷して読み直してみましたか?パソコン画面上だけでは気付けない間違いというのはどうしてもありますので、一通り書いたあとは一旦印刷してみることをお勧めします。 またお話に関してですが、ぶっちゃけ、若いヒロインがおじいさんに対して恋愛感情にも似たような思いを抱いているのに、感情移入できませんでした。それがいけないと言っているわけではありませんが、それを読者に納得させるだけの説得力がなかったように思います。普通なら、介護対象の老人相手に「昔はかっこよかったのだろう、写真を見てみたい」なんて思わないですし。 そんな和美に感情移入させるための鍵が、おじいさんの夢の中にあったのだと思いますが、和美とおじいさんの夢の中の女性との関連性もイマイチよく分かりませんでした。 その部分。 和美さんとおじいさん、おじいさんの夢の中の男女との関係をどのように表現していけば、読者に伝わっただろうかという所を、少し考えてみてはいかがでしょうか? 何を伝えたいか、どうすれば伝わるか、を考えていくことができれば、きっともっとうまくなっていくと思いますよ。 頑張ってください! |
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総レス数 11 合計 220点 |
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